« 2022年2月 | トップページ | 2022年4月 »

2022年3月

2022.03.29

液体クラッチ動力の応用(2)

9年寝かしていた液体クラッチを引っ張り出したのは
キハ35の改修が目的ではない(そうでもないか)
もっと切実にやりたいことがある

Tue12_20220329
小型レイアウトにおける悩み
私のレイアウト作成の信条は「小型」である。
大きさは800x450以内にしてその中に必要な要素を盛り込む
と決めて作成してきた。
といって「小型だからエンドレスのみ」と言う訳ではない。
小さい中にも機能を多く!を心がけてきた。
=>路面電車のトラバーサ、林鉄の作業軌道など
そうやってレイアウトを作っている、当然線路配置や施設が

複雑になり=コントロールが必要になってくる。
そうなると困ったことが2点
(1)コントロールするための装置が複雑になり、メンテナンスが
 必要になること
(2)装置を操作するための制御盤が必要
前者は「レイアウトをひっくり返して作業する」のは大変である。
後者は「意外に制御盤が大きいこと」である。
後者についてはDCC制御にすることで解決した・・・つもりだった
のだが、使っているうちにレンツのDCC本体もそれなりに体積が
あることと「目の前のポイントやトラバーサを動かすために
いちいち番号設定して・・・」が手間だったことである。
小型レイアウトは「動かすべきものは目の前」なのである。
なんともまだるっこしい。
前者についてはトラバーサ整備でレイアウトを倒して架線柱を
ぐんにゃり曲げたことがあった(遠い目)
これはなんとか解決しないといけない。
 
Tue9_20220329
液体クラッチをターンテーブルに使う
色々と考えた結果は「コントロールなしで動かせる」ものに
すれば良いのではないか?
そこで思いついたのである「ターンテーブルに液体クラッチを
使う」ことである。
液体クラッチはモータをONにして回転部を止めても問題なく
調速もやってくれる。
 
Tue10_20220329
テスト装置を作ってみる
車両搭載用液体クラッチにクラウンギアを組合せて
ターンテーブルのテストベンチを作って動かしてみた。
結果は以下の通り。
(1)180度回転/停止については意外にちゃんと機能する
(2)回転については止まったり動いたりする
 =>回転数コントロールが面倒
テストして思ったのは「目の付け所は良かった」である。
如何せん液体クラッチが寿命なので(2)がうまくいかない。
・・・9年前にやっていれば結果は違ったか?
それはいいのである。
なんとか解決出来ないか?
 
Tue11_20220329
単板クラッチを作ってみる
そこで思いついたのが単板クラッチである。
ターンテーブルは定速で動けばいいので速度調整は不要。
要は「止まったらクラッチが切れる」だけで良い。
そこで回転はギアードモータにしてクラッチだけを作れば
良いのではないか?
単板クラッチは木製床板用のボルスターに溝を付けて
片方に細い帯板を貼り、バネで密着させる。
なんとも単純明快なしくみ(笑)
 
Tue7_20220329_20220329230501
テーブル側のSTOPさせるしくみ
テーブル部を止めるしくみは単純である。
180度回転して突起にぶつかって止まるだけである。
停まったところでクラッチが切れてモータ軸側は
空転する。
カチカチ音がしたら電源を切ればいい。
 
Tue6_20220329
1:297減速のギアードモータ+クラッチ
当初はコパルの安いギアードモータだったが回転が速い
ので1:297の超低速タイプに交換した。
単板クラッチのバネ圧を何度も変更して動作確認。
 
Tue8_20220329
ウェイトを載せてテスト
70gウェイト(ダックス相当)を載せてテストすると
当初はあちこちが引っかかってダメだったが、調整して
スムーズに回転するようになった。
 
Tue5_20220329
途中で回転を止める方法
180度回転(反転)はこれで可能になった。
ここまでやったのだから次は「途中で止める方法」である。
2日ほどあれこれと考えた結果「ピンを打てば?」
2mm角パイプを脱着式にして差し込むと90度で停止する。
角パイプにしたのは正確な位置を出したかったからである。
 
Tue4_20220329
こういう風になる
当たり前なのだがキチンと停止する(笑)
よしよし、これでターンテーブルは実用に・・・
あれ?これを使うレイアウトないぞ(ち~ん)
この方式は制御部がないのでもっとコンパクトにすること
が可能である。
いずれ秋葉原に行って極低速ギアードモータを入手して
色々試してみよう。
  
注意!
ここに記載されていることは「私の個人的経験」です。
参考にされてもいいですが、正解である保証はありません。
進捗状況によっては、内容を変更する場合もあります。

| | コメント (0)

2022.03.21

液体クラッチ動力の応用(1)

