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2023年3月

2023.03.24

プラウベルマキナIIs(3)

今年は早々と桜が開花。
あれこれ銀塩カメラと使うのだが、当然マキナIIsも活躍する。
 
Makina1_20230324
アクションファインダーを使う
6x6版で練習したのでいよいよ6x9版で撮影する。
どうせなら!ということで今回はアクションファインダーを
使ってみることにした。
現代の人には「なんじゃこの枠は?」と見えるだろうが、
動きの速いものを撮影するときにはこの手のファインダーを
使うことがあったのである。
(ハッセルにも純正品としてこの手のものがあった)
 
Makina2_20230324
Anticomar100F4.2 F=1:9
 
Makina3_20230324
Anticomar100F4.2 絞り解放(ピンが甘い?)
 
Makina4_20230324
Anticomar100F4.2 F=1:6
 
続いてテレマキナ190F4.8である。
こちらは通常のファインダーで撮影。
 
Makina5_20230324
Tele-Makinar190F4.8 F=1:12
 
Makina6_20230324
Tele-Makinar190F4.8 絞り解放
 
Makina7_20230324
Tele-Makinar190F4.8 F=1:6.3
 
撮影結果を確認しながら思ったのだが、レンジファインダ機の
距離計でのピン合わせは桜の花のような「同じような形のもの
がいっぱいある」ものは合わせにくい。
どの花に合わせているか判りにくいのである。
結果的にアンチコマーの1コマが甘いピンになってしまった。
それでも結果的には「マキナIIsとレンズは良く写る」である。
こういうものは「自分で使わないと正しい評価は出来ない」と
改めて実感した。
 
ところで、笑ってしまう話がある。
先に書いたアクションファインダーであるが、この枠
(1)枠を上げる前にフードを付けると起立出来ない。
 =>その逆「フードを付けると出しっぱなし」
(2)うっかりテレマキナを装着するとやはり枠が仕舞えない
まあ、古いカメラなのでそんなものか(笑)
そういうことに気が付いたりして楽しむのがクラカメ撮影
なのである(遠い目)
 
注意!
ここに記載されていることは「私の個人的経験」です。
参考にされてもいいですが、正解である保証はありません。
進捗状況によっては、内容を変更する場合もあります。
参考文献
クラシックカメラ専科 No1 (株)朝日ソノラマ 発行
クラシックカメラ専科 No2 名機105の使い方 (株)朝日ソノラマ 発行

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2023.03.11

プラウベルマキナIIs(2)

ちょっと間が開いてプラウベルマキナIIsの続き。
 
Makina22_20230310
Tele-Makinar190F4.8 絞り解放(ピンボケ)
マキナIIsを購入した理由が「なぜか2本テレマキナを持っている」
ためなので当然それを使って撮影を行うのだが、戦前のカメラ
なので「フィルムを入れてフォーカシングしてパチリ!」と
簡単にはいかない。
書籍やネットで調べたマキナIIs+テレマキナ190F4.8での
撮影手順はおおよそ以下のようなものである。
(1)ボディ側のフォーカシングで距離計を使って距離を測る
(2)距離計目盛り(ボディ基盤左側のもの)の距離で
 テレマキナの鏡筒ヘリコイドを合わせる
(3)ボディ側のフォーカシングを無限遠に戻す
(4)レリーズする
その手順に従って撮影したものが上画像のものである。
実際には4枚は撮影したがすべてピンボケであった(涙)
なぜなのだろうか?
 
Makina9_20230310
マキナIIsにはピントグラスがついている
幸運なことに、このカメラにはピントグラスがついている。
これはガラス乾板による1枚撮りにも対応するホルダーも
兼ねていている。
(注:それくらい古いカメラなのである)
ピントグラスがあれば試せることは多い。
 
Makina15_20230310
メジャーを使って被写体との距離を計測
あれこれ試した結果「実際にピントの合う距離を測ってみよう」
ということになった。
被写体とカメラの間にメジャーを置いて、距離計とレンズ鏡筒
の距離をセットしてピントグラスで像を確認するのである。
ああ!なんという地味な努力!
距離については最短(1.5m)、2m、2.5m、3mをテストした。
(これ以上は室内ではムリ!)
 
