電機の動力装置の話(3)
EB電機のテストで1軸1モータ式がどうやら実用になりそうな
感覚が湧いてきたので、続いてD型を作ることになった。
動力装置テストのために、大量にネットオークションで調達
動力装置のテストとなると、色々なタイプを作ることもあるだろうし、
テスト中に脱線転覆なども発生する可能性は高い。
どうなると、ボディは恐ろしく頑丈で、足回りは加工に耐え、全体と
低コストで調達できるものが良い。
その点、厚いブリキ板の一体プレスで作られたボディのED58
は最適である。
ともかく安く調達したいので、ボディと台車があればokとばかり、
多数のED58とネットオークションで調達した。
さて、改造開始!
分解してもパーツ数はこれだけというのが潔い。
いつも思うのだが、金属工作の入門用の製品というのは、このくらい
単純なものから入れば良いと思うのだが。
牽引力測定については、軽量級(400gまで)になるように改造を
行うこととした。
軽量をすると、ボディ:54g、台車:84g、スカート:3g、床板(ウェイト
含む):93gで、合計は321gであった。
ということは、動力装置は79gに収めなくてはならない。
なにしろ、モータが4個である。
今までのボルスター(床板から延びるタイプ)が使えない。
(改造直後の画像)
あれこれと思案。私の書く図面はこんなスケッチ程度。
1軸1モータ式は今後もよく使う形式になるであろうから、少しでも
単純な量産に適したものでなくてはならない。
以前作成したインサイドギアを参考にこの形になった。
あれこれとメモをしながら考えた結果、インサイドギアのモータ
ブラケット部のみを使えば良い、ということになった。
パーツ数としては、ネジを含めて3個である。
モーターブラケットは、初めはもっと簡単な形であった。
しかし、台車に組み込んでみるとボルスターに当たることが判った
ので、急遽切り欠きを入れた。
モーターブラケットはインサイドギアと同じ形式
ボルスターについては、枕木方向に板を張る形式にし、台車を
絶縁する形式となった。
苦し紛れにやった形式なのだが、実際に使用してみると簡単に
台車が脱着できて整備が楽で助かることになる。
それにしても、モーターが斜めに密集している姿は、これはこれで
結構頼もしく見える。
モータについては、将来の実用車が「サウンドDCC搭載対応」をする
ことはまず確実なので、薄型のモーターを採用した。
(結果的に、これは正解であった)
もう少し小型のものを・・という考えもあったが、なにしろこのモータ
は調達価格が安いので、結果的に他のものを探すことは止めた。
動力装置を組み込んだ重量は、395gとなった。
同じ形式でED70も改造。 台車はED58も同じだ。
探してみたが、テスト運転の画像は無かった。
EB電機のときにいっしょに計測(2007.3.11)した結果は以下の
通りだ。
・ED58 : 9.75両
・ED70 : 8.75両
この値は、わずか395gの機関車の出した値である。
2%勾配(一部3%)の勾配を駆け上がり、3.9kgの鉛貨車を牽引して
いるのである。
この牽引力は、よもや市販の機関車(重量無制限であっても)
では不可能な値である。
笑ってしまうことに、同じ台車で同じ重量でも、ED70は微妙に
牽引力が低い。
やはり、最初に作った車両には「気合」が入っているということか。
さて、ここからさらに実用車両が生まれてくることになる。
この話、続く
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