26年式拳銃
今年になって、なんとなく「日本の拳銃の構造はどうなっているのだろうか?」
ということに興味を持ち、現物は入手できない(そりゃそうだ)ので、モデルガン
を探して入手していると、タイミングが良かったのか?今まで製品がなかった
ものまで発売になったりする。
国産初の拳銃、26年式などはまさにその典型である。
左上から中田商店の文鎮、頑住吉製、ハートフォードのもの
なにしろ26年式はモデルガンになったものが少ないので、オークションで
見つけるとうっかり購入してしまっていたら、ここまで揃ってしまった。
月刊GUN(復活祈る)2001年4月号の26年式の特集より
ところで、現物は明治26年製(1893年)なので26年式である。
(皇紀の番号を使うようになるのは、昭和も日中戦争くらいから)
それまではS&WのNo.3フレームを海軍が使っているくらいの日本の拳銃の
歴史であったものが、騎兵用として使うとなると、シングルアクションの
銃では困るから?であろうか??ダブルアクション化されることになった。
米国でも、コルトのピースメーカー(1873年)やS&WのNo.3の軍向け改良の
スコフィールド(1875年)がシングルアクション(では、米国の騎兵隊は
困っていなかったのか?という大いなる疑問が??)からダブルアクションに
更新されたのが1892年であるから、時期的にはほぼ同じ時期である。
そういう時代だったのであろうか?
ちなみに、ウェブリー&スコットMK-I(1887年)はいいとして、ヨーロッパでは
自動拳銃がボーチャードピストル(1893年)モーゼルミリタリー(1896年)と
出てくるような時代であった。
中田商店の文鎮モデル。
長年、この文鎮しか製品がなかった。
重量543g(実測)
ちなみに、実物は924gもある。
(南部自動拳銃とほぼ同じ)
こうやってみると、文鎮と呼ばれる割には結構良いプロポーションである。
ようやく可動するモデルが実現した、頑住吉氏製造の26年式。
私は最近まで知らなかったのだが、'90年代に活躍されたモデラーの方
の頑住吉氏の販売した26年式。
重量は222g(実測)
刻印もカッチリと出ており、キャストモデルとしてはかなり良い出来
後ろから見た姿。プロポーションも良い。
シリンダーのカウンターボアードもしっかりと表現
実物の工具なしで分解出来る機構を表現しているのはさすが!
このモデルを入手するまでは、正直言ってキャストモデルは・・・と思っていたが
現物を手にすると、重さは仕方が無いとして、出来については「よくぞここまで
と感心した。
さて、いよいよハートフォードの26年式である。
94年式でおなじみの箱
満を持して発売?になっただけに、さすがのカッチリ感
ハンマー、ストッパーを金属にして、実物とほぼ同じ構造
もちろん、シリンダーのカウンターボアードもしっかりと表現
ちなみに、ウェブリー(マルシン)などは実物でもリムの掘り込みはして
いない(工作力のない日本がなぜそのような面倒なことを?)
松葉バネを使った「まさに実物通り」の機構をついに実現
さすがはハートフォードというところで、金属パーツを適宜使用して、まさに
実物通りの構造を実現している。
重量感もあり、527g(実測)である。
シリンダーは実物通りにクルクル回ってしまう(笑)のもリアルに表現し、
工具なしに分解できる機構もカッチリと作動する。
グリップ(プラ製)を外すときに、松葉バネがビ~ンと外れてしまうのがちょっと
驚くが、なにかが壊れることはない。
それにしても、21世紀のモデルガンはかっちりしたものだ、と感心する。
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