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2025年5月

2025.05.26

オリンパスM-1

「国産初期一眼レフシリーズ」の締めくくりはこのカメラ。
 
M1120250526
オリンパスM-1は前出のFTLと同じ1972年7月に発売になった。
え?その年代で「国産初期一眼レフ?」という気もしないではない。
というのは、国産初期一眼レフは最後発のコニカであっても
1960年だからである。
オリンパスは諸般の事情があるにしろかなり遅いことになる。
朝カメのカメラ診断室の記事では「この時代にcds受光子の
TTL方式のフォーカルプレーンシャッター機に目新しさはない」
とまで書かれている。
確かに、この前年の1971年にはアサペンから自動露出のESが
発売になっており、電子化が進行していく状況にあった。
私がこのカメラを所有しているのには「珍しく思い出話」が
関係している。
私の高校時代の写真友人の中にオリンパスを使っている人がいた。
機材はOM-1とOM-2でモードラ装備だった。
私の興味は「ダイレクト測光のOM-2」でその友人もOMの先進性
の話をしていたのだが、話の最後に「これがね・・・」と出して
来るのがM-1だった。
話は「OMの最初のカメラで」で始まり「ライカから名称変更を
求められた」で終わるストーリーである(笑)
え?そんなこと??と思われそうだが、カメラ少年には「歴史」
が結構響くのである(遠い目)
私はその後OM10を買ったりしたが、そのときにM-1を買って
なんとなくそのストーリーに乗っかってしまった。
現在所有のものは、ず~っと時代は下ってOM-3(中古)を
新品最後の販売になったMacro50F2のために購入したのだが、
またしても「どうせなら始祖を」と買ったものである(遠い目)
それから20年以上経過して「どうせなら国産初期一眼レフの
締めくくりにしよう」とオーバーホールに出したのである。
 
思い出話はともかくとして、カメラドクターの記事に出て来る
小型・軽量化の努力である。
 
M1220250526
比較には調度良い兄弟機
カメラドクター記事によると、シャッター幕はリボン式ではなくひも式
にしてペンタプリズム下面を凸にしてコンデンサレンズを省略する
ことでボディ部の高さを低くしている、と説明されている。
その効果は?と比較対象を探したら異母兄弟のFTLがあった(笑)
比較すると上画像の通り確かに低い。
シャッター幕をリボンではなくひもにする、は内部構造に詳しいマニア
は判るのだが、実はとっても手間な方式である。
=>リボンは重ねて巻けるがひもは”からまないように巻き取る”
  ように組むので結構面倒
OM以外ではフランスのFOCA、アサペンのLXなどで採用されている。
 
M1320250526
ペンタプリズムの努力
ペンタプリズム下部分を凸に切削するのもかなり大変である。
そういえばライカフレックスもその方式なのだが、ボディは別に
小さくないのになんで?(技術力を見せるため?)
その努力がどのくらい効果があるか?の例が上画像。
小さい一眼レフと言えばアルパレフ(笑)で、シャッター幕は
リボン式ながらM-1よりボディは低い。
=>そのために内部構造は凄いことになっているが・・・
プリズマレフはそのボディにペンタプリズムを乗せたもので、
コンデンサレンズは普通に使われている。
その結果が上画像で「ペンタプリズムとは大きなもの」なので
ある。
オリンパスの涙ぐましい努力をしみじみと実感出来る。
 
M1420250526
Zuiko Macro50F2 F=1:5,6
 
M1520250526
Zuiko50F1.4 絞り開放
 
M1620250526
Zuiko135F3.5 F=1:5,6
 
「国産初期一眼レフ」の締めくくりをして、なにかとっても
やりきった気持ちになった。
そろそろ模型の活動に入ろう。
 
注意!
ここに記載されていることは「私の個人的経験」です。
参考にされてもいいですが、正解である保証はありません。
進捗状況によっては、内容を変更する場合もあります。
参考文献:
クラシックカメラ専科No.9 35mm一眼レフカメラ 朝日ソノラマ 発行
クラシックカメラ専科No.20 オリンパスのすべて 朝日ソノラマ 発行
アサヒカメラ 最新カメラ診断室 復刻版(1) 朝日ソノラマ 発行

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2025.05.19

コニカF-NEXアダプタの製作

桜=>ツツジ=>バラと撮影してそろそろ梅雨の気配?
今年は稼働率の低いカメラ活用=>国産初期一眼レフと
すっかり「クラカメマニア」である(なにを今さら)
そう書くと「銀塩至上主義」と思われそうだが、私は早い時期に
デジカメ撮影に切り替えている。
それが銀塩撮影が続くというのは「要するに”一周回った”」
という感じなのだろうか?
それはともかく、デジ一眼を使うとなると必要なものがある。
そう! マウントアダプタである!
(注:あくまで個人の嗜好です)
 
