電機の動力装置の話(2)
1軸に1モータの方式を試すことになった。
テストとなると、やはり軸数が少ないものから始めるのが早い。
こういうときは、私の大好きなB型電機を使う
ということで、私の大好きなカツミのB型電機を使うことにした。
動力装置が改造によく耐えることもある。
左はウォーム交換したEB58、右はテスト用動力(以前は1M)
前から試してみたいと思っていたこともあった。
それは「16番の機関車は急勾配を登るときには、フランジを擦って
登るのが牽引力を出す秘訣ではないか?」ということである。
となると、動輪が大きいほど擦る面積は大きい。
このテストのために、20φの蒸気用の動輪を譲ってもらった。
これで「仮称EB54」が作れるのである。
EB58については、現在普通に入手可能なエンドウ16:2のウォーム
を装備した。
EB54については、画像では2Mになっているが、そのときはサイドワ
インダーであった。
仕様としては、両車とも200gにした。
注:いさみやの牽引力測定は、以下のランクに分けている。
超軽量級 : ~200g
軽量級 : 201g~400g
中量級 : 401g~700g
重量級 : 701g~1000g
テスト(2007.2.12)では面白いことが判った。
・EB58(1M) :いい調子だったがウィームが抜けてしまった。
・EB54(1M) :勾配途中で動輪の回転が遅くなって止まる。
モーターは同じである。
ということは、EB54の方が粘着が良いのである。
EB58は空転させているうちに熱を持ってウォームが抜けてしまう
のである。
ということは、1軸1モータにすれば、1個のウォームにかかる負担
は減るうえに、モータが倍になるのでパワーには余裕が出来るの
である。
またまた大量にモーターを仕入れてきた!
ということで、あれこれとモーターを購入してきた。
なにせ、1両に2個も搭載するのであるから、廉価でかつ調子の
良いものを探さないといけない。
2種類の2M式。比較のため1M仕様も整備。
あれこれと試した結果、一番長いものと一番薄いモータの2M仕様
を作成した。
1M式についても整備をした。
前回の1M式の教訓を生かして、接着剤も耐衝撃性の強いものに
変更した。
ということで、実験風景の画像が残っていたのでUPする。
これからテスト走行に向かうEB電機。
1両400gもある貨車をこれだけ牽引するのは猛烈に過酷だ。
最難関の2%(一部3%)勾配を駆け上がる1M式のEB58
続いて2%勾配に挑むEB66(2M)
一番急な一部3%を越えたところ。あと少しで勾配を抜ける
牽引力の測定結果は以下の通り。
(テスト実施は2007.3.11)
・EB10(2M薄型モーター) : 5.75両
・EB66(2M厚型モーター) : 4.5両
・EB58(1M厚型モーター) : 3.25両
車重がたった200gしかない車両が5.75両(2.3kg)の鉛貨車を引いて
2%勾配を駆け上がってしまうのである。
400g貨車を5.75両という牽引力は、700g級ED電機と同等または
それ以上の性能である。
私はこの結果で一つ自身を持てたことがある。
以前から疑問に思っていたのだが「同じ動力装置の性能で、牽引力
を上げるために死重(ウェイト)を増やすのはおかしい」である。
確かに、静止状態から引き出すときには車重がある方が良いとは
思うのだが、勾配区間では逆に足を引っ張るはずである。
それがこのテストの結果、少し証明できたように思えたのだ。
自信が出てきたので、いよいよ大型の車両の1軸1モーター式の
テストである。
もし、それがうまくいけば「ウェイトを減らしても牽引力のある機関車」
が作れることになる。
そうなれば、DCCサウンドの実用化が楽になるはずだ。
この話、続く
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