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2021年5月

2021.05.20

レイアウトのサイズ考察


レイアウトの大きさとはどうやって決めるのか?
ここからはあくまで私の経験と私見である。
 
Layout1_20210520
私のレイアウトの参考書
まだ小学生だった頃の私の参考書はこの2冊だった。
父は年齢的にOゲージから模型を始めている。
東京に出てきて就職して結婚、そして「私が生まれる」
そのときに鉄模社ED16と小高のオハ35(ペーパーキット)
を買って16番を始めるのである。
理由は色々あるのだが、その中に「所帯を持つと自分が
使えるスペースは限られる」があった。
16番は現在におけるNゲージやZゲージに近いもので
あった。
フレキ1本に中村精密Bタンクと貨車3両で遊ぶ私を
不憫に思ったのか、父が「レイアウトを作ろうか」と
買って来た参考書が中村汪介さんの「小レイアウトと
小型車輛」だった。
このレイアウトにおける小レイアウトは1820x910。
要するに「ベニア板定尺サイズ」
小型とはいえ16番の車両を使うにはこのくらいのサイズは
必要だった。
父と私が作成したレイアウトは1800x600。
この大きさは「家具調テレビとオーディオスピーカの上」
という当時は普遍的でも現代では「謎の存在」のおかげと
「子供ゆえの優先権」があったのである(遠い目)
レイアウトの設置スペースというのは、このように
「その時代の社会情勢や生活スタイル」が関係する
ものなのである。
その時代に誓ったのである「いつかレイアウト全書に
掲載されている”あのレイアウト”を作ろうと」
 
時代はかなり下って近代になる。
 
Layout2_20210520
路面レイアウト「県道線」
オトナになってからの16番のレイアウト「県道線」は
レイアウト全書の「トロリーラインのレイアウト」を
自分なりの解釈で作りたかったからである。
(解釈のかなりの部分は架線システムだった)
幸運だったのは、この時代に始まったパソコン通信(遠い目)
のおかげで瑞穂電気軌道の作者の方と会う機会を持つことが
出来た。
そうなると「現物を見てもらって意見をもらいたい」と
なるのは当然の話である。
レイアウトサイズは「電車で遠距離移動可能」にするため
375x555で専用バックも用意した。
このレイアウト、よ~~っく見てもらうと判るのだが
(1)線路配置は瑞穂電気を単線にしたもの
(2)左側3軒のうち2軒は瑞穂電気を参考にしたもの
なのである。
(注:その建物のおかげで「あれ?これ見たことありますね」
 と笑ってもらい話が弾んだ)
 
Layout3_20210520
県道線と現在作成中の複線レイアウト
時代は現代になり現在作成中の複線レイアウトである。
上から見ると判るのだが、複線レイアウトの大きさを決める
ベースになったのが県道線であることが判る。
「中央のストラクチャ設置スペース」がほぼ同じである。
それでも複線間隔50mmとなればそれなりに道路部分は
広がるのでR150=>R140にしたりクロスのある配線は
諦めざるおえなくなっている。
収納や一人で移動可能な大きさを考慮した結果、サイズは
480x760に納めてある。
 
次はナローレイアウトである。
ある日父が「最近こういう車両が出て来たんだよ」
と会社近所にあった模型店の製品を買って来た。
それが珊瑚模型のDC12とシボフ・ボハフである。
ナローゲージ(1/87)の時代の到来である。
時代は「ダックスストーリー」であり、車両とレイアウト
がセットで提案されるのが活気的であった。
さらにダックスが入線してきて「新川軽便鉄道」という
レイアウトを作成した。
台枠サイズは1150x450、線路配置はナローゲージ
モデリングのなかお・ゆたかさんのデルタ線のある
プランを変形させたものである。
(注:残念ながら写真も現物も残っていない)
 
