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2023年5月

2023.05.28

ゴムベルト式ターンテーブル動力装置(1)

ターンテーブルの悩みは続く(なぜ?)
私が幼児だったころ(遠い目)父は秋葉原でパーツを買ってきて
オープンリールデッキを自作していた。
父は「ゴムベルト駆動って面白いんだぞ」とあれこれ子供の
私に語りつつ工作をしていた。
オーディオ=自作(というかカスタムというか)の時代だった。
私は電気関係に興味は行かず、もっぱら工作の方に興味が行った
のだが、ゴムベルト駆動についてはまったく忘れていた。
それがふと思いついたのである。
オープンリールデッキやレコードプレイヤーで使えるなら
ターンテーブルでも行けるのではないか!
 
Gomu1_20230528
秋葉原でパーツを購入
思いついたので久々に秋葉原に行ってパーツを買ってきた。
ゴムベルトやプーリーというものは現代の秋葉原では置いている
店が少なくて種類もそれほど多くはない。
とりあえず主桁側を50φ/35φにして、モータ側を小径のプーリーに
して作ってみたものが上のものである。
テストの結果、ゴムベルト式は減速が意外によく効くのでモータは
ギアードモータでなくても良さそう?ということが判った。
(それだけでも収穫か?)
 
Gomu6_20230529
ゴムベルトの長さ調整(失敗)
昔の経験で「ゴムベルトを加熱して繋ぐ」方法での長さ調整を試みたが
このゴムベルトは硬いうえにちょっとくらい加熱してもビクともしない。
さらに過熱すると炭化して燃焼・・・
溶剤もあれこれ試したがまったく溶けず。
ある意味「とっても頑丈」でいいのだが、長さ調整が出来ないとなると
製品そのままで引っ張り方で大きさを調整しなくてはいけない。
(このことが動力装置の構造にかなり影響してくる)
 
Gomu2_20230528
モータ部分を変更
ギアードモータ=>キドマイティに変更し、取付位置もベース部の
プーリー側に移動した。
50φでは直接ベルトをかけ、35φではアイドラーのプーリーを入れて
使うようにしてある。
テスト結果としてはこれで十分減速出来ることを確認した。
 
Gomu3_20230528
プーリーにカム/マイクロスイッチを付ける
減速の具合はいいので、次はSTOPさせるしくみである。
プーリーにリングを付けてノッチを入れ、マイクロスイッチでoffに
して止める方法である。
スイッチの誤作動を防ぐために軸に補強を入れてテストした結果は
良好であった。
ところで、前回のターンテーブル上面(ピットと主桁)のときに
主桁を固定する方法が欲しい、というようなことを書いた。
ゴムベルト式は実は「テンションをかけて軸を引っ張っている」ので
案外良い具合に位置固定が出来る。
この辺りは父がオープンリールデッキ自作をしているときによく聞いた
話だったが、なるほどその通りなんだと思った。
 
Gomu4_20230528
モータ側の構造を簡単にする
ゴムベルト式はなんとなく行けそうな気がするものの、問題はモータ側の
しくみというか厚みが大きいことである。
それで思い出したのが8の字にベルトをかける方法である。
秋葉原でさらにプーリーと短いゴムベルトを購入してやってみた。
結果は「捻じれて外れてしまう」
このプーリーでは幅が無くてダメなようである。
 
Gomu5_20230528
ゴムベルト外れ解決方法
あれこれ試行錯誤した結果、このゴムベルトは硬くて8の字にすると
プーリーの引っ張る側の上辺までベルトが行ってしまうことが判った。
それではどうするか?
思いついたのが「モータ側プーリーを35φより長くする」である。
長い軸のようなプーリーを作り、協育歯車のギアを3枚も!使って
作ったのが上のものである。
なんとも単純な作りであるが笑ってしまうくらいにちゃんと動く。
ついでに35φプーリーの軸にはスペーサを使って補強を入れた。
 
Gomu6_20230528
動力装置の厚みは15mmくらい
ウチで作成するレイアウトは台枠高が30mmなので、ターンテーブルの
厚みは20mm(ピット深さ含む)にしたい。
動力部は15mmくらいに収まっている。
 
