修理職人(4)
ここ2日ほど、雑用があったり、なんとなく疲労気味だったりして工作が停滞した。
宮沢のD50。廉価ながらもなかなか良く走る。動力のテストにはいい素材だ。
ちょっと前のUPに、IMONのコアレスモータを使いたい!という話をした。
その素材として、宮沢のD50をチョイスした。
ところで、宮沢のD50の動力は、第三動輪にゴムジョイント経由でギアボックスが
あるという、ある意味定番の動力の形式である。
それが悪いという訳でもないのだが、現代的な目でみると「こんなおもちゃっぽ
い動力の伝動でいいの?」という疑問が残る形式である。
事実、動かしてみるとギアボックスが台枠内で踊りまわって、まったくもって音が
うるさいのである。
これでDCCサウンド化したところでどうたってんだ!(怒)という感じである。
ギアボックスがブルブルと振動する原因ははっきりしている。
モータが台枠側に固定、ギアボックスは動輪側のギアに「なんとなく付いて
いるだけ」の形式で、その間がゴムジョイントなのだから、振動しない方が
おかしいのである。
まあ、そうなると解決方法は簡単で、モータとギアボックスが一体になる形式、
つまり、吊掛モータにすればいいのである。
20年くらい前にやった吊掛式の形式を作る。
この解決方法は、20年くらい前にすでにやっていた方法がある。
かつて、500号記念のTMSコンペに出したEF50の記事にちょこっと述べた、
簡易式の蒸気機関車の吊掛式モータ化である。
そのときには私も若くて潔癖症だった(?)ので、洋白板のt0.4で作ったが、
もうそろそろ50歳ともなると、「そんないい材料使わなくても平気さ」という
サトリが開けているので、t0.4の真鍮板でサクっとブラケットを作る。
ジョイントはカチカチにならない樹脂製
ジョイントは以前は蒸気機関車で良く使うゴムジョイントだった。
しかし、ゴムを使うと短いと2年、長くても6年でカチカチになってしまうので
最近では透明な樹脂製のものを使うようになった。
少なくとも、5年では変化なしである。
これを使うのは、ギアボックスをエポキシで止めるときに、ある程度自由度が
あって、作業が楽だからという意味もある。
ギアボックスはエポキシで固定。
相手がダイキャストなので接着剤で固定する。
エポキシで止めるやり方が一番簡単である。
20年前にこのやり方を考案(?)したのだが、現在確認してもビクともしない
ので、+ネジによる固定が不要であることは検証済だ。
宮沢模型の台枠はダイキャストで厚めのため、ブラケットを現物合わせでカット。
20年前に作ったときには、アダチの真鍮製フレームであったため、台枠間に
余裕があった。
宮沢模型のダイキャストフレームは素材のため厚く、台枠も削ったが、モー
タブラケットもかなり大胆にカットした。
こういう「現物合わせ」の作業も、模型職人の腕の見せ所である。
(見せても感心してくれる訳でもないが)
いよいよ、IMON1616のモータブラケットを作る。
秋葉原で購入したモータの次は、いよいよ本命のIMON1616コアレスである。
このモータ、取り付けネジの間隔が10mmとフルイチ1630と同じなのが
大変助かる(後で、フルイチに変えられるから)。
作り方は、モータ固定部分の寸法が違うだけである。
モータブラケットをある程度ルーズに作っておくのがコツ。
私がやっている吊掛式モータブラケットのコツは「後で修正可能なように、
ルーズに作っておく」ことである。
素材が柔らかい薄めのt0.4板なので、後でギアボックスやモータと付けた
ときに、誤差はグイっと曲げて現物合わせで調整してしまうのである。
こういう「ある意味いい加減」なことで凌ぐのは、私も色々なことを経験して
きて「カッチリしていることだけが最善の解決方法ではない」という、ある
意味老境の域に達したということであろうか?
ということで、2両の動力が出来た。
さて、「同じ条件」による、モータ違いの動力が出来た。
これで果たしてどのくらいの差が出るのか??
本当に楽しみである。
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コメント
蒸気機関車の釣り掛け式の詳しい情報を初めて見ました。今までギアボックスにネジを切って幾つか壊して来たので、エポキシは良いと気付かされました。ありがとうございます。
投稿: 古鉄 | 2022.02.18 13:23