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2010年5月

2010.05.29

Contaxのフードの謎(その1)

私が最初に所有したContaxはII型であった。
整備状況は良くなかったものの、元祖ZeissのContaxの感触が判って楽しかった。
しかし、お決まりの通り「お金が無くって」売ってしまった。
それから数年を経て、どうしてもContaxI型が欲しくなった。
理由は凄く単純で「ブラックコンタックス」という呼び名がカッコイイと思ったことと
やはり元祖の中の元祖のContaxの感触を味わいたかったのだ。

Contax11_20100529
  我が家のContaxI型 後ろのものがVer.2、手前のものがVer.7

当時の知識は極めて浅く「どうせなら高級な方(スロー付き)が欲しい」と思って
いた。
しかし、実際は金額的制約により、スローなしのタイプになった。
それがVer.2(1コブ)のタイプであった。
このカメラ、実はこの後に盛大に落っことしたりする(I型ではよくある釣り管の
ネジが脱落する事故)という不幸に遭遇したものの、なんと運の良いことに
Contax修理名人のところに行く日だったので、そのまますんなりと入院し、
以前より快調になって戻ってきた。
それから10年は経っただろうか?
銀塩もそろそろ使えなくなるかもしれない・・という不安から、「もう一度、ちゃんと
Contaxを使ってみたい」という気持ちになり、I型のスロー付きとII型を購入する
こととなった。
そしてやってきたのが、整備済(と思われる)I型(Ver.7)とII型だ。

Contax12_20100529
  これはTessar50F2.8。 50F3.5も同様の外観。

新しく購入するものなので、Ver.2に付いてきたTessar50F3.5とは違うタイプ
のレンズ(リジットのSonnar50F2)が欲しかった。
しかし、予算の都合もあって簡単には行かない。
結局、I型はどちらもTessar付きとなった。
それは別に良いのである。
問題は「撮影するときにフードをどうするんだ?」ということである。

Contax13_20100529
  II型の沈胴のSonnar50F2.。 戦後のものながら通常のフードがある。

沈胴のTessarは、フィルタが付くようになっていない。
ひょっとすると何かあるのかもしれないが見たことがない。
さらに、絞りリングが正面に幅広くあるので、そこに被せるフードがあるのか?
とも考えるが聞いたことがない。
II型時代のSonnarになると、フルター径が40.5φになるので、戦後のフードも
使えるし、汎用品もある。

では、Ver.1から始るContaxのフードはどうなっているのか?
実はこうなっているのである。

Contax14_20100529
  一見しただけでは単に謎の物体。実はContaxのフードである。

これがContaxのフードである。
一見しただけでは、なんのことだか判らない。

Contax15_20100529
  ちょっとコツが必要だが、このように延ばすことが出来る。

ちょっと凝ったしくみになっていて、このように3段で延ばすことが出来る。
なるほど、折りたたむとコンパクトで便利??
このフード、かなり前から探していたのだが、2年ほど前のカメラ市で偶然に
発見!
顔見知りの店員さんに「これ、長年探していたんだ~!」と言うと・・
「え?なんでそんなに長年探していたんですか?」と聞かれてしまった。
で、私の回答は・・・
「だって、こういうものが有るから(哲学的な遠い目)」
まあ、マニアなんてこんなものかと(凄く遠い目)
そして、長年探していた割りには、購入してから数年は完全に放置プレイ。

さて、折りたたみが出来るのが判ったのは良いとして、問題はどうやって
使うのか?