しばらく路面電車関係が続いたので息抜き?に違うことを
ることにした。
 
Oilc1_20220321

小型ベベルギアが手に入った
過去にいさみやの液体クラッチを使った気動車の動力装置を
試したことがあった。
そのとき一つやり残したことがある。
その動力装置のギアボックスはクラインギアを使用していた
のだが、この液体クラッチは「減速なしで使う」ように計画
されていた、ということである。
前回のテストは2013年7月なのだが、当時は模型に使える
小型のクラウンギアが入手出来なかった。
それから9年・・・
たまたま模型友人がまったく別用途でそれに向いているギアを
発注したことが判ったので2セット譲ってもらった。
 
Oilc2_20220321
ギアボックス作成
前回のクラウンギアのギアボックスの経験を生かしてベベルギアを
使ったギアボックスを作成する。
このベベルギアの軸径は1.0φなので、車輪はカツミの打ち込み
のプレーン軸(2.0φ)を使用した。
シャフト側は1.0φのまま使用、ギアの固定はネジ止めである。
ジョイント部の曲がり抵抗を減らすためにギアボックス側の軸受は
可能な限り短くしてある。
(これが結構大変であった)
 
Oilc3_20220321
動力ユニットを作成
動力ユニットは2013年のときと基本構造は同じである。
ここで一つ不思議なことが発生。
なぜか振動が発生するのである。
え?前回はそんなことは無かったのに??
とりあえず液体クラッチ後部に受けを追加して振動を
低下させるよう対策をした。
また、5分以上負荷をかけると繋がりが悪くなる?ことが
あるので「ひょっとすると回転数が足りないのか?」という
ことでトーマモデルの高回転型(16000rpm)コアレスモータを
キドマイティ規格で使用可能にした。
 
Oilc4_20220321
液体クラッチ動力を搭載して走行テスト
使用する車両はカツミのニッケルボディのキハ35である。
ユニット搭載後の重量は211gである。
走行させてみると「お!快調だぞ」と思ったものの・・・
5分程度走らせると速度低下して最終的には停まってしまう。
停止した状態ではモータが過回転している。
確認してみると液体クラッチが発熱している。
走行して中のオイルが攪拌されると発熱して粘性低下して
キドマイティの回転数ではダメなのか?
トーマモデルの高回転モータを使用してみても・・・同様。
クラッチ本体の発熱低下のためにシャフトを伸ばしてジョイント
の屈曲を減らしたりギアボックスの軸短縮(前述)を行って
みたが解決せず。
ここで気が付いたのである。
ひょっとして液体クラッチのオイル抜け(劣化)では?
2013年に使用したクラウンギア仕様のキハ17をテストすると
同様に5分程度で停まってしまった。
 
Oilc5_20220321
とりあえず車載テストは完了
この液体クラッチは構造的に少しずつオイルが抜ける。
そのことから「寿命は3~5年?」という話であったが、
製造後30年以上経過しているのである。
2013年時点で使えたことが奇蹟だった(遠い目)
ギアで減速せず動力伝達して空転しないので静粛。
それを目指して作られたものであるが、その片鱗をちょっと
実感出来たから良しとするか(さらに遠い目)
 
ひょっとすると改善策があるかもしれない。
その前に「もう一つ試すこと」がある。
気持ちを切り替えてそっちをやってみよう。
 
それにしても・・・ぜんぜん息抜きにならないぞ(笑)
 
注意!
ここに記載されていることは「私の個人的経験」です。
参考にされてもいいですが、正解である保証はありません。
進捗状況によっては、内容を変更する場合もあります。

| | コメント (0)

2022.03.12

カツミ N電架線対応終了

長々とやってきたがカツミのN電の改修も終盤。
 
Pole1_20220312
下回りをロンビック台車に交換
作成したロンビック台車で下回りを交換する。
1:16仕様=>オープンデッキタイプ
2:16仕様=>通常ボディ(保護棒あり)
車重は115gくらいになるように調整した。
走行テストを行うと、1:16は低速走行が良いのだがギアの
音がうるさく起動時が少しギクシャクする。
2:16は音は静かで出だしのスムーズだが低速は少し不満。
この辺りは今後どうチューニングするか?が課題。
 
Pole2_20220312
なぜか分岐金具で離線する
走行テストをして気が付いたのだが、1両目のN電では通過した
外エンドレスの分岐金具でなぜか2両とも離線する。
何度テストしても上画像のように「わずかに内側」をシュー部が
通過してしまう。
同じ仕様のポールと同じメーカーのボディなのに(笑)
この後、架線分岐金具を内側に押してみたがダメだった。
 
Pole3_20220312
結局架線交換
まあ、結局こうなるのは判っていたが分岐金具を1cm左側に
寄せた架線を作り直した。
あっさり解決(ち~ん)
架線集電ではよくあることなのだがポールではこういう
「微妙な位置関係」になることが多い。
 
Pole4_20220312
ポール調整(先端シュー部の角度に注意)
テストを行っているとジョイント部でも離線することがあった。
この対応はYAMA模型のポールでも発生したが、先端金具に
微妙に角度を付けると解決する。
この辺りは「理論より経験」である(笑)
 
