草軽風レイアウトの改修(2)
オリンピック開幕に合わせたように猛暑。
草軽風レイアウトの改修は続く。
ハンガータイプの架線柱(3種)を試作
クロススパン用架線柱に続いてハンガータイプを作成する。
・コスト(素材を少しでも少なく)
・生産性(簡単に作れる)
・強度(架線脱着で壊れない)
・見た目(そこそこ実感がある)
を満たしたものをということで3種試作した。
作成して気が付いた(何度もやっていながら)ことがある。
「丸棒に穴を開けるのは大変である」
ポンチマークを入れてもドリルが滑って開けにくい。
しかも、架線柱で開ける穴の数や位置を変えると作業が混乱
して「あ!穴が貫通してない!(怒)」などの手戻りが多い。
これはいかん!
丸棒穴開治具を作成する
1日考えて以下の改善を行うことにした。
・穴は3ケ所、位置関係は同一にする
・穴高さは治具をスライドすることで可変にする
・ポンチマーク不要な治具
4x4角パイプに3点穴を開け、これを台座位置からの距離で
調整することで軽便用/16番用も共用出来るようにした。
結果、試作時には3本2時間かかったものが10本1時間で
作成可能になった。
作成したものをトビカで塗装
出来た架線柱をまた塗装。
24h硬化まで待つ。
さて、最後の課題解決方法を考える。
(やること多いなぁ)
ポイント分岐部金具の作成
ポール集電の場合、ポイントで分岐する部分の架線に金具を
入れる必要がある。
米国には製品がある(ポール集電専用らしい)のだが、日本には
そういうものはない。
今までは3x1アングル材をハンダ付けして作っていたのだが
その方法は素材費用が高く”開角度が限定”されてしまうという
問題があった。
さて、どうするか?
この問題は延々と数か月考えていた
(思いつかないので簡易軌道の改修を始めた説あり)
ここまで来ると逃げられない。
4時間ほどあれこれやって、上画像のようなものを作成した。
手順は以下の通り。
直角に追ったt0.3板をt0.8ゲージを使って切る
角度決め治具はこの位置にセットする
治具ごと万力に挟んで曲げる
エッジが甘いので3x3角材を当てて叩く
t0.8ゲージ(2)はこの位置
カットしてこの後仕上げ
これで断面がコの字になるので端面を仕上げて終了である。
これで金具を量産することが可能になった。
結構面倒?だが3回も繰り返すと習熟して気にならなくなる。
架線システム用治具一式
なんだかんだでこれだけ治具を作った。
この治具を見ていてしみじみ思うことがある。
私の父(TMS第一世代?)が私に模型工作を教えるときによく
言ったことである。
それは以下のようなものである。
良いモデラーはパーツをいっぱい付ける人ではない
”必要な治具を咄嗟に作れる”人のこと
考えてみるとそれは当たり前で「精度良く正しく同じ位置」
を維持するとともに「ハンダコテの灼熱」に耐えるためには
治具が必要なのである(遠い目)
今回は切削系が多いので金属の治具が多いが、ハンダ付け
用のベークや木材の治具は数限りなく作ってきた。
'70年代までのTMSを読むと判るが各種治具の話が多い。
いつの間にかそういうものが減ったのはなぜか?
ポイント分岐金具で架線を作る
ようやく問題が解決したのでポイント上の架線を
作成する。
この金具、「ポイント上方の”あるポイント”に正確に固定」
しないと正しくポール先端が動作しない。
ポイント分岐部におけるポール先端部の動きは「チ。~の
惑星の軌道問題」のような微妙な動きをしている。
空中のその一点を維持するためにはここまで書いてきた
ような努力が必要なのである。
架線固定先端部も治具
今までは「ハンダの匠ワザ」で固定していた先端部も
治具を使うことでしっかり位置決め/ハンダを確実に流す
ことが可能になった。
位置関係はこんな感じ
「カ。~ 架線とポールの動きについて」という作品が
作れるくらい延々と動作を観測した結果、割り出した位置
はこんな感じである。
ここまでの道は長かった(かも?)
追加線路部の架線敷設完了
地味な努力で架線柱/架線を敷設して作業完了。
これでようやく「一番面倒な工作」を完了した。
さて、ここからはディテール工作だ。
注意!
ここに記載されていることは「私の個人的経験」です。
参考にされてもいいですが、正解である保証はありません。
進捗状況によっては、内容を変更する場合もあります。
参考文献
鉄道模型趣味 No.302
レイアウト全書 (株)機芸出版社 発行
RAILFAN 12月臨時号 車両研究5 鉄道友の会 発行
RAILFAN 12月臨時号 車両研究6 鉄道友の会 発行
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