Contax16_20100529
  ボディに装着した姿。 外バヨネットを使う。

このフード、マウント部(外バヨネット)に装着するのである。
なるほど、それで伸縮が可能なのか?と納得する。
しかし・・・

Contax17_20100529
  斜め横から見たところ。 レンズもマウント基部もまったく見えない・・

レンズもマウント基部もまったく見えない。
これで何が困るか?というと・・
 ・被写界深度が判らない(マウント基部が見えないから)
 ・現在、レンズがどれくらい繰り出されているのか判らない。
 ・そもそも「どのレンズが付いているのか?」が判断できない。
これが結構撮影時に不便なのである。
特に「レンズがどれくらい繰り出されているのか?」が判らないと、咄嗟のときに
「このままレリーズして良いのか?」が判断できないのだ。
これはとっても困るのである。

さて、実際に撮影をして、あれこれと検証をした。
とりあえず、話が長くなったので、その話はまた次で。

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2010.05.04

ボルシーCで撮影

先日、久々の快晴を生かしてボルシーCで撮影した。

Bolsey_c1_20100504
  ようやくボルシーCで撮影が出来た

Bolsey_c2_20100504
    WOLLENSAK 44F3.2 1/200 F=1:9(くらい)

撮影していると、ボルシーCの手ごたえは正直言って頼りない。
それは、ボルシー自体の操作性による。

Bolsey_c3_20100504
  ボルシーのレリーズはシャッターから延びたレリーズレバー
  を押し下げるという頼りない操作だ。

コストの関係もあったのだろうが、ボルシーのレリーズはシャッター
から延びたレバーを押し下げることにより行う。
それがまた妙にストロークがあり、レリーズしているときに「どこまで
下げればいいのだろうか?」と疑問を感じつつ操作することになる
から、なんとも心細い。
カメラがぶれないようにしずしずとレリーズしていると、どこでどう
シャッターが切れているのか?果たして手ブレしていないのか?
となんとも頼りないのだ。
「きっとダメだろう(手ブレしている)」と思っていると、現像が上がって
きたときに「あれ?ちゃんと写ってる」というギャップがまた楽しい。

Bolsey_c4_20100504
   WOLLENSAK 44F3.2 1/50 絞り開放(F=1:3.2)

このようなケースでは、低速シャッターを使うのでかなり不安だ。
しかし、結局はまあまあの写りをしているのだから面白い。

ところで、ボルシーCはウェストレベルファインダーがあるので、明るい
ところではそれを使って撮影を行っている。

Bolsey_c5_20100504
  ピントフードはワンタッチで開く

Bolsey_c6_20100504
  ファインダーはこんな風に見える

Bolsey_c7_20100504
  ピントグラスでピントを合わせるのは辛いのでルーペを起こす

ピントフードはちょっと爪をかけて起こせばワンタッチで立つ。
ときどき「bolsey」のマーク(通称”赤玉”)が外れて落ちたりするので
注意が必要である。
(注:これが無くなると価値が半減する)
2眼レフとはいえ、35mm版のサイズでのファインダーなので、見え
は結構頼りない。
ピント合わせは、ピントルーペを起こして行う。
これで明るいところであれば大丈夫だ。

Bolsey_c8_20100504
   WOLLENSAK 44F3.2 1/200 F=1:9(くらい)

明るいところは2眼のファインダーでも良いが、ちょっと日陰になると
厳しい。
そうなると、レンジファインダーを使うことになる。

Bolsey_c10_20100504
   無口なオヤジさんを思わせるボルシーの背面

Bolsey_c11_20100504
   ボルシーの距離計はスプリットタイプである。

Bolsey_c12_20100504
   ファインダーはほぼ素通しである

ボルシーCの距離計は左側の穴である。
スプリット式の距離計は、ハーフミラーが薄くなって見えなくなってしまう
合致式よりは年数が経ったボルシーのような大衆機では頼りになる。
とはいえ、撮影対象によっては切れ目が判らずに困ることがある。
ファインダー(右側の穴)は、まあそれなりの見えである。

Bolsey_c9_20100504
   WOLLENSAK 44F3.2 1/25 絞り開放(F=1:3.2)

このような被写体であれば、レンジファインダーでどうにか撮影出来る。
明暗部がこれだけはっきりしてしまうと、ウォーレンサックでは少し
厳しいのかもしれないが。

以上、久々のボルシーCによる撮影であったが、色々な機能がある
ボルシーCで撮影することは意外に楽しい。

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