いつかは勝負をつけないといけない・・・と思っていた。
やはりやるのか・・・・

30年ぶりくらいのPU101と改良キット
2年ほど前に、PU101仕様の丸瀬布のロコ(ほぼジャンク)を入手して
あった。
PU101改良キットが出たので、じゃあ綺麗にするか・・・と塗装を剥がして
などとやっていたら、元の組みが・・だったので、車体はバランバランの
ヘニャヘニャになってしまった(遠い目)。
凄い脱力感・・・・
そんな訳で、丸瀬布復活計画はあっけなく放置プレイに・・
その後、PU101は、同じ乗工社のデキ12のモータ交換(デコーダを
キャブに収める)のテストにしよう・・・と思いつつ、やはり面倒で放置して
あった(要するに怠け者な私)。
今回、PU101改良キットを入手したので復活させることにした。
キットの中身を確認すると・・・・・うっ、パーツが猛烈に小さい(遠い目)
かなり老いが進んだ私の目が「これは小さすぎる、お前にはムリだ!」と
悲鳴を早くも上げる始末。
しかし、ここで負けてはいかん! =>オレ

まずはモータ取り付け
アルモデルの新型0811モータを装着した。
t0.6の板をカットして取り付け。
ウォームギアは、IMONの軸が1.0φになったものに交換。
これは便利なパーツだ。
ロックタイト601でウォームギアを固定して完成・・・となるかと思ったのだが
車輪裏側側面が猛烈に汚れていた(ほぼジャンク製品だった)のと、集電
シューも磨いてやらないといけないのと・・・で整備に時間がかった。
やはり、PU101本体が侮れない。

メインロットのクロスヘッドのピンを0.6φの穴に広げる
クロスヘッドとメインロッドのピンは0.6φである。
メインロッドの穴を広げるのだが、結構タイトであるので、うっかりする
と穴が切れてしまう恐れがある。
まずは0.5φ、次に0.6φとするのが良さそうである。
(私はいきなり0.6φでやったが、かなりヒヤヒヤした)

凄い!こんなところが0.4φの穴が!!
できるかなぁ~、ダメかなぁ~と0.4φのドリルでクロスヘッドに
穴を開けようとすると、しっかりと穴が開いていた。
(中には石膏が微妙に残っているものの)
最近のロストは凄いと思う。
側面にまで穴があり、貫通しているとはビックリである。
ドリルで中の石膏を落としてハンダ付けが出来るように綺麗にする。
これは欠かさずやるべき作業だろう。
メインロッドを止めるピンの径は0.6φである。
動きをスムーズにするため、クロスヘッドの穴は少し大きめの0,7φ
を開けた。
こちらもピンバイスで行う。
(パーツが極小なのでボール盤では押えていられない)

0.4φ洋白線を入れてクロスヘッドを水平にし、ロッドをつける。
0.4φ洋白線を通してクロスヘッドを平行にしてハンダ付け、次は
メインロッドにピンを通してハンダ付けをして止める。
普通の大きさのものはチョロくいつもやっているが、さすがにこの
大きさのものでは、ルーペでチェックしながらの作業である。
ハンダコテは触れたか?触れないか?のすれすれで止める。
ハンダを流す時間も瞬時だ。
はっきり言って、目がすごく辛い(遠い目)

ちょっと違うやり方でやったのは失敗だったかも?
シリンダは、まずはパイプを通し、スライドバーは最初からカットして
ハンダ付けした。
失敗であった(涙)
ただただ、大変なだけであった。
しかも、後出するが、片方が外れてしまった。
もう一組をやるときには、違う方法でスライドバーは固定しようと思う。

改良パーツの組み立て完了、洗浄する。
かなり目が辛かったが組み立て完了。
洗浄して接着やら動輪への組みつけの準備。
パーツがあまりに小さいので、ブラシで洗うことは出来ず、刷毛で洗う
ことになった。
また、洗面器などを下に置いてやらないと、流しに落とすと悲劇である。

