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2018年11月

2018.11.24

キヤノンIVSb改とSII

紅葉の季節。
なかなか快晴に恵まれないので撮影が難しい。

Sat1_20181124
 キヤノン社のSIIとIVSb改

国産レンジファインダー機の老舗はキヤノン社である。
ず~っとそう思っていたのだが、「どこまでの機種を使ってみるか?」が
私としては悩みであった。
戦前のハンザキャノン、セイキキャノン、J型などは「所有を検討出来ない」
ほどに高価だからである。
10年以上前に、SERENAR50F2というレンズを購入した。
「聞いたことないなぁ」と思っていたのだが、確認してみると、戦後すぐに
発売になったSIIの標準レンズとして「自社初製造レンズ」として
販売されたものであった。
(注:その後、すぐに50F1.9に変わってしまったので数が少ない)
その後、SIIのボディも入手したものの、なんとなく使われずに
いたカメラであった。
今回、色々とあって「戦前から続くバルナックタイプ発展型の最終型」
とも言えるIVSb改+50F1.8を入手したので、使い比べてみることにした。

Sat2_20181124
 SERENAR50F2 絞り解放

Sat4_20181124
 SERENAR50F2 F=1:2.8

”SIIとIVSb改を使う”言っておいてなんなのだが、SERENAR50F2の
撮影はIIIgで行った(ち~ん)
理由は簡単で、SIIは吊管の耳が無いため、皮ケースがないと
使いにくいからである。
(注:落下させてしまったら困る)
久々に使って見た感想は以下の通り。
 ・写りは結構安定していて使い易いレンズである
 ・絞り解放では背景が暴れるタイプだが、クセを語るほどでは
  ない(注:個人の感想)

Sat7_20181124
 手前:IVSb改 奥:SII

SIIは昭和21年(1946)、IVSb改は昭和30年(1955)の製品である。
パッと見たところではソックリさんであるが、両機の間では機能面で
大きく進歩が見られて興味深い。
IVSb改のボディは、変倍ファインダー(同機能はIIB(1949)から)、
巻上げなくてもシャッター速度設定が可能、スロー機構の改良など
改良の軌跡を実感出来て楽しい。

Sat8_20181124
 50F1.8 絞り解放

Sat11_20181124
 50F1.8 F=1:4

Sat10_20181124
 50F1.8 F=1:2.8

セレナー50F2からすぐに交代した50F1.9は、多大な開発努力によって
このレンズ(50F1.8)が発売されることになった。
使用してみると、確かに良いレンズである。
暗い所でも、明暗が極端なところでも、逆光でもいい感じである。

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2018.11.09

ボルシー(BOLSEY)

カメラのHPを更新している。
手持ちのカメラを全部掲載するべく努力をしていると、このカメラに
気が付いた。

Fri3_20181109
 ボルシー(PH-324A)とCタイプ

10年以上前に、友人からボルシーを2台もらった。
珍品のARMY(PH-324A)と空軍用なのだが、未整備状態だったので
撮影しないまま仕舞いっぱなしになっていた。
Cタイプについては、その数年後に購入してやはり撮影せず。

今回の使用に際して、距離計に修理が必要を行ったが、
一見簡単な構造なのに調整のために丸々1日を費やした。
レンジファインダーの距離計は簡素な構造のものが一番やっかいで
あることを思い出した。

Fri4_20181109
 PH-324A 1/200 F=1:5.6  最近接(2feet)

Fri5_20181109
 PH-324A 1/200 F=1:8

ボルシーは普及品のレンジファインダー機については、
2feet(約60cm)まで寄って撮影出来るのが便利である。

Fri7_20181109
 BOLSEY C 1/200 F=1:5.6 ウェストレベルファインダー使用

Fri8_20181109
 BOLSEY C 1/200 F=1:8

Cタイプはウェストレベルファインダーを使って低い位置で
撮影したり、近接撮影で構図を確認することが出来て楽しい。

Fri6_20181109
 撮影時にタヌキを激写

ボルシーで撮影しているときに、近所でタヌキに出くわした。
慌ててボルシーで撮影したのだが、構えている間に遠くに
行ってしまい、露出オーバー、手ブレとさんざんな撮影結果となった。
それはいいのだが、トリミングしてタヌキ君を見ると「ああ、昭和の写真」
という気持ちになった。
クラシックカメラやレンズの楽しさは、案外こういうものかもしれない。

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2018.11.04

トプコン35Bと安原一式

ここ数か月、趣味関係のものを整理している。
そうすると、カメラ関係であれこれと発掘されるので「撮影しよう」という
気持ちになってくる。
丁度いいことに、近所のバラ園が公開中なので撮影を行っている。

Sun1_20181104
 発掘されたトプコン35B

手前にある大物の整理+撮影が進むと、隠れていたカメラが
発見されて楽しい。
このカメラは、アル研時代に譲ってもらったものである。
確認すると、ちゃんと動作していた。
古いカメラ(1955年)なのに、さすがはトプコンである。

Sun2_20181104
 Topcor42F3.5 1/500 F=1:8

Sun3_20181104
 Topcor42F3.5 1/500 F=1:8

レンズシャッター機なので、最高シャッター速度が1/500となる。
F=1:8まで絞らないと使えないのだが、私もオトナになったので
「絞り解放主義」を卒業?しているので苦にならない。
(当たり前だって!=>自分)
撮影結果を見ると「よく写るなぁ」と感心する。

もう一台出て来たものがある。

Sun4_20181104
 そういえば持っていた・・・安原一式(T981)

国産一眼レフの保管場所に「あれ?見慣れないものが」と発見した
ものが、このカメラである。
このカメラの詳細を改めて調べてみると、おおよそ以下のような
ものであった。
 ・1997年にインターネット上でその企画/開発が発表
 ・1998年10月より予約開始
 ・1999年から直販形式のみで販売

10年以上忘れていたので心配であったが、小さなトラブルはあるものの
カメラとしての機能に問題はないので撮影を行った。

Sun5_20181104
 Hexar50F3.5 1/2000 F=1:4

Sun6_20181104
 c.simular50F3.5 1/2000 F=1:4

外観は”廉価版のコンパクト機”のような感じがするが、Lマウント機と
しては1/2000の最高シャッター速度があり、今回使用したような
暗いレンズではほぼ絞り解放が使えて便利であった。
(撮影時に”細かい注意点”を思い出していく・・・という修行はあったが)

今回使用したレンズ、こちらも10年以上使っていなかったが
その写りを楽しむことが出来た。

参考文献:クラシックカメラ専科 No.50 (1999年)

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