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2009.12.31

吊掛モーターのテスト

さて、いよいよ実走行によるテストである。
テストベンチでのテストとは大きく異なり、大きな負荷や勾配線を走行するので
当然のように色々なことが発生する。

Wed5_20091230
 平ギア式の吊掛モーター(14:28)を搭載した米国型DL
 車重 : 184g
 2%勾配を800gの重量貨車を牽引して駆け上る

Wed6_20091230
 ウォームギア(2:16)による吊掛モーターのED61
 車重 : 268g
 これから800gを牽引してテストに臨む

ところで、テスト条件である。
・今回のモーター回路は、いずれも「全並列」である。
 =>最も出力が高い状態
・効率を比較するために、平ギア式とウォーム式の2種でテストを行う。
 =>効率や牽引力の差を調べる。

結果としては、車重400gのテストは初期マイナートラブル(断線やウォーム抜け)
により出来なかったが、以下のような結果となった。

平ギア式(14:28 車重 184g)
 空車     5.0V/0.4A
 400g牽引  6.0V/0.4A
 800g牽引  8.0V/0.8A(勾配再頂点で一瞬10Vにする)
ウォームギア式(2:16 車重 268g)
 空車     5.0V/0.3A
 400g牽引  6.0V/0.3A
 800g牽引  6.0V/0.4A(勾配再頂点で一瞬10Vにする)

結果としては、「小型モーターをさらに減速比が低い状態で使うと効率
が低い」ということである。
しかし、冷静になって数値を確認すると、2%勾配(一瞬3%になるところがある)
において、わずか自重184gの機関車が800gの重量貨物を牽引してしまう
というのは、実は凄いことなのである。
平ギア式の吊掛モーターはまったく空転しないので、実はかなりスムーズ
に坂を登るである。
これらの結果を元に、直並列式にしたり、先々にはギア比を買えたり・・と
効率と信頼性の高い動力を目指していくのだ。

Wed8_20091230
 帰宅後、故障箇所を確認している状態。
 ED61はウォームが1個抜け、米国DLは1モーターの結線が切れている

Wed9_20091230
 全並列の配線のため、ゴチャゴチャと線が走り回っている。
 枕梁部の上方にある0.3φの洋白線によりモーターは固定される。
 脱着は整備性を考慮して簡便に出来る。

確認の結果
 ・ED61は新しく採用したロックタイトによるウォームの固定がうまく行っていない
  ことが判明。
  =>さらに改善のため、現状はジェルタイプにより固定方法に変更
 ・平ギアのモーターは、小歯車(14枚)の固定に使ったハンダが微妙に歯の間
  に流れており、それが引っかかってモーターが外れ=>配線が切れた、という
  状況であった。
  =>これからの製造は、ロックタイトを使う方法に変更済

これらを教訓にして、来年また再トライである。

Wed10_20091230
 これから年始を迎えるために、通常の姿に戻った状態
 米国DLは私と同じ歳で40年以上前のもの
 父の遺品でもあるこのロコが、21世紀に最新動力を搭載することになると
 いうのが、実は鉄道模型の面白さなのではないか?

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