梅雨のはずなのに暑い。
先日、面白いものを手に入れた。
TMSの1973年4月号に、気動車に液体クラッチを搭載する記事が出ている。
子供心に「これは面白い」と思ったのだが、それに続くものがあった記憶がない。
それから少し経過して、あるところで「こんなものを製品にしようと思っている
んだけどね」という話を聞いた。

鉄道模型用の液体クラッチの試作品
先の記事の液体クラッチはかなり大型のものであった。
それを直径10mm以下の大きさで作動するようにしたものであった。
おぼろげな記憶では、鉄模連のショーでテスト車が走ったような気がする。
それから30年くらいか?
先日「これ使ってみない?」と譲ってもらった。
私は鉄道模型については「ディテール工作より動力に凝りたい」という方である。
さっそく走行可能にする作業に入る。

液体クラッチが生きているか?を確認するためには?
なにせ30年以上経過しているものである。
この液体クラッチは、オイルを封入してガッチリと蓋が圧入されている。
従って「中を見ることは出来ない」のである。
となれば、動かして確認するしかない。
まずは、クラウンギアによるギアユニットの組み直し作業である。
この部分をクラウンギアかベベルギアにしないと、せっかくクラッチを入れて車輪を
フリーにした意味が無くなってしまうのだ。
まあ、そのせいで結構面倒になってしまうのだが。
この装置用のクラウンギアは、確認の結果プラ製であった。
(いや、ダイキャストか?)
慎重に分解・脱脂して接着をやり直す。

組みあがったディファレンシャルギア
単軸に入る構造で、いざとなればインサイドギアに組み込める構造にしてある。
こういうタイプのものを作るのは初めてなので、結構時間がかかった。
まあ、これはいずれ鉄模社のシェイの工作にも役に立つだろう。

仮組みして試験を行う
つぼみ堂のキハニ5000の足回りを使ってテストを行った。
結果的に、この液体クラッチはしっかりと動作することが確認出来た。

テスト走行のため、一応の形に組む。

モーター軸から流体クラッチ=>ディファレンシャルギアへと
まずは試験走行用に、吊掛モータ化することで余った小田急SEの床板を改造して
キハニ5000の足回りと組み合わせて走行可能にした。
結果としては、まあまあ走るのだが、どうも液体クラッチをブラリと下げたような
形にすると微妙に切れが悪くなるようで、もうちょっと考えないといけないことが
判った。
まあ、これでとりあえずはテスト走行させてみるか?

本格的テスト用に鉄模社キハ10の整備を開始
単車が良いのか?は判らないので、鉄模社のキハ10もテスト用に供せるように
塗装を剥離して整備を開始した。
この車両は、オリジナルの鉄模社の台車も付いているので楽しみである。
どうも私は性格的にディテールに凝る気が希薄である。
こうやって、動力装置を考えて作っているときが楽しい。
このような楽しみ方が'70年代にはいっぱいあったような気がする。
21世紀になって、モータなどは良くなったが、こういったしくみに凝るのは流行らない
ことなのか?
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