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2010.02.14

試行錯誤

機械というものは難しい。
図面のうえでの数値だけを信用して作ると、うまくいかないことが多い。
そのことは、私のような個人だけでなく、日本を代表する某大手企業が国際的
に迷惑をかけていることからもハッキリしている。

14:20の吊掛モーターについて、風邪でダウンしながらもどうにか必要な数を
揃えることが出来たはずであった。

Thu2_20100211
 ブリルMCBに組み込んだ14:20の吊掛モーター

台車に組み込み、実際に負荷をかけてテストを行う段階になった。
14:20のギア比により、日光モデルのブリルMCB(軸距24.5mm)にも組み込みが
可能になった。

Thu3_20100211
 テスト台枠で負荷試験を実施中

しかし・・・
動かしてみると、片っ端から壊れていく。
問題なのはモーター側のピニオンが抜けてしまうことである。
外れたものを、ロックタイトで止めて、また壊れて・・・を繰り返す。
結局、数時間かかって全部のモーターのピニオンを抜き差しした。
これは「今のままではダメだ」ということである。
作業を中断し、対策を検討する。

Thu5_20100211
 累々と修理を行う吊掛モーター。14:40のタイプも2軸ピニオン抜け

14:20(モジュール0.3)の組み合わせでは、軸間が5.75mmである。
ということは、軸が3.0φ、モーターの外形が8mm(短い方)なので、理屈では
5.5mmとなるので余裕でいくはずであった。
しかし、さんざんピニオン抜けを経験した結果、ギアのかみ合わせが微妙に
甘いため、負荷をかけるとギアが噛んでしまい、そのためにピニオンが抜けて
しまうことが判った。

Sat2_20100213
 モーターのケーシングを0.2mm程度掘り込み

考えた末に、モーターのケーシングを掘り込むことにした。
これも地味にテストを行った結果、0.2mmほど掘り込むことが必要であった。
単純に数値(上記参照)を考えると矛盾である。
こういうことは、実地の経験が無ければ出て来ないノウハウだ。
それと併せて、ピニオンもハンダ付けに変更した。
以前の0.8tのピニオンでは、ハンダを回そうとするとあぶり過ぎてメタルに張り
付いてしまったりしたが、間にアルミ箔を入れたり、0.5tと薄くなったギアなので
あまりハンダコテであぶらなくてもハンダが回る・・などの検証のおかげで
この変更が可能になった。
このようなことも、経験が無ければ出来ないことだ。

何事も「実地の経験」が重要なのである。

Thu4_20100211
 ようやく「本命?」の路面電車用吊掛モーター搭載実験開始

色々と苦労があったが、ようやく負荷テスト用を4個、路面電車用を2個用意
出来た。

色々と考えたが、この14:20の組み合わせはちょっとムリが多いと思われる。
かなりグッタリ・・である。

Thu6_20100211
 右が14:20、左が14:24.この画像からは「大丈夫」に見えるのだが

14:24に組み合わせを切り替えようと思っているのだが、路面電車用の小さな
車輪である8.5φのクリアランスがどうか?を検証しなくてはいけない。

それにしても、この3ケ月は吊掛モーターのあれこればっかりである。
そろそろ車両工作がしたい。

Sun2_20100214
 このような小型地鉄車両を作るのが最終目的なのだが・・

この車両は、1/87の乗工社の東急デハ6を16番の小型地鉄風にしたもので
ある。
すでにもう1両同様の仕様にするために購入してある。
このような車両を、吊掛モーターで動力化できる!と思うと少しヤル気が
出て来るというものである。

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コメント

>14:20(モジュール0.3)の組み合わせでは、軸間が5.75mmである。

こんにちは

かんたんな計算でも5.4ですね。
5.75で作っては確実に噛みます。

ex)((14+20)/2+1)x0.3=5.4

投稿: まーくん | 2010.02.14 12:14

うー、計算でもそうですか。

私は実測して5.75mmであることを確認したのですが、どうも甘かったようです。

投稿: | 2010.02.15 14:10

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