Contaxのフードの謎(その1)
私が最初に所有したContaxはII型であった。
整備状況は良くなかったものの、元祖ZeissのContaxの感触が判って楽しかった。
しかし、お決まりの通り「お金が無くって」売ってしまった。
それから数年を経て、どうしてもContaxI型が欲しくなった。
理由は凄く単純で「ブラックコンタックス」という呼び名がカッコイイと思ったことと
やはり元祖の中の元祖のContaxの感触を味わいたかったのだ。
我が家のContaxI型 後ろのものがVer.2、手前のものがVer.7
当時の知識は極めて浅く「どうせなら高級な方(スロー付き)が欲しい」と思って
いた。
しかし、実際は金額的制約により、スローなしのタイプになった。
それがVer.2(1コブ)のタイプであった。
このカメラ、実はこの後に盛大に落っことしたりする(I型ではよくある釣り管の
ネジが脱落する事故)という不幸に遭遇したものの、なんと運の良いことに
Contax修理名人のところに行く日だったので、そのまますんなりと入院し、
以前より快調になって戻ってきた。
それから10年は経っただろうか?
銀塩もそろそろ使えなくなるかもしれない・・という不安から、「もう一度、ちゃんと
Contaxを使ってみたい」という気持ちになり、I型のスロー付きとII型を購入する
こととなった。
そしてやってきたのが、整備済(と思われる)I型(Ver.7)とII型だ。
これはTessar50F2.8。 50F3.5も同様の外観。
新しく購入するものなので、Ver.2に付いてきたTessar50F3.5とは違うタイプ
のレンズ(リジットのSonnar50F2)が欲しかった。
しかし、予算の都合もあって簡単には行かない。
結局、I型はどちらもTessar付きとなった。
それは別に良いのである。
問題は「撮影するときにフードをどうするんだ?」ということである。
II型の沈胴のSonnar50F2.。 戦後のものながら通常のフードがある。
沈胴のTessarは、フィルタが付くようになっていない。
ひょっとすると何かあるのかもしれないが見たことがない。
さらに、絞りリングが正面に幅広くあるので、そこに被せるフードがあるのか?
とも考えるが聞いたことがない。
II型時代のSonnarになると、フルター径が40.5φになるので、戦後のフードも
使えるし、汎用品もある。
では、Ver.1から始るContaxのフードはどうなっているのか?
実はこうなっているのである。
一見しただけでは単に謎の物体。実はContaxのフードである。
これがContaxのフードである。
一見しただけでは、なんのことだか判らない。
ちょっとコツが必要だが、このように延ばすことが出来る。
ちょっと凝ったしくみになっていて、このように3段で延ばすことが出来る。
なるほど、折りたたむとコンパクトで便利??
このフード、かなり前から探していたのだが、2年ほど前のカメラ市で偶然に
発見!
顔見知りの店員さんに「これ、長年探していたんだ~!」と言うと・・
「え?なんでそんなに長年探していたんですか?」と聞かれてしまった。
で、私の回答は・・・
「だって、こういうものが有るから(哲学的な遠い目)」
まあ、マニアなんてこんなものかと(凄く遠い目)
そして、長年探していた割りには、購入してから数年は完全に放置プレイ。
さて、折りたたみが出来るのが判ったのは良いとして、問題はどうやって
使うのか?
ボディに装着した姿。 外バヨネットを使う。
このフード、マウント部(外バヨネット)に装着するのである。
なるほど、それで伸縮が可能なのか?と納得する。
しかし・・・
斜め横から見たところ。 レンズもマウント基部もまったく見えない・・
レンズもマウント基部もまったく見えない。
これで何が困るか?というと・・
・被写界深度が判らない(マウント基部が見えないから)
・現在、レンズがどれくらい繰り出されているのか判らない。
・そもそも「どのレンズが付いているのか?」が判断できない。
これが結構撮影時に不便なのである。
特に「レンズがどれくらい繰り出されているのか?」が判らないと、咄嗟のときに
「このままレリーズして良いのか?」が判断できないのだ。
これはとっても困るのである。
さて、実際に撮影をして、あれこれと検証をした。
とりあえず、話が長くなったので、その話はまた次で。
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