写真とカメラのHPを更新している。
それでふと思ったこと。
銀塩のカメラの主流となったプリズム式ファインダーの一眼レフであるが、
そもそもはどんな感じに見えていたのだろうか?
それが判ると、なにかしみじみと出来るのではないか?
で、それを確認したりする。
(模型作れよ!、という意見はともかくとして・・)

プリズム式一眼レフのトップはZEISSのContaxS(画像はD)
ContaxSは1948年にドレスデンのツァイス・イコンから発表になった。
発売は1949年~51年である。
私が所有しているものはそれの後継タイプのDである(1952年)。
なんだ、初期のものではないか!と言われそうだが、SとDの違いは
基本的にはシンクロソケットなので、ファインダー像はさして違わない。
さて、それはどんな風かというと・・

なんともしっかりしている。 さすがはZEISS。
ファインダー像の外枠に白い枠が入っている。
なんともきっちりしている。
画像も良く見える。
さすがはZEISSである。
もっとも、このシリーズはクイックリターンミラーではない(と、専門用語)ので
巻き上げないとファインダーは真っ暗である。
(ハッセズブラッドと同じ)
では、その次はなんと!イタリアのレクタフレックスである(1949年)

名誉ある二番手はイタリア! レクタフレックス!!
驚くことに発表は1947年! 生産開始は1948年。
考えてみると、あのドイツのシュタインハイルのCASCAも1948年~で
あるから、WWIIの敗戦国であるドイツとイタリアは、その復興のために
ともかく輸出できるものを作りたかったのだろうと、ふと遠い目になったり
する。
それはともかくとして、レクタフレックスはそのカメラのデザインの良さ
だけでもいい仕事をしているとうっとり出来るのだが、私は実は
「レリーズ時のファインダー像の変化」に、メルヘンのような、夢幻の
ようなものを感じるのを楽しんだりしている。
では、そのファインダー像をブログで堪能して頂こう!
(というほどのこと?=>自分)

レリーズ前

レリーズ開始。 ミラーはレリーズの押す量に比例する。

ミラーが1/2くらい上がると、なんともおぼろげ。

これはNEX-7で撮影した画像。 実際は地平線に像が消えていくように・・
レクタフレックスのミラーは、レリーズの押し下げる力で動く。
ということは、途中で止めると復元する(笑)
写真撮影をする人は判ると思うが、レリーズをガチンと切ると手ブレする。
なので、ゆっくりと押し下げることになるのだが、レクタフレックスでは
この「実像が少しずつ夢朧のようになって最後は地平線の先に消えて行く」
ように見えるという、幻想が味わえるのだ。
(ちなみに、このレクタフレックスのレンズは鏡胴内にソンベルチオ50F3.5を
入れてある(なので、余計に朧になる))
クラシックカメラは、こういう楽しみ方が出来て楽しい。
昔の人は、このファインダーを覗いて、そして撮影していたのだ。
ちなみに、3番目はアルパのプリズマレフレックス(1949年)である。
これがまたいいのだが、私は所有していない(涙)ので、画像を撮影する
ことが出来ないので残念だ。
参考文献:
クラシックカメラ専科 No.43 Viva!イタリア 朝日ソノラマ発行
コンタックスのすべて ハンス・ユルゲン・クッツ著 朝日ソノラマ発行
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