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2021.09.29

PROMINENTを使う(1)

今月は「長らく使っていなかったカメラを使う活動」である。
(そうなのか?)
ニッカIIILとヤシカYFも使って「これで使っていないカメラはない」
としみじみしていたが・・・
自分のカメラのHPの目次を見ていて気が付いた!
「おいおい!Voigtlanderが無いぞ!」
 
Prominent1_20210929
まったく忘れていたPROMINENT
デジカメの時代になってからはちょっと聞かなくなってしまった
フォクトレンダーは創業は1756年(モーツァルト生誕年!)と
世界最古のカメラメーカーのひとつである。
双眼鏡や顕微鏡などの光学製品を製造していたが1841年には
総金属ボディ/数学計算に基づく設計のレンズを装備した
カメラを作成している。
そのようなメーカーなので私もかつてはビテッサを使ってはいた
ものの今では手元にボディは無い・・・と思っていた。
ところが!思い出したのである。
「ノクトン50F1.5といっしょにボディを買ったはず」
捜索すると出て来た!(あほすぎ=>自分)
プロミネント1型である。
このカメラは1951年発売になった戦後フォクトレンダーの
最新カメラである。
 
Prominent2_20210929
0番シンクロシャッターを装備
特徴的(なことが多すぎのカメラだが)同年代のライカや
コンタックスがフォーカルプレーンシャッターであるのに対して
プロミネントは大型の0番シンクロコンパーを使用した
ビハインドシャッター機である。
シャッター速度は1/500~1、Bでこの方式のおかげで全速
シンクロである。
制約の多いこの方式の標準レンズはノクトン、ウルトロン、
カラースコパーの3種であるがノクトンは(一部の例外はある)
他のボディで使用したものはない。
(私はノクトンが欲しかったのでプロミネントを所有している)
 
Prominent3_20210929
特徴あるフォーカシング方式
凝り過ぎメーカーのフォクトレンダーなのでフォーカシング
機構だけでも「言葉で説明出来ない」くらい複雑である(笑)
ボディ内にあるシンクロコンパーを取り付けてある
フォーカシング・ユニットを押し出すピンをカムを動かす
ためのダイヤルは巻き戻しダイヤルと同軸に配置されている。
これを回してフォーカシングする操作はちょっとコツがいる。
コツといえばシャッター速度設定も1/500だけは「巻上前に
セットしないと入らない」という「知らないと故障かと思って
凄く焦る」ものもあり、クラカメは「作法が大事」であることを
思い出させてくれる。
 
作法が他にもいっぱいあるのでフォクトレンダーの書籍を
久々に読みながらちょっとワクワクする。
さて、いよいよ撮影である(ちゃんと動作するか?)
 
Prominent4_20210929
Nokton50F1.5 F=1:8
プロミネントは0番シャッターを使っているためか?大柄な
ボディで大きな巻上ノブの先にある小さなレリーズが押しにくい。
そのため撮り鉄しようとするとレリーズのタイミング(間合い)
が難しい。
3コマほど失敗したがどうにか撮影出来た(笑)
 
Prominent5_20210929
Nokton50F1.5 絞り解放
 
Prominent6_20210929
Nokton50F1.5 絞り解放
 
Prominent7_20210929
Nokton50F1.5 F=1:2.8
マウントアダプタでライカやデジカメで使っているのでノクトンが
「解放から良く写るレンズ」なのは判ってはいるのだが、こうして
純正ボディで銀塩撮影してみても「ああ、やはりいいな」と
しみじみ思う。
さすがはフォクトレンダーである。
スキャンして判ったのだが、このシャッターは1/500と1/250は
なんとか使用出来るもののそれより低速は遅くて露出が不安定
であった。
なんとかフィルム1本撮影出来て良かった。
  
Prominent8_20210929
同時代のライバルと
使用して思うのは「ともかく重い」である。
実測してみると924gであった。
同時代のライカIIIfにSumarit50F1.5を装備すると742g
スペック的にはライカの方が上、レンズのバリエーション
(過去資産も含めて)圧倒的ライカ優位ではあるものの、
フォクトレンダーのレンズの素晴らしさ、そして「存在感」
は捨てがたいものがある。
フォクトレンダーのカメラボディが欲しい!(遠い目)
 
注意!
ここに記載されていることは「私の個人的経験」です。
参考にされてもいいですが、正解である保証はありません。
画像の描写についてはあくまで個人の感想です。
参考文献
フォクトレンダー オフィスヘリア 発行

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