« 草軽風レイアウトの改修(1) | トップページ | 草軽風レイアウトの改修(3) »

2021.08.04

草軽風レイアウトの改修(2)

オリンピック開幕に合わせたように猛暑。
草軽風レイアウトの改修は続く。
 
Kusa1_20210804
ハンガータイプの架線柱(3種)を試作
クロススパン用架線柱に続いてハンガータイプを作成する。
・コスト(素材を少しでも少なく)
・生産性(簡単に作れる)
・強度(架線脱着で壊れない)
・見た目(そこそこ実感がある)
を満たしたものをということで3種試作した。
作成して気が付いた(何度もやっていながら)ことがある。
「丸棒に穴を開けるのは大変である」
ポンチマークを入れてもドリルが滑って開けにくい。
しかも、架線柱で開ける穴の数や位置を変えると作業が混乱
して「あ!穴が貫通してない!(怒)」などの手戻りが多い。
これはいかん!
 
Kusa16_20210804
丸棒穴開治具を作成する
1日考えて以下の改善を行うことにした。
・穴は3ケ所、位置関係は同一にする
・穴高さは治具をスライドすることで可変にする
・ポンチマーク不要な治具
4x4角パイプに3点穴を開け、これを台座位置からの距離で
調整することで軽便用/16番用も共用出来るようにした。
結果、試作時には3本2時間かかったものが10本1時間で
作成可能になった。
 
Kusa2_20210804
作成したものをトビカで塗装
出来た架線柱をまた塗装。
24h硬化まで待つ。 
さて、最後の課題解決方法を考える。
(やること多いなぁ)
  
Kusa4_20210804
ポイント分岐部金具の作成
ポール集電の場合、ポイントで分岐する部分の架線に金具を
入れる必要がある。
米国には製品がある(ポール集電専用らしい)のだが、日本には
そういうものはない。
今までは3x1アングル材をハンダ付けして作っていたのだが
その方法は素材費用が高く”開角度が限定”されてしまうという
問題があった。
さて、どうするか?
この問題は延々と数か月考えていた
(思いつかないので簡易軌道の改修を始めた説あり)
ここまで来ると逃げられない。
4時間ほどあれこれやって、上画像のようなものを作成した。
手順は以下の通り。
 
Kusa5_20210804
直角に追ったt0.3板をt0.8ゲージを使って切る
 
Kusa6_20210804
角度決め治具はこの位置にセットする
 
Kusa7_20210804
治具ごと万力に挟んで曲げる
 
Kusa8_20210804
エッジが甘いので3x3角材を当てて叩く
 
Kusa9_20210804
t0.8ゲージ(2)はこの位置
 
Kusa10_20210804
カットしてこの後仕上げ
これで断面がコの字になるので端面を仕上げて終了である。
これで金具を量産することが可能になった。
結構面倒?だが3回も繰り返すと習熟して気にならなくなる。
 
Kusa12_20210804
架線システム用治具一式
なんだかんだでこれだけ治具を作った。
この治具を見ていてしみじみ思うことがある。
私の父(TMS第一世代?)が私に模型工作を教えるときによく
言ったことである。
それは以下のようなものである。
 良いモデラーはパーツをいっぱい付ける人ではない
 ”必要な治具を咄嗟に作れる”人のこと
考えてみるとそれは当たり前で「精度良く正しく同じ位置」
を維持するとともに「ハンダコテの灼熱」に耐えるためには
治具が必要なのである(遠い目)
今回は切削系が多いので金属の治具が多いが、ハンダ付け
用のベークや木材の治具は数限りなく作ってきた。
'70年代までのTMSを読むと判るが各種治具の話が多い。
いつの間にかそういうものが減ったのはなぜか?
 
Kusa11_20210804
ポイント分岐金具で架線を作る
ようやく問題が解決したのでポイント上の架線を
作成する。
この金具、「ポイント上方の”あるポイント”に正確に固定」
しないと正しくポール先端が動作しない。
ポイント分岐部におけるポール先端部の動きは「チ。~の
惑星の軌道問題」のような微妙な動きをしている。
空中のその一点を維持するためにはここまで書いてきた
ような努力が必要なのである。
 
Kusa13_20210804
架線固定先端部も治具
今までは「ハンダの匠ワザ」で固定していた先端部も
治具を使うことでしっかり位置決め/ハンダを確実に流す
ことが可能になった。
 
Kusa17_20210804
位置関係はこんな感じ
「カ。~ 架線とポールの動きについて」という作品が
作れるくらい延々と動作を観測した結果、割り出した位置
はこんな感じである。
ここまでの道は長かった(かも?)
 
Kusa15_20210804
追加線路部の架線敷設完了
地味な努力で架線柱/架線を敷設して作業完了。
これでようやく「一番面倒な工作」を完了した。
 
さて、ここからはディテール工作だ。
 
注意!
ここに記載されていることは「私の個人的経験」です。
参考にされてもいいですが、正解である保証はありません。
進捗状況によっては、内容を変更する場合もあります。
参考文献
鉄道模型趣味 No.302
レイアウト全書 (株)機芸出版社 発行
RAILFAN 12月臨時号 車両研究5 鉄道友の会 発行
RAILFAN 12月臨時号 車両研究6 鉄道友の会 発行

|

« 草軽風レイアウトの改修(1) | トップページ | 草軽風レイアウトの改修(3) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 草軽風レイアウトの改修(1) | トップページ | 草軽風レイアウトの改修(3) »