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2010年2月14日 - 2010年2月20日

2010.02.20

古いものには縁がある(2)

シュタインハイル社 カスカII型の話の続きである。

Casca7_20100220
 レンズのカムの繰り出しを検知する部分(距離計)

レンズを外して距離計カムの連動部分を見る。
なんとも独特な形状である。
太い棒の先に靴があるような形だ。
一応、問題はない(材質、形状)ようだが、少しだけ磨耗が心配だ。
また、この形式では外部から距離計の微調整は出来ない。

Casca10_20100220_2
 ボディを上から見たところ

巻き上げは普通にダイアルである。
カウンタは試行錯誤した結果、加算側に爪で押して回してセットするようだが、
少し疑問がないでもない。
どのダイアルも背が低いので巻き上げは少しやりにくく、カウンタもセットが
やりにくい。

Casca11_20100220
 カスカのもっとも特徴的な部分。シャッター速度設定はスライド式

自分で使ってみてこのスライド式の謎が解けた。
ライカなどの場合、シャッターのスロー側は全開速度(1/20や1/50など)で
後幕が走り出したときにガンギを叩くことで速度を落としている。
そのため、1/15~1/8と1/4~1/1がガンギの叩く方向が違うので、
速度の間が開いてしまう。
カスカII型のこのスライドを赤文字側(1/25~)に操作していくと、1/50を
過ぎたところでコン!と少し抵抗がある。
そう、機械式カメラにちょっと堪能な方ならお気づきのはずだ。
「あ、これはアルパと同じガバナーをセットするタイプだ!」
1操作で不回転式シャッター設定で、かつガバナーを使う形式にする
ためのスライド式なのである。
ガバナーを押してセットするためには、ある程度の操作量と力が必要
なのである。
=>アルパの操作を思い出してもらえば判るはず
このスライド式なら、意外に単純(外観が)な操作系が出来る。

う~ん、シュタインハイル社、賢い!

ということは、同じカスカでもI型は1/25がベース速度のはずである。
(スロー機構がないから)
ああ、現物を購入して確認したいものだ(遠い目)

それはともかく、上記の構造だとするならば、もう製造後60年以上が経過
しているカスカII型のシャッター速度(低速側)はかなり慎重に操作しなくて
は壊れる可能性がある。
これからは注意して使うことにしよう。

Casca17_20100220
 大きさの比較、右側のライカIIIfは私の初めてのライカだ

実際に使う前に大きさの比較。
CASCA II型は小山のような大きさである。
重量は以下の通り。
 Leica IIIf(エルマー付き) 547g
 CASCA II型         772g
200g以上重いのだが、手に取った感じはライカの方がずっしりした感じだ。

Casca13_20100220
 困ったことに、普通の釣管が使えない!

さて、実際の撮影を・・・ということでストラップをつけようとすると困った
ことになった。
独特な耳の形状と穴が小さいことで、普通の釣管が使えないのだ。
結局、模型や電気の配線で使う銅線を巻いて対応した。
(かなり心細いのでお勧めはしない)

さて、いよいよ実際の撮影結果である。
レンズはCulminar50F2.8が装着されている。

Casca18_20100220
 Culuminar50F2.8 絞り開放(ネガをスキャン)

Casca19_20100220
 Culuminar50F2.8 絞り開放(ネガをスキャン) 後ボケに注意

Leica M9でQuinon50F2を使った感触と比較して、ネガ+CASCA IIボディで
撮影した結果は、背景のボケが結構暴れる感じである。
しかし、シャープネスは十分だ。

Casca20_20100220
 F=1:4 1/1000 しっかりと最高速シャッターも使えた

絞るとボケ味はなだらかになる。
シャープネスも良い感じである。

Casca21_20100220
 F=1:8 1/250

絞り込んでいくと本当に良い感じだ。
まあ、当たり前といえば当たり前だが。

実際に使っていて感じたことは以下の通りだ。
・背の低いダイヤルによる操作は厳しいものがある。
 =>特に巻き戻しは親指が疲れた
・3mより近接で使うと、ファインダーはかなり当てにならなくなる。
 =>これはライカ、コンタックスも同じか?
・シャッター音は極めて静か、レリーズ感も滑らかで気持ちが良い。
全体的には、あとちょっと煮詰めれば本当に良いカメラで、十分に高級機で
あるとうものである。

