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2010年6月20日 - 2010年6月26日

2010.06.22

電機の動力装置の話(5)

いよいよ、EH10の登場である。

Hh_move1_20100622
 1軸1モータ式の「ある意味」の究極

EH10の改造に着手したのは、2007.12.18からである。
1軸1モータ式のテストに着手したのが2月であるにもかかわらず
EH10に到達したのは年末も押し迫ってからである。
もっとも、大した理由がある訳ではない。
種車の調達に時間がかかっただけである。
どうせ動力装置は抜いてしまうのだから・・と、京都模型のEH10を
探すのに時間がかかったのだ。
入手したものについては、台車を塗装したり、車体の一部破損
部分の補修などから着手している。

Hh_move2_20100622
 元の姿。片方の台車しか動力が入っていない。

京都模型のEH10は、ご存知の通り、片方の台車がインサイドギア
で動力化されているだけである。
つまに「1個しかモータが入っていないものに、4個入れる」という
作業を行うわけである。

Hh_move3_20100622
 これがなんと1両分なのだから驚く

モーターブラケットを8個まとめて作成したのは、12/24であった。
クリスマスイブに夜なべした成果がこれである。
このときは、さすがにゲンナリした。

Hh_move4_20100622
 苦労の末、組み付けを完了したところ

ボルスター、床板の切り欠きを入れた。
なにしろ、単に組めばいい訳ではない。
全軸、同じ調子で動くように調整しながら組んでいくのだ。
まったく疲れる作業である。

Hh_move6_20100622
 唯一変更が必要であったドローバー取り付け部

この1軸1モータ式では、車体に改造が必要ないのが良いところ
なのであるが、EH10については、全軸にモータが付くことによって
モーターブラケット部がオリジナルのドローバー位置では当たって
しまうことが判った。
結局、車体を少しカットしてドローバー位置を上に上げた。

Hh_move5_20100622
 ずらりとモータが並び、走行可能になった状態

これで走行可能になった。
今回も牽引力測定のランクは中量級にしたため、超大型のEH10
も700g以内(685g)とした。
そのため、ウェイトは車体内部にフレキシブルウェイトを貼った
だけである。

Hh_move7_20100622
 ずらりと揃った1軸1モータ仕様機関車(後ろのEF57を除く)

さて、モータの数が倍になった結果はどうであったか?
 ・EH10 : 18両(7.2kg)
残念ながら、20両牽引は果せなかった。
(注:いさみやの牽引力測定貨車(400g)は20両ある)

EF81,EF66,EF62(後出)、EH10とも実は685gなのである。
これで「同じ車重の場合、パワーが倍になっても牽引力が倍に
なる訳ではない」ということが判った。
倍のパワーになって、牽引力は1.33倍である。
なるほど、面白いものである。
ちなみに、電力は0.1A/16Vであった。
モータが倍になって、なぜか電力消費はまったく増えず。

ところで、ここでまた面白い話がある。
後日、友人達と合同で牽引力測定を行ったときのことである。
その結果は、以下の通りであった。
 ・EH10 : 18 => 16両(6.4kg)
 ・EF62 : 15 => 14両(5.6kg)
なぜか減少してしまったのである。
今に到るも原因は不明である。
まあ、18両が16両になったからと言って、別に何も困りはしないので
はあるものの、不思議ではある。

さて、新性能機(あれ?EH10は違うか)における動力性能の追求
はこれで一段落である。
ここで本題に戻らなくてはいけない。

そう「FABのサウンドデコーダを生かす動力装置」である。

                       この話、続く

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2010.06.21

電機の動力装置の話(4)

ED電機がokならば、新性能EF級は同じ方法で4モーター化が
可能である。

Fh_move1_20100621
 4モータEF級の第一号はEF81、次がEF66。

EF級は700g級とした。
第一号はどの車両にするか?と考えた結果、EF81(しなのマイクロ)
を使うことにした。
この車両、実は1982年(だったか?)の鉄模連の牽引力測定会
に参加しているのである。
我が家初のシールドモーター(サガミ)を使い、車重も1085gに
増やしてのトライは呆気なく惨敗(途中リタイア)
つくづく、牽引力を出すことの難しさを実感した。

その敗北から20年以上・・・
車重が重すぎること災いして、この10年以上はまったく持って出る
こともなかった。
そのEF81が、いよいよ21世紀の近代機として蘇るときが来た!

Fh_move2_20100621
 改造中の姿。ED58と変わるところはない。

EF81、のちにEF66を改造対象に選択したのは、台車の軸距が
長いということもある。
なにせ2個のモータを向かい合わせで搭載するのであるから、
軸距が長いに越したことはない。

Fh_move3_20100621
 ムリに中間台車を動力化するのは止めた。

EF81は2007.3.10に改造を完了。
EF66は2007.5.4に改造を完了。
いずれも700gクラス(中量級)である。
特にEF81は、重さがグッと軽くなって運転に持っていくのが楽に
なったので、急にこの機関車の愛着が復活した。
考えてみると、高校生のときに無け無しのお金で組みかけ(かなり
バッちい)のキットを購入して丹念に修復し、その後「あの敗北」
が来るまでは主力機関車だったのである。
ああ、ようやく報われる?ときが来るのか??

