味噌汁軽便レイアウトの制作(7)
今回の味噌汁軽便レイアウトではやってみたいことがあった。
それは「川の表現」である。
川のあるレイアウトは初期の林鉄レイアウトで三角橋を
入れたものを作成したがその後の改造で無くなってしまい、
その後はず~っと制作する余裕が無かった。
クリアウォーター、デブコンのテスト
水素材だけは割と潤沢に購入してあった(遠い目)
あまりに久々に使うので使い方が??になっていたが、
比率2:1で混合して使ってみる。
今回、水の着色に凝りたいので水性顔料を用意してあるので
それが使えるか?の検証も行った。
左:インクタイプ(油性?)
右:水性顔料
結果、デブコン、クリアウォーターとも水性顔料はうまく
攪拌出来ないことが判った。
(注:あくまで私個人の検証結果です)
次なる手は、ディープウォーターを試してみよう。
その前に川底の準備である。
デブコン、クリアウォーターを使ったときの悩みは以下の通り。
・ともかく染み込んでしまい、水嵩がなくなってしまう
・岸や草などに液面が這い上がってしまう
この対策として「水素材が必要な部分だけをシート化する」方法を
試してみることにした。
透明プラシート(セル)で枠を作り、その中に川底を作っていく。
(以降ディープウォーターをDWと称す)
川部分を別パーツ化するのは、他にも「素材硬化時間(24h)でも
他の工作をすることが可能」というメリットもある。
プラシート枠内に砂と石を入れて川底の元を作る。
川底の泥表現のため線香の灰を撒く。
コツは「水の流れを意識して土の濃淡を付ける」である。
逆に岸部分は必要はない。
乾いた岸部分はシート固定後に付けるからである。
(水素材の這い上がり対策)
川底の着色
上のもの:茶色の土っぽい色
=>水流やや多く流されてくる土がある
下のもの:粘土質が多く藻が少しある
=>夏の水温が高く水嵩が少ない川
川底の準備が整ったのでいよいよDWを入れる。
50度のお湯で温める
作業についてはDWの説明書に従う。
=>KATOのHPには使用法のページもある
まずはDWを50度のお湯で10分温める。
何度かテストして判ったのだが加温しないで作業するのと
加温して作業するのでは攪拌の容易さや顔料の攪拌に差が
出ることが判った。
ケミカル製品なので使用法は守った方が良い。
2:1の比率で混合
電子秤を使って素材を混合する。
計量は上画像のように電子秤を使うと便利である。
というか、この秤はこの作業のため購入したのを忘れていた。
主剤:硬化剤を2:1の比率にキッチリ混ぜる。
容器に注いだ後は5分間攪拌する。
ところで、上画像は主剤+硬化剤で14g程度なので
それほど発熱は無かった。
これが25g程度になるとそれなりに発熱がある。
発熱があると泡が出やすくなるなどの注意事項があるので
個人的には「少量使用で何度かに分ける」のが良いと思う。
顔料のテスト(色見本作成)
DWの用意が出来たので顔料のテストを行う。
使用顔料
(1)インクタイプ(青、緑)
=>スカッと用意に混ざる
=>ごく少量で発色が鮮やか
=>当たり前だが「原色」
(2)水性顔料
・波音(海色2種、上画像に入ってない(笑))
・原色タイプ(画像左側の2種)
・ジオラマモデル用の実感処理で使うもの(真ん中3種)
=>DWと相性が良くて綺麗に混ざる
=>ジオラマモデル用の実物っぽい色が使えるのはありがたい
上画像を見ると
・丸く薄いタイプ
・三角で水の厚みの差があるもの
というサンプルを作っている。
これは
・薄い円盤タイプ・水底の色との相性確認用
・三角タイプ:水深でどのくらい発色が違うかのサンプル
という構成になっている。
こういうものを用意しておくと今後の作業で顔料の選択や
使用量、水深を決めるのが楽になる。
ところで、色見本を作っていて気が付いた。
DWに顔料を混ぜると「必ずしも顔料に色のままではない」
ということである。
この現象、先日Eテレの科学系の番組で「ガラスに混合する
金属素材の発色」で説明していた。
=>金属の色だけでなく粒子の形や大きさで色が決まる
まさか模型作りでそれを実感するとは思わなかった(笑)
そういうことからも「色見本は作らないといけない」ことを
改めて実感した。
川底に入れるDWを決める
作成した川底にDW+顔料を入れる。
細い方はやや茶色系、三角の方はやや緑系の顔料を使う。
このとき、顔料は「楊枝の先にちょっと」である。
混合時点で濃くすると後で川の水としては濃すぎることに
なるので控え目にするのが良い。
=>不足であれば後で追加でDWを入れるのが良い
出来た川底
DWの標準硬化時間は24hである。
=>ちなみに完全硬化は48h
とりあえず24hで硬化したものの枠を外して固定する。
川岸の「水がない岸」を付けるために角をちょっと落として
接着する。
メディウムジェルで小波を付ける
DWの硬化が完了したところでメディウムジェルで水面に
小波を付ける。
波の付け方は筆で塗るよりテッシュで叩きつけるように
ピシャッ!と付けていくのが良いことが判った。
川岸を仕上げ
乾いた?川岸を石垣との間につけて完成である。
眺めてみるとまあまあいい感じか?
もう片方の川も出来た
残りの角の川は水が不足したので2度目のDWを流したので
1日遅れで完成。
川岸を付けたところで人形と車両を置いて眺めてみる。
水素材の使いこなしについては、これからも継続的に研究して
みよう(池、湖面、海なども作るかもしれないので)
これで地面+植生(樹木除く)は一応出来上がった。
次はストラクチャの整備をするか?
注意!
ここに記載されていることは「私の個人的経験」です。
参考にされてもいいですが、正解である保証はありません。
進捗状況によっては、内容を変更する場合もあります。
参考文献
レイアウト全書 (株)機芸出版社 発行
レイアウトモデリング (株)機芸出版社 発行
ナローゲージモデリング (株)機芸出版社 発行
ナローゲージブック1 (株)機芸出版社 発行
ナローゲージブック2 (株)機芸出版社 発行
ジオラマテクニックバイブル 瀬川たかし著 成美堂出版
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