Gomu26_20230602
8の字型動力の小型化を試す
このタイプをなんとか小型化出来ないか?
アイドラーのプーリーを2個作って引っ張ってみると、モータ側の
プーリーとターンテーブル側のプーリーとの距離は縮んだものの
ゴムベルトがより蛇行(モータ側)しやすくなった。
あれこれ試した結果、8の字がけは「ベルトを長く使う構造」で
ないと難しいことが判った。
 
トラバーサは既に作成したので、ターンテーブルも技術的に克服したい。
「出来ないことを克服する」のは大事である。
同じことを繰り返していては面白くない。
 
注意!
ここに記載されていることは「私の個人的経験」です。
参考にされてもいいですが、正解である保証はありません。
進捗状況によっては、内容を変更する場合もあります。

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2023.05.15

ターンテーブルのピットと主桁を作る

ターンテーブルの工作は続く。
正直、動力部の試作は「今イチだな」とは思うのだが、
本来の動作部分(ピットと主桁)の仕様を決めないと
動力の方式にも影響があるので、そちらに着手する。
 
Turn1_20230515
ピットと主桁の図面を描いて制作していく
クラッチ式ターンテーブル動力はピット面(のようなもの)が
ついているので、それを改造して使うことにした。
・ピット面径は64mm
・レール通電用接点は絶縁とハンダ付けの都合もあるので
 多めに取って78mm径とする
・主桁は長さ60mm/幅20mm
 
Turn2_20230515
主桁台座をストッパ兼用にする
主桁を安定させるために台座を40mm径にした。
それで気が付いたのが「どうせならクラッチ式のストッパ兼用に」
180度回転側を5mm小さくしてストッパ兼用にした。
こういうことも「やってみて気が付くポイント」ではある。
 
Turn4_20230515
レール通電用の接点
接点式ターンテーブル動力のときに作成したピンが良い感じだった
ので、それを応用してレール通電部のピンにすることにした。
ピンは虫ピンを長めにカット(カット用治具作成)してバネは
K&Dのものを使用、上側を1-0.8パイプをロックタイトで
固定して抜けないようにしてある。
通電テストの結果は良好であった。
 
Turn3_20230515
主桁のレール取付部
レール取付部は主桁(下面)上の2x2角パイプを貼り、その上にもう一枚
板を貼ることにした。
横から見ると「一応チャンネル材に見える」ようにしてある。
この作りは今イチなのでいずれもっと良い方法を考えたい。
 
Turn5_20230515
ターンテーブル取付板
ターンテーブル本体は使えるようになったので、レール敷設用の
取付板を作る。
設計図通りに64φにしたところ主桁の角が当ることが発覚。
(典型的設計ミス)
結局、66φで作り直すことになった。
 
Turn6_20230515
レールを敷設してテスト
なんだかんだでようやく使えるようになった。
使用テストの結果は以下の通り。
・旋回/停止についてはそれなりに良い。
 =>ただしレールの固定については「ストッパ構造が欲しい」と
  思うことは多かった
・主桁上レールへの通電は良好
 =>通電接点が片方のため「どの方向のレールの通電か」を
  選択するのは意外に手間であった。
・上画像からも判るが、ターンテーブルは「使用するとなると
 意外にスペースを取る」ことを実感した。
 =>主桁60mmでも単純な線路配置にすると30cmは必要になる
 =>省スペース活用するためには工夫が必要
 
Turn7_20230515
実際に動かして得た「教訓」
ターンテーブル使用のテストで興味深いことがあった。
クラッチ式動力を何度も使用しているうちになぜか動かなく
なってしまった。
なんで?と確認していくとギアードモータ自体が動作しなく
なっていることが判った。
仕方なく分解することになるのだが、クラッチ部(元は液体
クラッチ)と分離できるようにしてあったので脱着して
整備することが可能であった。
クラッチ式では接続/切断を「力をかけて行う」ので、ギア
ヘッドとモータ固定部分が緩むことも判った。
こういう「実使用時の整備問題」のようなことは、実際に
使ってみないと判らない。
 