Makina16_20230310
テストの結果から手順を決めていく
あれこれテストした結果、以下の手順で行くことにした。
(1)被写体との距離を決める
 =>ヘリコイドにある数字
 =>上画像は1.5mの例(以降、この値で説明)
(2)鏡筒とボディ距離計の目盛りを1.5mにセット
(3)距離計を見ながら合焦する位置にカメラ位置を調整
 =>野外で草花や昆虫を撮影するときの「腰の動き」
  で合焦する方法と同じ
 =>重量1.2kgのマキナでやると結構腰に来る
  (腰痛のある人はやらない方が良いかも?)
(4)構図を決めてレリーズ
この方法はレンジファイダー機ではよく使う方法である。
=>特に距離計外付けの機種
最初に書いた方法は、正直「そんな不便な方法で撮影するようなものを
メーカーが作るだろうか?」と疑問を感じていたのだが、こちらの
方法であれば「普通の使い方」なので無理がない。
 
さて、さっそく実践である。
 
Makina23_20230310_20230311123401
Tele-Makinar190F4.8 絞り解放
 
Makina30_20230310
Tele-Makinar190F4.8 絞り解放
 
Makina31_20230310
Tele-Makinar190F4.8 F=1:8
どうにかピントが合うようになった。
撮影結果を見て思ったのは「190mmという焦点距離を距離計連動で
使うのはしんどい」である。
絞り値はF=1:8以上で使うのが良さそうだ。
 
続いて撮り鉄である。
 
Makina7_20230310
マキナIIsのファインダー
テレマキナを使用するためには距離計目盛りの上にあるファインダー
を使用する。
接眼部から覗くとおおよそ上画像のように見える。
=>実際は「遠くの方に#の窓枠がある」ような感じ
#の真ん中の囲い部分がテレマキナの6x9判の範囲である。
=>実感としては「凄く小さい」
正直、ライカやCONTAXの外付けファインダーのようにすれば良い
のになんで?という気持ちになる。
=>もっとも、同年代のContaxI型(Ver.7は1935年)の「望遠用の枠」
 を考えればまあまあ良心的と言えるのかもしれないが・・・
■ContaxI型の望遠用枠の使用テスト
(わざわざトリオターF4を買って試している自分がアホ)
 
このファインダーで撮り鉄をするとどうなるか?
 
Makina28_20230310
初回は当然のようにこうなる
 
Makina29_20230310
あれこれ反省して2回目の撮影
当然のように1回目は失敗である。
クラカメを使う場合、「初手から成功」はどうせしないので
落ち込んでも仕方がない。
あれこれ考えて臨んだのが2コマ目である。
まあまあの結果にはなったものの、正面のピンが甘い(笑)
 
結局のところ「こうやってあれこれ工夫する遊び」なのである。
 
注意!
ここに記載されていることは「私の個人的経験」です。
参考にされてもいいですが、正解である保証はありません。
進捗状況によっては、内容を変更する場合もあります。
参考文献
クラシックカメラ専科 No1 (株)朝日ソノラマ 発行
クラシックカメラ専科 No2 名機105の使い方 (株)朝日ソノラマ 発行

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2023.03.07

プラウベルマキナIIs(1)

松屋のカメラ市である買い物をしてしまった。
 
Makina1_20230307
Plaubel MakinaIIsを購入
以前、友人から譲ってもらった2本のテレマキナの話をした
意外にハッセル1000Fでの使用結果は良かったのだが、
20年前なら楽勝で買えた1000F用の接写リングが調達出来ず
レンズはその後放置プレイ状態だった。
それに加えて「やはり本来の使い方をしてみたい」という
気持ちはあったものの、本家プラウベルマキナは今となっては
なかなか手ごろな価格でちゃんと使えるものがない。
(高いものはそれなりに見かけるのだが)
今回のカメラ市でようやくそれを買うことが出来た。
 
Makina2_20230307
とりあえず使って失敗をする
マキナIIsは使ったことがない。
まずはフィルム1本撮影したが上のような結果だった。
多重露出にピンボケ・・・
う~む、これはいかん!
考えてみるとロールフィルムホルダーを使うのは20年以上ぶり
である(遠い目)
これはいかん!
もっとガッツリ操作感を取り戻さないと!
 
Makina4_20230307
Anticomar100F4.2 F=1:11
 
Makina5_20230307
Anticomar100F4.2 F=1:5.6(くらい)
 
Makina6_20230307
Anticomar100F4.2 F=1:9
 
Makina7_20230307
Anticomar100F4.2 絞り解放
撮影失敗はしながらも何点か不具合を見つけたので、購入した
店で補修をお願いした。
直ったところで撮影したのが上画像である。
ところで、プラウベルマキナの標準レンズといえば、あの
アンチコマー100F2.9である。
スペックを見ると「お!ハイスペック(当時)」なのだが、
写りについてはあまり良い話は聞かない。
(注:あくまで「個人の感想」です)
ここまで書くと気が付く人がいるかもしれない。
そう!このマキナIIsに装着されているレンズは同じアンチコマー
でも100F4.2なのである。
私も買って帰宅して「あれ?見たことないレンズだ」と思った
くらいあまり知られていないタイプなのだが、調べてみると
この戦後タイプのコーティングタイプは「写るレンズ」として
評価が良いらしいことが判った。
ちょっと得したのか?
 