Fh_move4_20100621
 2%(一部3%)勾配を登るEF66(残念ながらEF81の画像なし)

計測結果は以下の通り。
 ・EF81 : 13.25両(5.3kg)
 ・EF66 : 13.5両(5.4kg)

ああ、ようやく夢の強力機関車が出来た。
そういえば、ここまで電力消費の話をしなかったが、このEF級に
おいても2%勾配登坂時でも0.2A/16V程度であった。
電流については実は重要事項で、DCCを使用するときには、
Maxが1A以下でないとデコーダが破壊されてしまう。
のちにモバイルとサウンドが別(DigitraxのSFX004など)になった
から良いようなものの、このテストを行っているときには、大変効果
なモバイル・サウンド一体のデコーダを破損しようものなら、もう
3日は立ち上がれなくなってしまうのである。
(それ以上に、経済的に大きな打撃である)
一見「なに車両イジメしているんだ」と見えるであろうが、新しい
動力形式において、限界数値(電力Max)を出すためには、ここまで
過酷なことをしないと検証できないのだ。
逆に、ここまでやっておけば、普通に運転しているときには「楽勝
である」ということは判っているので安心なのだ。

これで、4モーター車が実用になることは検証出来た。
モータは背の低いタイプを使っているし、ウェイトも少し積めば十分
なので、DCC+サウンドも可能である。

電力にまだまだ余裕がある・・・
そうなると、いよいよ「最大パワーの車両」を試さなくてはならない。

                            この話、続く

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2010.06.20

電機の動力装置の話(3)

EB電機のテストで1軸1モータ式がどうやら実用になりそうな
感覚が湧いてきたので、続いてD型を作ることになった。

Dmove1_20100620_2
 動力装置テストのために、大量にネットオークションで調達

動力装置のテストとなると、色々なタイプを作ることもあるだろうし、
テスト中に脱線転覆なども発生する可能性は高い。
どうなると、ボディは恐ろしく頑丈で、足回りは加工に耐え、全体と
低コストで調達できるものが良い。
その点、厚いブリキ板の一体プレスで作られたボディのED58
は最適である。
ともかく安く調達したいので、ボディと台車があればokとばかり、
多数のED58とネットオークションで調達した。

Dmove6_20100620_2
 さて、改造開始!

分解してもパーツ数はこれだけというのが潔い。
いつも思うのだが、金属工作の入門用の製品というのは、このくらい
単純なものから入れば良いと思うのだが。

牽引力測定については、軽量級(400gまで)になるように改造を
行うこととした。
軽量をすると、ボディ:54g、台車:84g、スカート:3g、床板(ウェイト
含む):93gで、合計は321gであった。
ということは、動力装置は79gに収めなくてはならない。

Dmove7_20100620_2
 なにしろ、モータが4個である。
 今までのボルスター(床板から延びるタイプ)が使えない。
 (改造直後の画像)

Dmove3_20100620_2
 あれこれと思案。私の書く図面はこんなスケッチ程度。

1軸1モータ式は今後もよく使う形式になるであろうから、少しでも
単純な量産に適したものでなくてはならない。

Dmove8_20100620
 以前作成したインサイドギアを参考にこの形になった。

あれこれとメモをしながら考えた結果、インサイドギアのモータ
ブラケット部のみを使えば良い、ということになった。
パーツ数としては、ネジを含めて3個である。
モーターブラケットは、初めはもっと簡単な形であった。
しかし、台車に組み込んでみるとボルスターに当たることが判った
ので、急遽切り欠きを入れた。

Dmove4_20100620_2
 モーターブラケットはインサイドギアと同じ形式

ボルスターについては、枕木方向に板を張る形式にし、台車を
絶縁する形式となった。
苦し紛れにやった形式なのだが、実際に使用してみると簡単に
台車が脱着できて整備が楽で助かることになる。
それにしても、モーターが斜めに密集している姿は、これはこれで
結構頼もしく見える。
モータについては、将来の実用車が「サウンドDCC搭載対応」をする
ことはまず確実なので、薄型のモーターを採用した。
(結果的に、これは正解であった)
もう少し小型のものを・・という考えもあったが、なにしろこのモータ
は調達価格が安いので、結果的に他のものを探すことは止めた。

動力装置を組み込んだ重量は、395gとなった。

Dmove5_20100620_2
 同じ形式でED70も改造。 台車はED58も同じだ。

探してみたが、テスト運転の画像は無かった。
EB電機のときにいっしょに計測(2007.3.11)した結果は以下の
通りだ。
 ・ED58 : 9.75両
 ・ED70 : 8.75両

この値は、わずか395gの機関車の出した値である。
2%勾配(一部3%)の勾配を駆け上がり、3.9kgの鉛貨車を牽引して
いるのである。
この牽引力は、よもや市販の機関車(重量無制限であっても)
では不可能な値である。
笑ってしまうことに、同じ台車で同じ重量でも、ED70は微妙に
牽引力が低い。
やはり、最初に作った車両には「気合」が入っているということか。

さて、ここからさらに実用車両が生まれてくることになる。

                         この話、続く

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