こちらも時代は下って近代になる。
 
Layout4_20210520
電化軽便レイアウトの例
右はかつて「花巻風レイアウト」であったもの。
左は現在作成中の電化軽便レイアウトである。
 
Layout5_20210520
上から見ると判る「親子関係」
右の元花巻風レイアウトは325x520
左は470x615
この2つのレイアウトは、先の日記に書いたような事情で
サイズアップしたのである。
・カーブがR140=>R177
・交換線
結局、この2つのレイアウトは「花巻デハを走らせたい」
という意味で目的は同じなのである。
そこに追加で走らせたい車両が増えることによって、
大きくなっただけなのである。
ところで、この2つは上方と中央部分に「低い山を入れて
景色を仕切っている」のはまったく同じ。
この画像を見ていて思い出した。
「この方法は”新川軽便鉄道由来”だ!」
ストラクチャやシーナリィは「モデラーの経験」が
長く影響を与える良い例だと思う。
 
最後は「極小サイズ」の話
 
Layout6_20210520
作業軌道レイアウト
このレイアウトは「作業軌道のループ線を作りたい」と作成
したものである。
 
Layout7_20210520
サイズは265x380
この大きさであれば「極小サイズ」と言ってもいいだろう。
面白いのは「作業用軌道のレイアウトはこの後いくつも
作成している」のに「残ったのはこのレイアウトだけ」という
ことである。
理由は色々あるのだが、結局「線路配置とサイズの妙」としか
言いようがない。
極小サイズレイアウトは「小さいがゆえにパッケージングが
難しい」ものだと私は思っている。
大きなレイアウトが高度で極小レイアウトが簡単ということは
無いと私は思う。
実は「まったく別モノ」なのだ。
 

レイアウトの大きさというのは「第三者が眺めたりメディアを
通じて鑑賞するため」だけでは決められないのである。
そこには「作者の歴史と事情」というものがあるのだから。
 
最後にTMSのコンペの応募について。
私は自分が作る鉄道模型を「アート」だと思ったことない。
「走行するしくみを組み込んでプレイする遊び」だと思って
いる。
(注:しくみという意味で”エンジニアリングかも?と
 言ったことはある)
そう考えていた(おそらく父も)からこそ、私が生まれた
ときに「同じ父を持つ”模型”」を作ったのかもしれない。
要するに「子供といっしょに遊ぶ道具」だったのである。
それに共感したからこそ、私は鉄道模型を作る気持ちに
なったのだ。
そういう考えなのでTMSのコンペのように「作品として
審査される」ことを私は正直好まない。
「人に迷惑をかけなければ自由に遊んで良い」のだと
思う。
そう言いながら、実は'90年代に路面電車のレイアウトを
3作コンペに応募している。
それはなぜか?というと「先人への感謝の気持ち」である。
書籍で興味と知識を与えてもらい、その後は実際に会って
指導してくれる方もいたのである。
せめて「ここまでやれたのは皆さんのおかげです」と
発表する気になったのである。
そして「誰かの役に立てば」という気持ちもあった。
現在の心境は「この年齢になればいいよね?」である。
 
注意!
ここに記載されていることは「私の個人的経験」と
あくまで「私見」です。
参考にされてもいいですが、正解である保証はありません。
進捗状況によっては、内容を変更する場合もあります。
参考文献
鉄道模型趣味 (株)機芸出版社 発行
レイアウト全書 (株)機芸出版社 発行
小レイアウトと小型車輛 (株)機芸出版社 発行

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2021.05.19

レイアウト制作における「コレジャナイ感」

毎日雨続き。
私は鉄道模型のHPがあり「小型レイアウトを作ろう」という
タイトルで制作を続けている。
私の小型レイアウトの定義は以下の通り。
(1)台枠サイズ900x600以下であること
(2)一人で収納・運搬が可能であること
(3)可能な限りサイズを縮めるために「実物の大きさを
 大きさで表現しない」こと

路面電車のレイアウトは'90年代に3作ほどTMSコンペにも
応募しているが、実は私は路面電車マニアではない。
「架線集電を実現することでスペース効率を上げる」ことを
目的にしての題材なのである。
=>続行運転や急カーブ使用が可能
 
