草軽風レイアウトの改修(5)
線路と架線の設置が完了したので車両のテスト。

花巻デハは普通に走行
ポイント分岐部の架線を安定して作成出来るようになった
おかげで花巻デハのポールは普通に動作する。
さて、他の集電装置はどうか?

ワールド工芸のデキ
私が草軽風レイアウトを作ろうと思うきっかけをくれた
ワールド工芸(最初期製品)デキなのだが走行性能が
今一つであれこれ改造を続けて現在に至っている。
R140カーブで走行出来ないことで乗工社デキに主力の
座を奪われたのだが「ひょっとしたら」とこのレイアウトで
走らせてみると走行可能であった(呆然)
結局、この20年くらいで線路敷設技術が向上したようで
結局「車両のせいというより線路がダメだった」らしい。
この車両、架線集電対応のテストとして元々は固定の
パンタを苦労して可動にしてバネを入れたのだが、
自重不足でボンネット方向で走らせるとウィリーする
のでバネをカットして架線ギリの位置になるように
調整してある。

乗工社デキのパンタ
こちらについてはパンタを軽改造。
・シュー部に1.0φ銅線を甲丸にしたものを接着
・カウンタウェイトに鉛板を巻く
こんなチョロい改造でもしっかりと架線を擦って
パンタが上下動して走行するのだから楽しい。

猫屋デハのパンタ
アルモデルのパンタは優れものである。
それは「イコライザ標準装備なので無改造で架線対応」が
出来る製品なのである。
日本製パンタは「見た目はいいが実際に架線を擦れない」ので
ある。
理由はイコライザが入ってないからである。
実物には付いている(当たり前)し、Oゲージ時代には
廉価版でもイコライザが付いている。
ところが16番ではなぜか省略なのである。
この問題「ディテールに凝るのに実物にあるしくみを入れない」
のはなんとも不思議である。
走行させてみるとおおむねOKなのだが、追加ポイント側の
架線でシューが外れてしまう。
どうしたものか?

パンタ台を試作

前3mm~後7mmで調整可能
以前から標準状態では架線高60mmでは高さが不足?と
思っていたのでパンタ台は作ろうと思っていた。
架線対応をしていると「車体側は無改造」で対応する
知恵?が付いて、こういうものはすぐ出来る。
前3mm後5mm or 7mmを選択可能して動作確認を
行う。
パンタ台だけでなく架線側も改修を行う。

ハンガー部の長い架線柱
分岐先の架線2本についてはクロススパンにして上昇押さえを
したいのだが、このレイアウトはスペースがない。
そのため、ハンガー部を25mm長くした架線柱を作成した。

1本側の架線柱をクロススパンにする
ポイント分岐部の架線は分岐先の2本の架線が1本側を
押す力が勝つので本来は台座をネジ止め式にして保持
するのが理想である。
困ったことにこのレイアウトではこの架線の下に台枠の
角材があってネジ止めに出来ない。
対応としてはクロススパン式にして2本の架線柱で
受けるようして強度を確保するように改修した。
ウチの架線システムは「台座は簡単に設置可能」にして
あるので柔軟に対応可能である。
こうした知恵は「長年架線集電をやってきた」経験が
モノを言う。

無事通過可能
さらに架線のカーブを調整する。
線材では単体でカーブ調整は出来ないのでメッセンジャー
とスパンor引き棒を使わないといけないのだが帯板架線は
こういう便利さがある。
これで無事走行可能になった。

これで各種集電装置対応は完了
地味な改修作業を完了して各種集電装置は問題なく
使えるようになった。
一見単純に見える架線で各種装置に対応することは
案外面倒なことなのである。
注意!
ここに記載されていることは「私の個人的経験」です。
参考にされてもいいですが、正解である保証はありません。
進捗状況によっては、内容を変更する場合もあります。
参考文献
鉄道模型趣味 No.302
レイアウト全書 (株)機芸出版社 発行
RAILFAN 12月臨時号 車両研究5 鉄道友の会 発行
RAILFAN 12月臨時号 車両研究6 鉄道友の会 発行
| 固定リンク
コメント