オリンパスM-1
「国産初期一眼レフシリーズ」の締めくくりはこのカメラ。

オリンパスM-1は前出のFTLと同じ1972年7月に発売になった。
え?その年代で「国産初期一眼レフ?」という気もしないではない。
というのは、国産初期一眼レフは最後発のコニカであっても
1960年だからである。
オリンパスは諸般の事情があるにしろかなり遅いことになる。
朝カメのカメラ診断室の記事では「この時代にcds受光子の
TTL方式のフォーカルプレーンシャッター機に目新しさはない」
とまで書かれている。
確かに、この前年の1971年にはアサペンから自動露出のESが
発売になっており、電子化が進行していく状況にあった。
私がこのカメラを所有しているのには「珍しく思い出話」が
関係している。
私の高校時代の写真友人の中にオリンパスを使っている人がいた。
機材はOM-1とOM-2でモードラ装備だった。
私の興味は「ダイレクト測光のOM-2」でその友人もOMの先進性
の話をしていたのだが、話の最後に「これがね・・・」と出して
来るのがM-1だった。
話は「OMの最初のカメラで」で始まり「ライカから名称変更を
求められた」で終わるストーリーである(笑)
え?そんなこと??と思われそうだが、カメラ少年には「歴史」
が結構響くのである(遠い目)
私はその後OM10を買ったりしたが、そのときにM-1を買って
なんとなくそのストーリーに乗っかってしまった。
現在所有のものは、ず~っと時代は下ってOM-3(中古)を
新品最後の販売になったMacro50F2のために購入したのだが、
またしても「どうせなら始祖を」と買ったものである(遠い目)
それから20年以上経過して「どうせなら国産初期一眼レフの
締めくくりにしよう」とオーバーホールに出したのである。
思い出話はともかくとして、カメラドクターの記事に出て来る
小型・軽量化の努力である。

比較には調度良い兄弟機
カメラドクター記事によると、シャッター幕はリボン式ではなくひも式
にしてペンタプリズム下面を凸にしてコンデンサレンズを省略する
ことでボディ部の高さを低くしている、と説明されている。
その効果は?と比較対象を探したら異母兄弟のFTLがあった(笑)
比較すると上画像の通り確かに低い。
シャッター幕をリボンではなくひもにする、は内部構造に詳しいマニア
は判るのだが、実はとっても手間な方式である。
=>リボンは重ねて巻けるがひもは”からまないように巻き取る”
ように組むので結構面倒
OM以外ではフランスのFOCA、アサペンのLXなどで採用されている。

ペンタプリズムの努力
ペンタプリズム下部分を凸に切削するのもかなり大変である。
そういえばライカフレックスもその方式なのだが、ボディは別に
小さくないのになんで?(技術力を見せるため?)
その努力がどのくらい効果があるか?の例が上画像。
小さい一眼レフと言えばアルパレフ(笑)で、シャッター幕は
リボン式ながらM-1よりボディは低い。
=>そのために内部構造は凄いことになっているが・・・
プリズマレフはそのボディにペンタプリズムを乗せたもので、
コンデンサレンズは普通に使われている。
その結果が上画像で「ペンタプリズムとは大きなもの」なので
ある。
オリンパスの涙ぐましい努力をしみじみと実感出来る。

Zuiko Macro50F2 F=1:5,6

Zuiko50F1.4 絞り開放

Zuiko135F3.5 F=1:5,6
「国産初期一眼レフ」の締めくくりをして、なにかとっても
やりきった気持ちになった。
そろそろ模型の活動に入ろう。
注意!
ここに記載されていることは「私の個人的経験」です。
参考にされてもいいですが、正解である保証はありません。
進捗状況によっては、内容を変更する場合もあります。
参考文献:
クラシックカメラ専科No.9 35mm一眼レフカメラ 朝日ソノラマ 発行
クラシックカメラ専科No.20 オリンパスのすべて 朝日ソノラマ 発行
アサヒカメラ 最新カメラ診断室 復刻版(1) 朝日ソノラマ 発行
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