動力や設備については「実際に作って運用してみる」ことの
重要さを改めて認識することとなった。
 
注意!
ここに記載されていることは「私の個人的経験」です。
参考にされてもいいですが、正解である保証はありません。
進捗状況によっては、内容を変更する場合もあります。

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2023.05.05

接点式ターンテーブルの試作

色々とあって模型工作を1ケ月以上やっていなかった(遠い目)
このままではニンゲンがダメになるので再始動する。
どうせなら!ということで長年の悩み「ターンテーブル」の
試作を行う。
Turna1_20230505
テーブル上部(ピット面)に絶縁ピンを打つ
以前、液体クラッチ装置応用から発展した「クラッチ式」を
試作した。
この方式を検討したのは「小型レイアウトに制御盤なしで使用可能」
な小型ターンテーブルを作りたかったのが目的であった。
結果的には「それなり」であった。
その後も「違う方式があるかも?」と考えていた。
偶然思いついたのが「ピット面に絶縁ピンを打ってそこで止める」
という方式である。
良いか悪いか?はやってみないと判らないので試作する。
スペックは以下の通り。
・主桁サイズは60mm
 =>乗工社コッペル(Cタンク)が載る長さ
・絶縁ピンは45度単位に配置、回転は180度とした。
・動力部はギアードモータ(134:1)+20:1のウォーム
 
Turna2_20230505
動力部を作る
ウォームギアはギアードモータ直入れにする?と思ったが
軸ブレする可能性があるので台座一体にして間にチューブを
緩衝材として入れたタイプを作成した。
主桁はとりあえずテスト用に簡易タイプである。
 
Turna4_20230505
主桁(簡易版)でテスト
まずは簡易仕様でテストを行った。
気が付いた点
(1)一応絶縁ピン位置で止まるが動作が不安定
 =>主桁がグラつく(上画像)ため接触が不安定で絶縁ピンに
  うまく当たらない(止まらない)ことがある
(2)接点ピンは1.4φ/1.0φ(ネジor洋白線)で作成したが
 プラ板に開けた穴を通すとスムーズに動かない
(3)ピット面の絶縁ピン位置精度が低い
 =>そもそも28mmにするのを30mmに間違えている
  (典型的作業ミス(怒))
(4)180度以上回転させてしまうと「常時通電」になり、
 段差があるので戻せなくなる(典型的設計ミス)
 
とりあえず主桁中心に改善する。
 
Turna5_20230505
主桁の改善(1)
改善ポイント
(1)主桁のガタを無くす
 =>台座を30φ円盤を入れる
(2)接点の改善
 ・プラ板に1.0-0.8パイプを入れる
 ・ピンを虫ピンで作成(頭が丸くピンが硬いので滑りがいい)
結果、動きがスムーズになった。
 
Turna6_20230505
主桁の改善(2)
テスト(2度目)の経験を元に主桁をさらに改善
・台座を円盤+t1.5カプラー台で作成
・主桁本体は2.0φネジで脱着を容易にした
・主桁を60=>64mmに伸ばす(ピット面ピン位置ミスによる)
・ピット面は180度より先は絶縁にして回転を抑止
主桁の脱着を容易にすることは「レイアウトに設置後のメンテ」を
容易にするために必要な構造である。
 
Turna7_20230505
2タイプ試作試作した結果の考察
クラッチ式と接点式を試作した結果を考察する。
(1)クラッチ式は動作は「単純にパワーパック」で済む。
 接点式は絶縁ピン位置から動かすためのスイッチが必要になる。
 =>多少構造が複雑
(2)接点式はピット面に回転動作用の接点があるため、主桁上の
 レールへの通電用の接点を付けるスペースが辛い
(3)よ~っく考えるとナロー用ターンテーブルは反転(180度)と
 せいぜいあと1ケ所停止すれば良いのだが、その程度の仕様で
 接点式にするメリットがあまり感じられない。
 (ダメな訳ではないがクラッチ式と比較した場合)
 
色々と教訓はあった。
この経験を元にさらに良いしくみを考えてみよう。
 
注意!
ここに記載されていることは「私の個人的経験」です。
参考にされてもいいですが、正解である保証はありません。
進捗状況によっては、内容を変更する場合もあります。

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