シリンダブロックに接着。
これはどうといこともない。
エポキシで接着。
硬化するまで、動かないようにきちんと治具を作った方が良い。

ロッドを動輪に入れる。ここからが・・・
エポキシが固まる間にロッドを組み付けた。
クランク角を90度にする作業は省略(ま、いいかということで)
さて、動くようになるまでが・・・・大変であった。
回らないのである・・・ロッドが引っかかるのだ。
なにしろ、PU101は後輪を駆動し、第一動輪まで小径かつねじりの入った
ギアが5個もあるのである。
ラッシュ(遊びというべき?)の付き方もなにやら微妙で、どの位置で第一
動輪にクランク穴を開けるべきかは微妙だ。
結局、3回穴を開けて(微妙な位置なのでサイドロットで隠れた)、ロッドの
穴もヤスリで広げて(後で判ったのだが、抜きのエッジが微妙で、ヤスリ
仕上げしておくのが良いみたいだ)対応した。
ハンダによる組立より、こちらの調整の方が時間がかかった。

さらにスライドバーを外れる・・・
さらに、スライドバーのハンダが外れる・・・・
う~ん・・・・

そんなことにはメゲない。
まあ、こんなことは想定内である(なぜ?)
洋白0.5幅のt0.3の帯板をシリンダブロックトシリンダに穴を開けて
差し込んで対応完了。
(というか、こちらの方が強度もあるし工作も楽なことが判明)

ここまで8時間、苦闘であった。

スライドバーは、左右各0.5mm横に広げてある。
苦闘8時間、どうやらそれなりの走りに到達。
しかし、ややラピッドスタート気味である。
サイドロットの抵抗が、アルモデルの0811には厳しいようだ。
IMON提供の1020はかなり強力なモータなので平気かもしれない。
改良キットについての私の感想。
・PU101の動輪にメインロッドとサイドロットを組み込むと寸法がギリギリ
なので(そこが良いのかもしれないが)やはりクロスヘッドにクランクピン
が当たってしまう。
シリンダ中心感覚は、外側に0.5mmずつ出してくれる方が、組むもの
(私のような不器用なものには)にとってはありがたい。
・上記と関連して、シリンダに入れる内径0.5φのパイプであるが、クロス
ヘッド側が0.4φだからこれでも・・なのかもしれないが、やはり工作精度
の問題(って、自分がダメなだけかも)からすると、できれば内径は0.6φ
にしてくれた方が動かす側としては楽だと思う。
(自分で組むときには自発的に交換しよう)
・やはり、後輪にモータ駆動がかかっているPU101では、メインロッドだけ
をこのキットでディテールアップするのが無難だと思う。
そうすれば、上記の左右各0.5mm拡幅は必要ない。
(サイドロットとの干渉を気にしなくて済むから)
それだけなら、かなり作業は楽である(そりゃそうだ)
その割には、クロスヘッドとメインロッドがググッとレベルアップするので
満足度は十分だと思う。
=>なにしろ、サイドロットの調整だけで2時間かかった。
慣れればどうということもないかも?は不明。
=>考えてみると、ここまでシビアな調整をして動かしたこの動力、
次にPU101を分解整備・・と思っても、サイドロットが微妙な
関係で作用しているとなると、怖くて分解(動輪を外す)ことは
出来ないことに気が付いた私(う~ん)
=>クランク角を90度にする作業をサボった(ギア連動だから)のだが、
それの悪影響でトラぶったのかは?不明である。
・しみじみと見ていると、シリンダブロックが左右一体では、DCではさして
問題はないが、DCC化すると金属のサイドロット+メインロッドで、微妙
に通電してしまうかもしれない(未検証なので断言は出来ない)
その場合、シリンダブロックを左右分離し、PU101の取付穴(1.4φ)を
使ってネジ止めに改造した方が良いかもしれない。
まあ、そうすれば、「左右の+0.5mm拡幅」はモデラー自身がやればいい
ことになるから、むしろ良いことかもしれない。
=>それで、乗工社はメインロッドをプラにしていたのか・・と今頃気が
付く私ってどうなの?
完成したものを見ていると「ああ、確かに格段にディテールアップした」
のが実感できる。
ただし、このキットはディテールアップ工作しかやったことがない人には、
厳しすぎるかもしれない。
少なくとも、動力装置を自分で作るか出来合いのものでも、自分なりに
改造できる程度の知識と技術は必須であろう。
そういう意味では「工作の技術を1段UPする」という題材としては良いもの
だと思う。
=>もっとも、辛さを減少させたいなら、サイドロットを省略すればいいだけ
だから回避策はしっかりとあるから安心。
=>クランク穴を間違えてしまった人のために、動輪の分売をお願いします!
=>IMONさん
それにしても、今回の件で自分の目の老化を実感した。
ああ、ハズキルーペがほしい!
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