プラウベルマキナIIs(2)
ちょっと間が開いてプラウベルマキナIIsの続き。
Tele-Makinar190F4.8 絞り解放(ピンボケ)
マキナIIsを購入した理由が「なぜか2本テレマキナを持っている」
ためなので当然それを使って撮影を行うのだが、戦前のカメラ
なので「フィルムを入れてフォーカシングしてパチリ!」と
簡単にはいかない。
書籍やネットで調べたマキナIIs+テレマキナ190F4.8での
撮影手順はおおよそ以下のようなものである。
(1)ボディ側のフォーカシングで距離計を使って距離を測る
(2)距離計目盛り(ボディ基盤左側のもの)の距離で
テレマキナの鏡筒ヘリコイドを合わせる
(3)ボディ側のフォーカシングを無限遠に戻す
(4)レリーズする
その手順に従って撮影したものが上画像のものである。
実際には4枚は撮影したがすべてピンボケであった(涙)
なぜなのだろうか?
マキナIIsにはピントグラスがついている
幸運なことに、このカメラにはピントグラスがついている。
これはガラス乾板による1枚撮りにも対応するホルダーも
兼ねていている。
(注:それくらい古いカメラなのである)
ピントグラスがあれば試せることは多い。
メジャーを使って被写体との距離を計測
あれこれ試した結果「実際にピントの合う距離を測ってみよう」
ということになった。
被写体とカメラの間にメジャーを置いて、距離計とレンズ鏡筒
の距離をセットしてピントグラスで像を確認するのである。
ああ!なんという地味な努力!
距離については最短(1.5m)、2m、2.5m、3mをテストした。
(これ以上は室内ではムリ!)
テストの結果から手順を決めていく
あれこれテストした結果、以下の手順で行くことにした。
(1)被写体との距離を決める
=>ヘリコイドにある数字
=>上画像は1.5mの例(以降、この値で説明)
(2)鏡筒とボディ距離計の目盛りを1.5mにセット
(3)距離計を見ながら合焦する位置にカメラ位置を調整
=>野外で草花や昆虫を撮影するときの「腰の動き」
で合焦する方法と同じ
=>重量1.2kgのマキナでやると結構腰に来る
(腰痛のある人はやらない方が良いかも?)
(4)構図を決めてレリーズ
この方法はレンジファイダー機ではよく使う方法である。
=>特に距離計外付けの機種
最初に書いた方法は、正直「そんな不便な方法で撮影するようなものを
メーカーが作るだろうか?」と疑問を感じていたのだが、こちらの
方法であれば「普通の使い方」なので無理がない。
さて、さっそく実践である。
Tele-Makinar190F4.8 絞り解放
Tele-Makinar190F4.8 絞り解放
Tele-Makinar190F4.8 F=1:8
どうにかピントが合うようになった。
撮影結果を見て思ったのは「190mmという焦点距離を距離計連動で
使うのはしんどい」である。
絞り値はF=1:8以上で使うのが良さそうだ。
続いて撮り鉄である。
マキナIIsのファインダー
テレマキナを使用するためには距離計目盛りの上にあるファインダー
を使用する。
接眼部から覗くとおおよそ上画像のように見える。
=>実際は「遠くの方に#の窓枠がある」ような感じ
#の真ん中の囲い部分がテレマキナの6x9判の範囲である。
=>実感としては「凄く小さい」
正直、ライカやCONTAXの外付けファインダーのようにすれば良い
のになんで?という気持ちになる。
=>もっとも、同年代のContaxI型(Ver.7は1935年)の「望遠用の枠」
を考えればまあまあ良心的と言えるのかもしれないが・・・
■ContaxI型の望遠用枠の使用テスト
(わざわざトリオターF4を買って試している自分がアホ)
このファインダーで撮り鉄をするとどうなるか?
初回は当然のようにこうなる
あれこれ反省して2回目の撮影
当然のように1回目は失敗である。
クラカメを使う場合、「初手から成功」はどうせしないので
落ち込んでも仕方がない。
あれこれ考えて臨んだのが2コマ目である。
まあまあの結果にはなったものの、正面のピンが甘い(笑)
結局のところ「こうやってあれこれ工夫する遊び」なのである。
注意!
ここに記載されていることは「私の個人的経験」です。
参考にされてもいいですが、正解である保証はありません。
進捗状況によっては、内容を変更する場合もあります。
参考文献
クラシックカメラ専科 No1 (株)朝日ソノラマ 発行
クラシックカメラ専科 No2 名機105の使い方 (株)朝日ソノラマ 発行
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