まるで「ロボット工学3原則」のようだが、実はこの
自分で決めた定義で苦労することになる。
 
1.大きさを「大きさで表現しない」ことの悩み
Layout1_20210519
電化軽便レイアウトの例
上画像は2013.10.14から作成中の電化軽便レイアウトである。
このレイアウト、当初はワールド工芸 花巻デハを走行させる
レイアウトとして着手した。
目的は簡単なのだが、その後迷走を始める
(1)花巻風レイアウトは先にエンドレスだけのものがあった。
  台枠サイズは520x325でR140である。
(2)先のレイアウトには以下の悩みがあった。
 ・エンドレスのみで待避も交換も出来ない
 ・同じワールド工芸の草軽デキが使えない
(3)それではということでR177で交換線を入れたレイアウトを
  ”試作”することになった(これが上画像のものの原型)
  =>カーブが大きくなったので台枠サイズ615x470
(4)試作時に「静音化のテスト」として15mm厚の桐板の
 再生材を使用
(5)線路設置と地面を付けると「ペッタリと平で単調だなぁ」
(6)ベース板が厚すぎて下げられないので田んぼを高くする
(7)田んぼの背景になっている建物(街)が不自然なので
 低い山を足していく
(8)山だけだと不自然なので樹木を散発的に植える
(9)あれこれ迷っているうちに時間が経過。
 =>嬉しいことに下津井や三重交通などの大型電車
  が製品化されるので買ってしまう
 =>そうなるとレイアウトに入線させたい
(10)大型の電車が走るには田園風景部分が短いし、
 交換線の長さも不足
 =>機関車+貨車などの編成は入線出来ない
(11)台枠をカットしたり端を切り下げたり加工する
(12)ストラクチャーの出来が今一つなので全部改修
この間、7年が経過。
そして思うのである。
「元々の目標(要件)はなんだったんだ?」
 
2.小型にする悩み 
Layout2_20210519
520x340(くらい)の台枠
このサイズのものは他にも砂利採取線や簡易軌道(元花巻風)
もある。
上のものは左2つが16番(路面)右は草軽風(軽便)である。
この台枠サイズ、ナローでは「なんとかなる」のである。
しかし、16番(路面)となると厳しい。
そう「道路幅と架線柱設置スペース」が足りないのである。
路面電車のレイアウトについては、TMSコンペに応募したもの
だけではなく、実は上画像のような試作品が完成したものの
2倍はあるのである。
真ん中のループ線は「いっそミニグランドクロスを入れて」と
思ったのだが、そうなるとやはり大型化せざるおえなくなり
結果的には路面複線レイアウト(760x480)の大きさになって
しまうのである。
それで思うのである「小さくないじゃん」
 
レイアウト制作経験の無い人から「簡単じゃん」と
言われることがある。
そういう人に私はこう答えている。
「レイアウトを作るということは”渋沢栄一さんの生家”の
敷地に地方鉄道を丸ごと入れるのと同じなんだよ」
 
注意!
ここに記載されていることは「私の個人的経験」と
あくまで「私見」です。
参考にされてもいいですが、正解である保証はありません。
進捗状況によっては、内容を変更する場合もあります。
参考文献
鉄道模型趣味 No.302
レイアウト全書 (株)機芸出版社 発行

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2021.05.17

電化軽便レイアウト2


路面電車の複線レイアウト、トラバーサ、リバース線と来て・・・
さて、ストラクチャを!と思って来た付いたことがある。
 
Denka1_20210517
私の悪い癖「コレジャナイ感」
電化軽便レイアウト(花巻風改め)はストラクチャをある程度
作ったところで手が止まっている。
理由はいくつかあるのだが、一番気になっているのは
「風景の中の位置関係」である。
上画像を見ると小高い山=>緩く棚田=>農家と少しずつ
低くなっていくのだが「家が水田より低いの変じゃね?」
それをカバーするために背景に低い山を足すことでバランスを
取るのだが、これでいいのか?=>自分
 
Denka2_20210517
「黒子の思想」を試したものの
私くらいの世代にとってTMSの1973年の影響は大きい。
あの「ダックスストーリー」である。
その中で「町線の”黒子の思想”」をいつかやってみよう!
と思っていた。
結果的には40年以上経って草軽風レイアウトを作るときに
「沢を超える築堤」を小さな台枠サイズで表現するために
中央を空洞(カッティング)にして、向こうの斜面を
「遠くの山肌」に見せようとする魂胆である。
この試みの結果
(1)目線を車両(築堤上)と平行にするとまあまあ見える
(2)ちょっと斜め上から見ると「巨大池」
という風になってしまった(ち~ん)
それで1つ思ったことがある「どうせなら真ん中は池か
田んぼにでもすれば良かった」(ご~ん)
 
