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2022.01.22

路面複線レイアウトの架線工事(1)

集電装置が揃ったのでレイアウト側の改修。
 
Romen1_20220122
集電装置による架線位置の違い
直線だけなら関係ない(笑)のだがカーブが入ると
集電装置と架線の関係が微妙になる。
上画像がその例なのだが私の脱着式架線は「基本センターに
架線が来るように」設置している。
それは「設備(架線柱、架線)の標準化がやりやすい」から
である。
しかし、実際はそれでは不都合なことがある。
普通に模型を作るだけなら「実物通りに集電装置を置く」ので
問題はないのだが、実際に使うとなるとうまくいかない。
架線集電をするにあたっておおざっぱに取付位置を調べると
・ポール、パンタグラフはボギーセンター位置
・ビューゲルは車体中央
のことが多い。
それをやってみると上画像のように架線位置が大きくズレる
のである。
実際の鉄道(路線)は集電装置を揃えたうえで設備側は
メッセンジャーを張ってスパンを入れたり、架線柱を
大量に植えて引き棒で架線位置を調整することが
可能である。
ところが模型ではそうは行かない。
「個人的好みでバラバラな車両、集電装置を路線内に
持ち込む」うえに、設備側は架線柱やメッセンジャーを
引っ張るとメンテナンスが出来ないという辛さに直面する。
この「マニアゆえのジレンマ」をどう解決するか?
 
Romen2_20220122
偏心対応の架線柱
集電装置が出来たので複線レイアウトを架線集電対応に
しないといけない。
前作の県道線は単線/ハンガー式なので対応は簡単なのだが
複線では外/内で偏心が違うので少し難しい。
とりあえず2本試作。
偏心対応以外にも強度を上げたうえで”破損に強い”構造に
してある。
このレイアウトでは当初は全てクロススパン式にする予定
だったが、カーブ部(台枠短辺)はセンターポール位置の
ハンガー式を使っている。
そのせいで架線位置決めが面倒なのだが、それでも採用して
いるのは「台枠両端位置に架線柱を立てると収納時に破損」
することが多いからである。
出し入れする毎に破損していては困る。
 
Romen3_20220122
集電装置中央付近に架線が来る
偏心対応架線柱を使ったときの位置関係。
まあこんなものか。
 
Romen4_20220122
架線集電対応で良く発生すること
脱着式架線は便利なのだがどうしても通電が不安定に
なりやすい。
それはDCCでは困ったことになるので、ネジ止め式の
架線柱台座にフィーダを入れる工作をしている。

通線は台枠下で行うので台枠を立てかけて作業になる。
そうすると前述のような配慮をしてあっても多少の
破損が出ることはある。
そして・・・予想通り架線柱が破損した(怒)
 
Romen5_20220122
ゴムチューブ式脱着台座
当初予定ではカーブにあるこのポールは通電しない予定
であった。
理由はなにか?
簡単である「長方形の台枠の両側はぶつけたり倒したり
して破損することが多い」のを経験的に知っているから
である。 
では、その対処方法はないのか?
花巻風レイアウトではコンクリートのアンカー棒固定の
樹脂チューブに差し込む方式であったが、この方歩は
脱着は楽なのだがガッチリ固定されているので外力に
対しては破損を防ぐことが出来なかった。
次の草軽風レイアウトで使い始めたのだがハトメ+
ゴムチューブ(網戸の網固定用)による構造である。
この方法は先のものの「台枠をひっくり返さずに抜ける」
メリットもありながらゴムチューブの微妙な柔らかさで
外力を受けても首を振って受け流すことが可能である。
そのうえ、ゴムが緩くなれば簡単に交換出来る。
このメリットを生かしてクロススパンの外側架線柱に
使うと保線時に外すことが出来るうえに、保線中に
空手チョップ!をしても平気である。
 
破損することが判っているので、この架線柱も台座を
変更する予定であった。
(注:架線柱はチューブを入れるだけでネジ止めでも
 ゴム台座でも使える標準化を行ってある)
しかし、実際は架線集電対応のためネジ止めで残って
しまったことによる悲劇?であった。
 
Romen6_20220122
旧タイプの破損状況
今回作成した偏心対応架線柱は強度を上げ、かつ
「ダメージから用意に復活」する構造になっている。
具体的には「歪んでもちょっと捻れば元に戻る」ように
素材を選んで組み方も変えてある。
前架線柱は上画像の通りで完全い歪んで修理は容易
ではない。
こうした「実用上の知恵」は架線集電レイアウトとして
使っていくことで身に付くものである。
この手の破損は「がっちりリアルに作った架線柱」では
精神的ダメージが大きい。
そういうものは「お立ち台として飾り用」に使い、実際に
運転で使うときには耐久性があり、かつ簡単に工作出来る
ものにしておくのが精神衛生上良いのである。
 
Romen8_20220122
DCC/架線集電対応のための努力
DCCを使うためには「通電不良を最大限減少」させる必要が
ある。
レールは内/外エンドレスとも直線部x2ケ所にフィーダ。
架線はネジ止め架線柱全てに通電する。
小判型x2の大したことないプランでもフィーダは結構複雑
になる。
それでも台枠上にストラクチャ類が載る前に済ませないと
作業が大変になってしまう。
 
Romen7_20220122
渡り線がある側のギャップ/フィーダ追加

今年に入ってからこの複線レイアウトの線路配置を変える
かどうか?を検討していた。
特に問題に思っていたのが「内エンドレスに車両を入れる
ためには架線がジャマ(笑)なので外エンドレスで載せ
=>内エンドレスへ渡り線で入れる」になってしまう
ことである。
これをやると実質「DC運転時には複線なのに実質1両しか
車両の置けない」ことになってしまう。
そのため、ポイントやクロスを足すプランを考えたものの
線路通電(2線式)では各装置の構造が複雑なうえに
ギャップ/フィーダを複雑に入れないといけなくなる。
検討の結果「そういう難しいことは完全架線集電対応の
レイアウトでやろう」ということにした。
この形式での問題点や対処方法はほぼ出し尽くしたという
判断もある。
とはいえ「最低線での利便性」は確保しないといけない。
ということで内エンドレスに車両を入れるときには、外
エンドレスの一部を回路を切り替えて通電を共通にする
ことにした。
 
Romen9_20220122
スイッチ取付完了
内/外エンドレス選択スイッチの設置完了。
台枠を立てかけたときにトグル部が当らないように
配慮してある。
 
Romen10_20220122
次はトラバーサ
単純な小判型x2のレイアウトを有効に使うためには
外付けの装置が必要である。
とりあえずトラバーサを接続してみようか?
 
注意!
ここに記載されていることは「私の個人的経験」です。
参考にされてもいいですが、正解である保証はありません。
進捗状況によっては、内容を変更する場合もあります。
参考文献
レイアウト全書 (株)機芸出版社 発行
RAILFAN 12月臨時号 車両研究5 鉄道友の会 発行
RAILFAN 12月臨時号 車両研究6 鉄道友の会 発行

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