Pole5_20220312
単車王国になるのか?
ポールで架線対応+単車は走行性能が出にくい。
(注:だるまやの軸距23mmボールドウィンは優秀)
それでもこうして並べてみるとなにかワクワクする。
面倒だけどやはりちゃんと走らせたい!
そういうものを技術で克服していくのが鉄道模型の
醍醐味だと思う今日この頃である(疲労感)
 
注意!
ここに記載されていることは「私の個人的経験」です。
参考にされてもいいですが、正解である保証はありません。
進捗状況によっては、内容を変更する場合もあります。
参考文献
レイアウト全書 (株)機芸出版社 発行
RAILFAN 12月臨時号 車両研究5 鉄道友の会 発行
RAILFAN 12月臨時号 車両研究6 鉄道友の会 発行

| | コメント (0)

2022.03.02

ペトリV6を使う

国産一眼レフで使ってみたいのにず~っと買えずにいた
カメラがある。
 
Petri1_20220302
ようやく購入したペトリ
行かないはずのカメラ市で偶然見つけてしまった。
ペトリV6である。
ペトリカメラの前身、栗林製作所1907年創業で、なんと!
国内では小西六写真工業につぐ「日本で2番目」のカメラ製造
会社である。
1959年、ニコンF、キヤノンフレックスと同年にペトリペンタを
発売、その後も一眼レフを開発・販売している。
今回購入したペトリV6は1965年の製品で、その前のペンタV3の
軍艦部のデザインを変更したものである(え?それだけ!)
スペック的には平凡で1軸不回転ダイヤルの1/500~1/2、B
分割巻上は出来ないレバー巻上である。
 
Petri2_20220302
独特なスピゴットマウント
一眼レフ最初の製品、ペトリペンタはM42だったが、次のV2から
このマウントになった。
ワンタッチでレンズ交換出来て便利!
・・・かとは思うのだが、ペトリの交換レンズは少ないので
純正M42アダプタを使うケースが多かったのではかろうか?
そして、最後の製品のMF-1はM42に戻っている。
 
使い勝手は良い方のカメラなので50F1.8の写りを確認するため
さっそく撮影してみる。
 
Petri4_20220302
50F1.8 F=1:5,6 1/500
 
Petri5_20220302
50F1.8 絞り解放 1/125
普通の一眼レフなので世田谷線の撮影は楽々。
ファインダはまあまあ見やすい。
招き猫の撮影結果を見て思ったのだが、F=1:1.8くらいのレンズで
ピンを合わせたやや右の招き猫以外はストン!とボケていている
のがこのレンズの特徴だろうか?
発色は地味目。
ところでこのボディ、1/500が時々幕速が不安定になるようで
左1/4が露出不良になることがあった。
(古いボディにはよくあることである)
 
Wed2_20220302
50F1.8 F=1:8 1/250
 
Wed3_20220302
50F1.8 絞り解放 1/500
 
Wed5_20220302
50F1.8 F=1:4 1/500
曇天なのでISO200のフィルムを使用したが、やはりMax1/500
っだと少し辛い(笑)
レンズの特性なのか?ファインダの作りなのか? 白いものだと
ファインダ像がボ~っとしてややピン合わせが辛い。
(注:単に老眼という説もある)
フィルム2本使って思ったのは「意外に使いやすい」である。
そういえば、私が一眼レフを使い始めたときの参考書
「シリーズ日本カメラ17 一眼レフの使い方」の巻末にある
国産35mm一眼レフ全ガイドにはペトリも含まれているのだが
「普及品として使いやすく価格も安い」として好評価である。
その時には読み流していたが40年以上経過してそれを実感
することが出来た(笑)
 
Petri3_20220302
ペトリの謎仕様「カウンタの動くタイミング」
え?フィルムを入れないとダメなの?と思って装填してみても
動かない。
しばらく操作していて気が付いた!
「あれ?レリーズ後にカウンタが動いてる!
動作を見ていると撮影が終了するとカウントアップする。
なんで?と思ってネットで調べてみると、カウンタを動かす
レバーをミラーが復元するときに叩いて動かしているとの
ことである。
ペトリのトップカバー上を見ると意外にスペースがなくて、
通常のカメラのように巻上側にカウンタを置けなかったので
このようなしくみになったと思うのだが、知らないで使うと
結構焦る。
判ってしまえばどうということはない。
それにしても思うのである。
カウンタの「現在の数字」の意味
(1)これから撮影するコマ数
(2)撮影が完了したコマ数
なんとも微妙(笑)
で、気が付いたのである。
この仕様だと「最後の1コマの数字が出ない」のである。
問題はないがちょっと悔しいかも?
 
注意!
ここに記載されていることは「私の個人的経験」です。
参考にされてもいいですが、正解である保証はありません。
画像の描写についてはあくまで個人の感想です。
参考文献
クラシックカメラ専科 No.9 35mm一眼レフカメラ 朝日ソノラマ 発行

|

« 2022年2月 | トップページ | 2022年4月 »