さて、どうするか?
Denka3_20210517
長年テスト用だった台枠を改造
路面電車のレイアウトについては、少し考えてから続きを
やろうということで、まずはこの「コレジャナイ感」を
解消することにした。
先の草軽風レイアウトを改造(台枠延長、真ん中を田んぼ)
するか?とも思ったのだが「寺町線の反省」の教訓から
新しく作成することにした。
新規に台枠を作るのは疲れるので2013.5.1にテスト用と
して作成(900x510)してから、テスト用としては使っても
レイアウトになれなかったものを760x450に改造して
電化軽便レイアウト2とすることにした。
今回の試行錯誤は「台枠右下2/3を30mm下げてある
部分」を使う。
 
Denka4_20210517
高低差をスチレンボードで表現
このレイアウトは先に作成した電化軽便レイアウトの
コレジャナイ感解消なので「建物と田んぼの位置関係」の
見直しである。
30mm下げてある部分をスチレンボードで等高線モデルの
ように積んでいきながらそれっぽくしていく。
脱着可能なスチレンボード上に積んでいく方法にしたのは
「気に入るまで色々な試行錯誤をする」とともに「ダメだった
ら違うものに差し替える」ためである。
当初はもっと田んぼ1反を小さくして棚田にしようと思った
のだが、スチレンボードをカットして置いてみると
30mm程度の高低差では不自然になることが判った。
結局「なだらかに下がっていく田んぼ」にした。
 
Denka5_20210517
田んぼに稲?を入れて調子を確認
稲の表現は今回も人工芝になった。
田んぼの形にカットして築堤に車両を置いて確認する。
 
Denka6_20210517
地面の表現はいつもの通り
田んぼの配置とおおよその地形は決まったのでいつものように
ペーパータオルを貼って灰、砂、土などを撒きつつ実感処理を
行っていく。
作業をしていると「地面が外せると傾けたり立ってたりして
作業が可能」でやりやすいことが判った。
 
Denka7_20210517
新工法「石垣シート」
ツィッターで見かけた「石をシート状にする」方法を見て
これはいい!と試すことにした。
大きさや質感(ザラっとした角のある石)は何がいいか?
探した結果、金魚濾過槽に使う麦飯石を使用した。
 
Denka8_20210517
シートはちぎるようにカットして使う
等高線である程度勾配が出来ているところに嵌め込むように
石垣シートを入れていく。
木工ボンドで緩く繋いだシートなのでちぎりながら使用可能で
押し付けると地形にしっかりなじむ。
 
Denka13_20210517
ターフ(3種類)で実感処理
地面(基本色)と石垣の取付を済ませたところで「地面の記憶」
を付けていく。
ターフ(3種)を使って畦と石垣を実感的にしていく。
この次にコースターフ(2種)で畦を仕上げる。
 
Denka10_20210517
出来栄え確認(1)
 
Denka9_20210517
出来栄え確認(2)
田園風景はどうか?とトラクターとクルマを置いて感じを見る。
ここからさらに足すものはあるにしても、まあまあか?
 
Denka11_20210517
建物、車両の位置関係はこんな感じ
一番の問題は「撮り鉄」したときの感じである。
建物はこのような配置にして、農家からなだらかに下ってくる
景色は一応クリアか?
 
Denka12_20210517
反対側の建物配置(街の風景)
建物は違うものを作成するのだが、おおよそこんな感じか?
 
さて、そろそろ線路と架線柱を設置するか?
 
注意!
ここに記載されていることは「私の個人的経験」です。
参考にされてもいいですが、正解である保証はありません。
進捗状況によっては、内容を変更する場合もあります。
参考文献
鉄道模型趣味 No.302
レイアウト全書 (株)機芸出版社 発行
RAILFAN 12月臨時号 車両研究5 鉄道友の会 発行
RAILFAN 12月臨時号 車両研究6 鉄道友の会 発行

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