コルト ドラグーン(M1848)
以前、「八重の桜」起点で、同年代の米国の拳銃、コルトの話をしたことが
あった。
あ~、マジメに調べたな(しかもモデルガンまで入手して)と、満足していた
のだが、ふと、なにか足りないものに気が付いた。
「あの銀河鉄道999で出てきたドラグーンがない!」
結構名を聞く割には、どんなものなんだ?と思っていたのだが・・・・
え?モデルガンあるの!(驚!)
しかし、またしても絶版である(ご~ん)
これまた、結構苦労して入手。
コルト・ドラグーン(M1848) 2ndモデル
ファーストモデル(7000丁)、フラックモデル(300丁、ウォーカーのパーツを利用)
ののち、セカンドモデルが発売になった。
製造数は2700丁である。
2ndモデルまではトリガーガードがスクウェア・バックであるが、
3ndモデル(10500丁)ではラウンドトリガーガードになっている。
ウォーカー(M1847)との比較
ウォーカーと比較すると、5cm短くなり、300g軽量化されている。
モデルガンとしては、ウォーカー1095g、ドラグーン1050gとあまり差がない(笑)
そのため、手に取るとドラグーンの方がズシリと重く感じる。
ウォーカーとの比較(1)
ウェッジの入る方向が逆というか、パターソンと同じ(以降もこの方向)に戻っている。
ローディングレバーの固定がフックに変更。
銃身も短くなっている。
ウォーカーとの比較(2)
右がウォーカー、左がドラグーン。
装薬量を若干減らすことで、重量軽減&短縮を実現している。
シリンダ・ストップ・スロットが、ウォーカーの円形からガイディング・グループ付きの
長方形のカットに変更になっている。
ウォーカーとの比較(3)
グリップのバックストッラップが真鍮になっている。
歴史背景:
1846~48年(日)英国、米国の船が近海に出没、測量などを実施
(米)米墨戦争
メキシコと西海岸側の州の独立を巡る戦争は1848年まで続く。
以降も、白人の西海岸進出によるアーリーアメリカンとの抗争は続く。
1848年という年は、日本と米国というより、ヨーロッパでフランス、ハンガリーと
相次いで革命が起こった年であった。
44口径のドラグーンは、M1851 NAVYが発売になっても、次のM1860ARMYが
出るまで継続して発売されていく。
意外なのは、この大きくて重いドラグーン(+ウォーカー)が、政府関係に
売られたのは総生産数約22000丁のうち9000丁で、他はコマーシャル
セールスであった。
米国内の状況が、平時においても強力な打撃力のある拳銃を要求していた
ということは、日本では考えられないことである。
ドラグーン・モデルから、産業革命に入った米国東部における最新技術、
マシニング加工により、加工の80%を行い、工業製品としての規格化・互換性の
確保が行われるようになった。
これを実現した人物として、それ以前からの協力者、エライシャ・ルートを
忘れてはいけない。
スチームエンジン+シャフト・ベルトによる工作機械による工場、技術
トレーニングセンタの設立など、その後のコルトの基礎を作り上げた人物であった。
参考文献: 別冊GUN コルトのすべて(国際出版株式会社)
| 固定リンク
最近のコメント