Makina3_20230307
撮影手順をしっかりと決めること
なにを今さら!と言われそうだが、こういう「原始的カメラ」は
ある意味人間力が問われるタイプである。
操作ミスをしないように考慮されていないからである(笑)
カメラの構造をしっかりと理解し、その上でプロセスを決めて
かからないとミスが発生する。
撮影手順についても以下のように標準化した。
(1)引き蓋を閉めてフィルムを巻き上げる
 当たり前だと思われるが、意外にもこの段階で失敗することがある
 まず、現在入手出来るブローニーフィルムだが、仕様が変わって
 いることがあるからである。
Makina8_20230307
KODAKのISO200(ネガ)の裏紙
今回の撮影では6x6で撮影しているのだが、このフィルムの裏紙を
見ると「6x6のときにはスタートマークが赤窓に出ない。
(実際はチラっと見える)
は?スタートマーク?赤窓??とほぼ死語の連続であるが、さらに
巻き上げると老眼にはとっても見えない小さい文字のI(1コマ目)
がチラッと出る。
このような裏紙仕様変更はときどきあって、油断していると
フィルムをムダにしてしまう。
巻き上げると戻せないのだが、それでも引き蓋を閉めておいて
冷静に巻上作業を行うことは重要である。
それは次の手順にも関係してくる。
(2)フィルム巻上後はシャッターチャージしておく
巻上後にすぐシャッターチャージをする。
別に撮影直前でもいいじゃないか?と思うかもしれない。
しかし、実際にやってみるとこういうことが発生する。
いざ撮影というときにシャッターチャージを確認したときに
チャージしていないと「あれ?巻上たっけ?まだだっけ??」と
迷うことになるからである。
まあいいか、とチャージして撮影すると多重露出になったり
巻いておくかとやって後で確認すると1コマ空白になって
いたりするのである(遠い目)
そう言うと「シャッターチャージしてしまうとうっかりレリーズ
したときに露光してしまうではないか」と言われそうである。
そう!そのために引き蓋は閉めておくのである(生活の知恵)
露光しないようになっているので、撮影前にレリーズ感も
確認出来るし、シャッター速度の確認も出来る。
Makina9_20230307
マキナIIsのレリーズ回り
うっかりレリーズが怖いのであればマキナIIsにはレリーズロック
がある。
レリーズ回りの構造はこんな感じなのだが、ロックはかなり
ガチリかかるようになっている。
ところで、これはマキナIIsの他の部分にも共通するのだが、
「このカメラはなぜこうも板金のエッジが立っているのか?」
操作が硬いうえに角が出ているので指が痛い(ち~ん)
レリーズはかなりガッツリ押さないと切れないのでそれほど
心配はないのであるが、この指が痛くなるロックをかけるくらい
なら引き蓋を閉めておくほうがマシである(笑)
(3)ピント合わせをしてから引き蓋を開けて撮影する
構図を決めてピント合わせが済んだところで撮影である。
引き蓋は撮影直前まで開けてはいけない。
このタイミングが一番レリーズミスが発生するからである。
大事なことは「引き蓋が出た状態は撮影準備完了」になって
いるということである。
この手順を標準化しておかないと、最初の撮影結果のような
アホなことになってしまう。
 
Makina10_20230307
プラウベルのフードが面白い
撮影前にはフードを装着するのだが、プラウベルのフードは
ちょっと面白い特徴がある。
アンチコマーとテレマキナを見ると判るが「口径が違う」ので
フードは別々か?と思うのだがフードは1種類しかない。
なんで?と思って上画像をよ~~~~っく見ると判るのだが
フードのネジは内側にも外側にもある。
そう!アンチコマーのときは内側のネジ(レンズ側は外にネジ)
テレマキナでは外側(レンズ側は内側)のネジを使う。
このフードは簡単にシリーズフィルタを脱着出来る構造になって
いて、ある意味システマチックである。
 
銀塩撮影は継続してやっていないと失われてしまう技術で
あることを再認識した。
さて、次はテレマキナ・・・なのだが、これがまた大変!
(続く)
 
注意!
ここに記載されていることは「私の個人的経験」です。
参考にされてもいいですが、正解である保証はありません。
進捗状況によっては、内容を変更する場合もあります。
参考文献
クラシックカメラ専科 No1 (株)朝日ソノラマ 発行
クラシックカメラ専科 No2 名機105の使い方 (株)朝日ソノラマ 発行

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