クラシックカメラはほんとうに面白い。
こうやってあれこれと確認し、実際に操作して写真の写りまで楽しめるのだ。

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古いものには縁がある(1)

古いものというのは面白い。
なにか一つきっかけがあると、それまでは遠い存在であったものが、次々と
自分の回りに集まってくることがあるのだ。

少し前の日記に、シュタインハイルのレンズの話をUPした。
Quinon50F2(L)である。
このレンズの面白いところは、ZeissのContax、ライツのLeicaのように立派
な標準レンズを持っているメーカーがあるのに、シュタインハイルは何故
標準レンズを単体で売る機になったのか?という疑問を書いた。

その後、書籍やネットを調べていると、どうやらこのレンズはシュタインハイル
がちょっと作って止めたカスカ用であることが判った。
そうなると「果たしてカスカはQuinon50F2を使うのにふさわしいカメラ
なのか?」という疑問を検証したくなった。
しかし、カスカはI型もII型も極めてレアな存在だ。
実地検証はそれほど簡単ではない。

そんなときに、松屋のカメラ市(2/17より開催)である。
どうせまた買うものは無いだろう・・・と夜になって立ち寄ってみた。

Casca9_20100220
 天の采配か?ついにカスカII型がやってきた

ご覧の通りである。
なぜか、私にも買える値段で出ていた(それでもかなりムリしているが)
これで、現物のカメラをじっくりと検証できることになった。
夢のようである。

ということで、まずは細かいチェックを行う。

Casca1_20100220
 CASCAII型のファインダー(iPhoneで撮影し、フォトショで現物の調子を再現)

Casca2_20100220
 M2(99万台)のファインダー、撮影方法は上記と同じ

まずは暗いと言われているファインダーである。
M2と比較してもほとんど差はない。
赤いブライトフレームはクッキリと浮き上がって見える。
50mmは枠がない、パララックス補正はなし、というのは世に言われている
通りである。

Casca12_20100220
 丸いのが距離計窓、色は付いていない

ネット上でも書籍でも「距離計窓には赤い色が付いている」と書かれている。
しかし、私のものには色は付いていない。
これが修理によりそうなったのか、元々そうなのか?は判らない。

Casca6_20100220
 ユニークなボールベアリングを使ったバヨネットマウント

Casca8_20100220
 私のCASCAには、レンズ取り付け指標の赤マークがある

これもネット上や書籍では「取り付けマークがなくて判りにくい」となっているのだが
私のCASCAには赤ポチマークがある。
これも個体差なのだろうか。
それはともかく、脱着操作を行ってみると、案外使い易い。

Casca3_20100220
 フィルム巻上げ側、スプールが脱着できるのだが・・・

Casca4_20100220_2
 バネ連動の押さえによって、スプールは固定される

どこかで見たのだが「マガジン対応をしている」と書いてあったが、私の見た
感じでは、CASACのスプール脱着機構は「こうしないとフィルムが入れにくい」
というだけだと思われる。
そもそも、もしもマガジン対応するのならば下側にロック開閉の機構が無くて
はいけないはずである。

Casca15_20100220
 ボディ下側の開閉部分。これではマガジンのロック開閉の組み込みは無理

ライカ、コンタックス、ニコンのS型にF、F2を見てもらえば判る。
この機構は、CASCAのように下半分が割れて開閉するしくみでは、このロック
開閉機構が組み込めないのだ。

Casca5_20100220
 撮影をするため実際にフィルムを装填。これがかなりイラっとする

撮影のため、フィルムを入れてみる。
Contaxのリールと異なり、フィルムが差し込みにくい。
上記の機構でスプールを外してフィルムを差し込むのだが、これまた固定が
甘くて抜けてしまうことが多い。
さらに、ボディ側の勘合部分の形が今ひとつなので、スプールがなかなか
入らない。
まあ、こういうことはさらに量産が進んでいれば、きっと改善されたことだと
思われるので、欠点というほどのことではない。

Casca16_20100220
 1940年代で裏蓋開閉ができるカメラの代表?カスカII(手前)とエクトラ(奥)

