古いものには縁がある(2)
シュタインハイル社 カスカII型の話の続きである。

レンズのカムの繰り出しを検知する部分(距離計)
レンズを外して距離計カムの連動部分を見る。
なんとも独特な形状である。
太い棒の先に靴があるような形だ。
一応、問題はない(材質、形状)ようだが、少しだけ磨耗が心配だ。
また、この形式では外部から距離計の微調整は出来ない。

ボディを上から見たところ
巻き上げは普通にダイアルである。
カウンタは試行錯誤した結果、加算側に爪で押して回してセットするようだが、
少し疑問がないでもない。
どのダイアルも背が低いので巻き上げは少しやりにくく、カウンタもセットが
やりにくい。

カスカのもっとも特徴的な部分。シャッター速度設定はスライド式
自分で使ってみてこのスライド式の謎が解けた。
ライカなどの場合、シャッターのスロー側は全開速度(1/20や1/50など)で
後幕が走り出したときにガンギを叩くことで速度を落としている。
そのため、1/15~1/8と1/4~1/1がガンギの叩く方向が違うので、
速度の間が開いてしまう。
カスカII型のこのスライドを赤文字側(1/25~)に操作していくと、1/50を
過ぎたところでコン!と少し抵抗がある。
そう、機械式カメラにちょっと堪能な方ならお気づきのはずだ。
「あ、これはアルパと同じガバナーをセットするタイプだ!」
1操作で不回転式シャッター設定で、かつガバナーを使う形式にする
ためのスライド式なのである。
ガバナーを押してセットするためには、ある程度の操作量と力が必要
なのである。
=>アルパの操作を思い出してもらえば判るはず
このスライド式なら、意外に単純(外観が)な操作系が出来る。
う~ん、シュタインハイル社、賢い!
ということは、同じカスカでもI型は1/25がベース速度のはずである。
(スロー機構がないから)
ああ、現物を購入して確認したいものだ(遠い目)
それはともかく、上記の構造だとするならば、もう製造後60年以上が経過
しているカスカII型のシャッター速度(低速側)はかなり慎重に操作しなくて
は壊れる可能性がある。
これからは注意して使うことにしよう。

大きさの比較、右側のライカIIIfは私の初めてのライカだ
実際に使う前に大きさの比較。
CASCA II型は小山のような大きさである。
重量は以下の通り。
Leica IIIf(エルマー付き) 547g
CASCA II型 772g
200g以上重いのだが、手に取った感じはライカの方がずっしりした感じだ。

困ったことに、普通の釣管が使えない!
さて、実際の撮影を・・・ということでストラップをつけようとすると困った
ことになった。
独特な耳の形状と穴が小さいことで、普通の釣管が使えないのだ。
結局、模型や電気の配線で使う銅線を巻いて対応した。
(かなり心細いのでお勧めはしない)
さて、いよいよ実際の撮影結果である。
レンズはCulminar50F2.8が装着されている。

Culuminar50F2.8 絞り開放(ネガをスキャン)

Culuminar50F2.8 絞り開放(ネガをスキャン) 後ボケに注意
Leica M9でQuinon50F2を使った感触と比較して、ネガ+CASCA IIボディで
撮影した結果は、背景のボケが結構暴れる感じである。
しかし、シャープネスは十分だ。

F=1:4 1/1000 しっかりと最高速シャッターも使えた
絞るとボケ味はなだらかになる。
シャープネスも良い感じである。

F=1:8 1/250
絞り込んでいくと本当に良い感じだ。
まあ、当たり前といえば当たり前だが。
実際に使っていて感じたことは以下の通りだ。
・背の低いダイヤルによる操作は厳しいものがある。
=>特に巻き戻しは親指が疲れた
・3mより近接で使うと、ファインダーはかなり当てにならなくなる。
=>これはライカ、コンタックスも同じか?
・シャッター音は極めて静か、レリーズ感も滑らかで気持ちが良い。
全体的には、あとちょっと煮詰めれば本当に良いカメラで、十分に高級機で
あるとうものである。
クラシックカメラはほんとうに面白い。
こうやってあれこれと確認し、実際に操作して写真の写りまで楽しめるのだ。
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コメント
いやあ、カスカってこうしてみると本当にすごいですね。すごくおもしろいと言った方がいいかもしれないけれど( ̄▽ ̄)たしかM3より以前に出ているんですよね?すごいね、先進的すぎたのかな。
投稿: 呑川 | 2010.02.20 21:08
カスカはI型が1948年、II型が1949年。
考えてみると戦後3年で、シュタインハイル社はコンタックスやバルナックライカを凌ぐこのカメラを発売したことになります。
確かに、この後のライカM3には及ばないものの、同年代の中では画期的だと思います。
ただし、初めて製品化したものなので、まだまだ機能の煮詰めが甘いところがありますが、その後も改良を続けていれば・・・と思うと惜しいですね。
ちなみに、ニコンI型、M型が同年代です。
そういう意味では、日本もがんばっていたのですね。
投稿: ム | 2010.02.21 07:36