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2019年5月

2019.05.25

路面電車の新レイアウト(2)

KKC作品展である方から「最近、ブログの更新がないから何を
作っているか??ですね」と言われてしまった(反省)
サボっているというより、あれこれ試していて時間がかかって
しまったが、一応エンドレスが出来たのでブログ更新。

Romen1_20190525

R140の非同心円カーブ、架線柱の新しい固定方法などを盛り込んで
ようやくエンドレスが完成した。
直線部分については、中間で架線接続(片持クロススパン式)
いずれはポイントに交換する側は310mm1本線にしてある。

Romen2_20190525

新架線柱の要求事項。
・傾きを台座で補正可能
・台枠を低くするため、差し込み部を短くする
・ハンガー/クロススパンとも可能な限り共通パーツにする
検討の結果、台座は3mmカプラー台を2φの穴にしたうえで
真鍮板に固定し、台枠下でネジ止めする方式となった。
傾きや高さ補正は、この台座の下にスペーサーを入れて行う。
架線柱は3.0φパイプ(内径2.0φ)。
取付部は2.0φネジ棒をカットしてハンダ付け。
寸法は画像の通り。

Romen3_20190525

クロススパンの架線柱は、当初はメッセンジャーを柱に
ハンダ付けして使用していたが、長さ100mm以上の線が
付いた状態で反対側柱の1.0φの穴に差し込むのが
やりにくいうえに、架線固定部を調整するためにいちいち
柱ごと外すのが不便このうえなかった。
あれこれ試作した結果「架線柱上部が抜ける構造」が
良いことが判った。
試行錯誤の結果、2.0φパイプを先端に固定/タップ、
1.4φネジを植えることで脱着可能となった。

Romen4_20190525

実際に設置したところ。
作業が格段に簡便になったうえに、設置後も簡単に
メッセンジャー部を脱着して架線を調整出来るようになった。 

Romen5_20190525

実際の設置状況。
クロススパンが可能になったことで、急カーブ(R140)の
複線が可能になった。
各種集電装置の車両で走行テストを行い、不具合を探す。

Romen6_20190525

ある意味で”最大の課題”だったのが非同心円のカーブに
おける架線の張り方。
現物でもそうなのだが、カーブの変化(というか、実物は
”常に直線”)をメッセンジャーを張って架線を引っ張ること
で行う。
しかし、模型でそれを行うと「着脱式」が実現出来ない。
模型の場合は「手を突っ込んで作業する」ことがあるので
脱着可能にしないとレイアウトの維持が出来ない。
(レールクリーニングや架線清掃も不可能)
試行錯誤の結果、架線取り付け部10mmくらいに微妙に
曲がりクセを付けることで、微妙なカーブを付けることが
可能であることが判った。
この画像のように中間に直線が入るようなものでも、
その応用で架線設置が可能になった。

Romen7_20190525

この架線の方式で、架線柱間隔はどこまで広げられるか?
実物とは異なり、線路上に手を差し込んで車両を持つことが
あるので、250mmは架線柱間を開けたい。
直線部(310mm)で確認を行うと、パンタグラフでは
架線を押し上げ過ぎてしまい、シューが外れることが判った。
 
走行テストをすると、車両側の問題も判ってきた。
しばらくは試行錯誤が続きそうだ。

Romen8_20190525

ところで、シノハラ模型のレール供給が止まることで、
#60のジョイントがいよいよ入手難になった。
架線柱固定用のジョイントについては、今後はPECOに
切り替えるための試作を実施中。
とりあえずは固定出来るようにはなったので、こちらも
試作を行って実用化を行う。

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2019.05.06

路面電車の新レイアウト(1)

1/24にゴム道床を使った新しい路面電車のレイアウトの
試作をして・・・気が付くと3ケ月以上放置。
銀塩カメラのHP更新もひと段落したので、そろそろ本格的に
レイアウト工作再開か?と確認して驚いた。 
Romen1401_20190506  
なんと!線路の反発力?で枕木の犬クギを引きちぎって直線に
戻ろうとしているではないか!
外側のカーブは途中に10cmの直線があるので、そこが反発力で
丸くなってしまうことで特に破損が激しかった。
しばし考えて思ったことは「フレキを曲げて使うやり方ではダメ」
ということである。
しかも、もはや新規購入できないシノハラのレールを使うことには
リスクがある。
 
Romen1402_20190506  
実は前から「急カーブで使い易いレールはKATOでは?」と
思っていたのである。
自分でスパイクをすることが前提ではないので、線路断面の下部が
小さいので全体に細身で、急カーブでスムーズに曲がる。
さっそく、直線(246mm)のレールを引き抜いて試作。
試してみると、犬釘部がしっかりしていて、何度も抜き差ししても
頭が壊れない(レールが#83と細いにもかかわらず)
ポイントについても、容易に入手出来るR490のポイントを使用
することにした。
Romen1403_20190506
線路の長さが246mmなので、カーブはR177=>R140に変更した。
(長さが足りない)
レールは冶具(ゲージ)を作成して正確に曲げを行い、道床は
ボール紙を切り出し、そこにカットした道床を4ケ所貼る。
上を走るのは軽量な路面電車なので、強度的にはこれで問題なし。
道床側がボール紙になったので、ゴム板貼付/カットもこれを
元に行えるので、ゴム面積を小さく出来る=ゴム臭を最小に
することが可能になった。
Romen1404_20190506
一番悩んだのが「レールの固定方法」である。
単純に差し込んだだけでは、レールを抜き差ししたときにスポンと抜けて
しまうのである。
検討の結果、枕木間にジョイントを固定し、これをストッパーにして
抜けないようにした。
Romen1405_20190506
とりあえず1周作成して走行テストを行う。
カーブが綺麗に曲がっている(軌間も正確に出ている)ことと、
ゴム道床のおかげでスムーズかつ静かである。
Romen1406_20190506
カーブをR177=>R140ときつくしたので大型車両のクリアランスが
心配だったのであるが、結論はまったくの杞憂だった。
結局、この問題は「カーブの径ではなく複線間隔(50mm)」だった
ことが証明された。
何事もやってみないと正確なことは判らない。
Romen1407_20190506
線路問題はクリア出来たので、いよいよ複線のレイアウト制作開始
である。
台枠は、先日屋根裏から発掘してきた2段レイアウトの天板部分を
改修して、760x480のものを作成した。
それにしても、21世紀になって「レールが入手出来ない」ように
なるとは思わなかった。
”一生使わないかもしれないディテールパーツ”はいっぱいあるのに
基本となるレールが無いという状況は、鉄道模型という趣味を
する者に「なにが本当に大切なのか」を考えさせられる出来事では
ある。

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