ところで、CASCAの裏蓋は上側に開く。
フィルム装填がやりやすい・・・かどうか?
KODAK Ektraは下側に開く。
これはカメラを普通の形で持ってフィルム装填をした場合に大変やりやすい。
エクトラのフィルム装填は他の部分も優れていて、私は自分で巻き上げて装填
する形のものとしては、現代のカメラを含めてトップレベルだと思う。
それに比べて、CASCAのものは上に開く。
これがフィルム装填中にガツン!と下がってきて手を挟むのだ。
案外しっかりしたダイキャストの蓋が、ガチガチ指に当たるとこれがなんとも
イラっとするのだ。
これもまあ、欠陥というほどではなく、慣れの問題かもしれない。

こういうことは、他の同系機と比較すると面白い。
カメラのように、実際に所有して操作を楽しめる趣味の醍醐味である。
こういうところは、鉄道模型と似ていると思う。
そう、鉄道は所有して遊べないが、鉄道模型は所有してとことん遊べるのだ。

                        この話、続く

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2010.02.14

試行錯誤

機械というものは難しい。
図面のうえでの数値だけを信用して作ると、うまくいかないことが多い。
そのことは、私のような個人だけでなく、日本を代表する某大手企業が国際的
に迷惑をかけていることからもハッキリしている。

14:20の吊掛モーターについて、風邪でダウンしながらもどうにか必要な数を
揃えることが出来たはずであった。

Thu2_20100211
 ブリルMCBに組み込んだ14:20の吊掛モーター

台車に組み込み、実際に負荷をかけてテストを行う段階になった。
14:20のギア比により、日光モデルのブリルMCB(軸距24.5mm)にも組み込みが
可能になった。

Thu3_20100211
 テスト台枠で負荷試験を実施中

しかし・・・
動かしてみると、片っ端から壊れていく。
問題なのはモーター側のピニオンが抜けてしまうことである。
外れたものを、ロックタイトで止めて、また壊れて・・・を繰り返す。
結局、数時間かかって全部のモーターのピニオンを抜き差しした。
これは「今のままではダメだ」ということである。
作業を中断し、対策を検討する。

Thu5_20100211
 累々と修理を行う吊掛モーター。14:40のタイプも2軸ピニオン抜け

14:20(モジュール0.3)の組み合わせでは、軸間が5.75mmである。
ということは、軸が3.0φ、モーターの外形が8mm(短い方)なので、理屈では
5.5mmとなるので余裕でいくはずであった。
しかし、さんざんピニオン抜けを経験した結果、ギアのかみ合わせが微妙に
甘いため、負荷をかけるとギアが噛んでしまい、そのためにピニオンが抜けて
しまうことが判った。

Sat2_20100213
 モーターのケーシングを0.2mm程度掘り込み

考えた末に、モーターのケーシングを掘り込むことにした。
これも地味にテストを行った結果、0.2mmほど掘り込むことが必要であった。
単純に数値(上記参照)を考えると矛盾である。
こういうことは、実地の経験が無ければ出て来ないノウハウだ。
それと併せて、ピニオンもハンダ付けに変更した。
以前の0.8tのピニオンでは、ハンダを回そうとするとあぶり過ぎてメタルに張り
付いてしまったりしたが、間にアルミ箔を入れたり、0.5tと薄くなったギアなので
あまりハンダコテであぶらなくてもハンダが回る・・などの検証のおかげで
この変更が可能になった。
このようなことも、経験が無ければ出来ないことだ。

何事も「実地の経験」が重要なのである。

Thu4_20100211
 ようやく「本命?」の路面電車用吊掛モーター搭載実験開始

色々と苦労があったが、ようやく負荷テスト用を4個、路面電車用を2個用意
出来た。

色々と考えたが、この14:20の組み合わせはちょっとムリが多いと思われる。
かなりグッタリ・・である。

Thu6_20100211
 右が14:20、左が14:24.この画像からは「大丈夫」に見えるのだが

14:24に組み合わせを切り替えようと思っているのだが、路面電車用の小さな
車輪である8.5φのクリアランスがどうか?を検証しなくてはいけない。

それにしても、この3ケ月は吊掛モーターのあれこればっかりである。
そろそろ車両工作がしたい。

Sun2_20100214
 このような小型地鉄車両を作るのが最終目的なのだが・・

この車両は、1/87の乗工社の東急デハ6を16番の小型地鉄風にしたもので
ある。
すでにもう1両同様の仕様にするために購入してある。
このような車両を、吊掛モーターで動力化できる!と思うと少しヤル気が
出て来るというものである。

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