集電装置が揃ったのでレイアウト側の改修。
集電装置による架線位置の違い
直線だけなら関係ない(笑)のだがカーブが入ると
集電装置と架線の関係が微妙になる。
上画像がその例なのだが私の脱着式架線は「基本センターに
架線が来るように」設置している。
それは「設備(架線柱、架線)の標準化がやりやすい」から
である。
しかし、実際はそれでは不都合なことがある。
普通に模型を作るだけなら「実物通りに集電装置を置く」ので
問題はないのだが、実際に使うとなるとうまくいかない。
架線集電をするにあたっておおざっぱに取付位置を調べると
・ポール、パンタグラフはボギーセンター位置
・ビューゲルは車体中央
のことが多い。
それをやってみると上画像のように架線位置が大きくズレる
のである。
実際の鉄道(路線)は集電装置を揃えたうえで設備側は
メッセンジャーを張ってスパンを入れたり、架線柱を
大量に植えて引き棒で架線位置を調整することが
可能である。
ところが模型ではそうは行かない。
「個人的好みでバラバラな車両、集電装置を路線内に
持ち込む」うえに、設備側は架線柱やメッセンジャーを
引っ張るとメンテナンスが出来ないという辛さに直面する。
この「マニアゆえのジレンマ」をどう解決するか?
偏心対応の架線柱
集電装置が出来たので複線レイアウトを架線集電対応に
しないといけない。
前作の県道線は単線/ハンガー式なので対応は簡単なのだが
複線では外/内で偏心が違うので少し難しい。
とりあえず2本試作。
偏心対応以外にも強度を上げたうえで”破損に強い”構造に
してある。
このレイアウトでは当初は全てクロススパン式にする予定
だったが、カーブ部(台枠短辺)はセンターポール位置の
ハンガー式を使っている。
そのせいで架線位置決めが面倒なのだが、それでも採用して
いるのは「台枠両端位置に架線柱を立てると収納時に破損」
することが多いからである。
出し入れする毎に破損していては困る。
集電装置中央付近に架線が来る
偏心対応架線柱を使ったときの位置関係。
まあこんなものか。
架線集電対応で良く発生すること
脱着式架線は便利なのだがどうしても通電が不安定に
なりやすい。
それはDCCでは困ったことになるので、ネジ止め式の
架線柱台座にフィーダを入れる工作をしている。
通線は台枠下で行うので台枠を立てかけて作業になる。
そうすると前述のような配慮をしてあっても多少の
破損が出ることはある。
そして・・・予想通り架線柱が破損した(怒)
ゴムチューブ式脱着台座
当初予定ではカーブにあるこのポールは通電しない予定
であった。
理由はなにか?
簡単である「長方形の台枠の両側はぶつけたり倒したり
して破損することが多い」のを経験的に知っているから
である。
では、その対処方法はないのか?
花巻風レイアウトではコンクリートのアンカー棒固定の
樹脂チューブに差し込む方式であったが、この方歩は
脱着は楽なのだがガッチリ固定されているので外力に
対しては破損を防ぐことが出来なかった。
次の草軽風レイアウトで使い始めたのだがハトメ+
ゴムチューブ(網戸の網固定用)による構造である。
この方法は先のものの「台枠をひっくり返さずに抜ける」
メリットもありながらゴムチューブの微妙な柔らかさで
外力を受けても首を振って受け流すことが可能である。
そのうえ、ゴムが緩くなれば簡単に交換出来る。
このメリットを生かしてクロススパンの外側架線柱に
使うと保線時に外すことが出来るうえに、保線中に
空手チョップ!をしても平気である。
破損することが判っているので、この架線柱も台座を
変更する予定であった。
(注:架線柱はチューブを入れるだけでネジ止めでも
ゴム台座でも使える標準化を行ってある)
しかし、実際は架線集電対応のためネジ止めで残って
しまったことによる悲劇?であった。
旧タイプの破損状況
今回作成した偏心対応架線柱は強度を上げ、かつ
「ダメージから用意に復活」する構造になっている。
具体的には「歪んでもちょっと捻れば元に戻る」ように
素材を選んで組み方も変えてある。
前架線柱は上画像の通りで完全い歪んで修理は容易
ではない。
こうした「実用上の知恵」は架線集電レイアウトとして
使っていくことで身に付くものである。
この手の破損は「がっちりリアルに作った架線柱」では
精神的ダメージが大きい。
そういうものは「お立ち台として飾り用」に使い、実際に
運転で使うときには耐久性があり、かつ簡単に工作出来る
ものにしておくのが精神衛生上良いのである。
DCC/架線集電対応のための努力
DCCを使うためには「通電不良を最大限減少」させる必要が
ある。
レールは内/外エンドレスとも直線部x2ケ所にフィーダ。
架線はネジ止め架線柱全てに通電する。
小判型x2の大したことないプランでもフィーダは結構複雑
になる。
それでも台枠上にストラクチャ類が載る前に済ませないと
作業が大変になってしまう。
渡り線がある側のギャップ/フィーダ追加
今年に入ってからこの複線レイアウトの線路配置を変える
かどうか?を検討していた。
特に問題に思っていたのが「内エンドレスに車両を入れる
ためには架線がジャマ(笑)なので外エンドレスで載せ
=>内エンドレスへ渡り線で入れる」になってしまう
ことである。
これをやると実質「DC運転時には複線なのに実質1両しか
車両の置けない」ことになってしまう。
そのため、ポイントやクロスを足すプランを考えたものの
線路通電(2線式)では各装置の構造が複雑なうえに
ギャップ/フィーダを複雑に入れないといけなくなる。
検討の結果「そういう難しいことは完全架線集電対応の
レイアウトでやろう」ということにした。
この形式での問題点や対処方法はほぼ出し尽くしたという
判断もある。
とはいえ「最低線での利便性」は確保しないといけない。
ということで内エンドレスに車両を入れるときには、外
エンドレスの一部を回路を切り替えて通電を共通にする
ことにした。
スイッチ取付完了
内/外エンドレス選択スイッチの設置完了。
台枠を立てかけたときにトグル部が当らないように
配慮してある。
次はトラバーサ
単純な小判型x2のレイアウトを有効に使うためには
外付けの装置が必要である。
とりあえずトラバーサを接続してみようか?
注意!
ここに記載されていることは「私の個人的経験」です。
参考にされてもいいですが、正解である保証はありません。
進捗状況によっては、内容を変更する場合もあります。
参考文献
レイアウト全書 (株)機芸出版社 発行
RAILFAN 12月臨時号 車両研究5 鉄道友の会 発行
RAILFAN 12月臨時号 車両研究6 鉄道友の会 発行
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