Koni120250519
コニカFマウントレンズをデジタルで使う
いつの間にか広角~中望遠まで3本揃ってしまった。
1960年のレンズにしてはカラーの発色が良くて「デジカメでも
使いたい」となるのは普通の流れである(そうか?)
どうにかならないか?と考えていたら、エクトラ-NEXアダプタ
にパーマセル固定すると撮影出来ることが分かった。
それならば! と素材用に買ってM42マウント部はアルパレフの
アダプタで使ってしまった残りのマウント部をその長さに
カットして使ってみた。
糸ノコの歯を5本も折って「アホだな」と思ったが、撮影は
これで可能になった。
ここまで来たら「本格的にアダプタにしよう」と決心。
 
Koni220250519
口金を作る
コニカFマウントは「M42の口径になったエキザクタマウント」
のような感じである。
見た目のマウント面から6mmくらい下にバヨネットがある。
t0.6真鍮板を切り抜いてバヨネット部を作り、5mmの帯板で
筒状にしてカットしたNEXマウントに押し込むことにした。
これで「パーマセル固定」という頼りない状況は脱出した。
 
Koni620250519
不思議なロック部分と自動絞り
コニカFマウントは不思議な構造をしていて、レンズロックが
「取ってつけたような構造」で、自動絞りは「人玉型が回転」
することで動作するようになっている。
このなんとも「頼りない構造」を付けないとマウントアダプタと
して使うことが出来ない。
さて、どうしたものか?
 
Koni320250519
まずはロック部分
なんとも華奢なロックをどうやって作るか?
2日ほど考えた結果、t0.25リン青銅板(集電ブラシ用)を
8mm幅でカットしてヒンジとして使うことにした。
ロック部はt0.6真鍮板の2枚重ねである。
それにしても「ネジだらけの構造」であるところに悩みに
悩んだ形跡が見て取れる(笑)
 
Koni420250519
絞り開放レバー
コニカFマウントには「幻のコニカF-ARアダプタ」がある。
私は現物を見たことはなく、ネット上で見たことがあるだけの
「幻のアダプタ」である。
その画像を見ると「外側になにか形の大きなレバー?」がある
ように見えた。
これも2日ほど悩んで作ったのが上画像のものである。
先が尖ったレバーをくるんと回して使う。
 
Koni520250519
絞りレバーを回転させたところ
レバーを回転させてレンズ側の絞り込みレバーを回すと
こんな感じである。
当初のマウントアダプタのレバーはt0.6のペラペラの板
だったが、うっかり回しすぎると裏返ってマウント面に入り込んで
レンズ側のレバーを破損させる可能性があるので、回転ストッパ
兼カバーを付ける改良を行っている。
この辺りの知恵は「デジカメ+マウントアダプタを長年使用した」
経験である(遠い目)
なんだかんだで「悩んだ時間が長かった」がようやくちゃんとした
コニカF-NEXアダプタが完成した(凄く遠い目)
 
Koni720250519
HEXANON52F1.8 絞り開放
 
Koni920250519
HEXANON100F2.8 絞り開放
 
Koni820250519
HEXANON35F2.8 絞り開放
さっそく完成したアダプタ+α7cIIで撮影してみた。
感想は「寄れないレンズだなぁ」
標準レンズが最近接60cmであるのもかなり不満なのに、なんと!
広角の35mmまで60cmなのである!(絶望)
発色は良いしシャープな描写なのに「寄れない」のはなんとも
悲しい。
 
なんだかんだで「金属工作が多かった」ような気がする。
そろそろ鉄道模型作りないなぁ(そこか)
 
注意!
ここに記載されていることは「私の個人的経験」です。
参考にされてもいいですが、正解である保証はありません。
進捗状況によっては、内容を変更する場合もあります。
参考文献:
クラシックカメラ専科No.9 35mm一眼レフカメラ 朝日ソノラマ 発行

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2025.05.13

アルパレフレックス-EXアダプタ

一度検討すると「なかなか諦めない」のが私の取柄?
 
Alr120250513
Exのマウント座金
前回の話
本来はExマウントで検討していたのだが、工作の過程でM42の
座金が出てきたのでアルパレフ-M42アダプタになった。
それでいいじゃないか!と考えるのが普通なのだが、出来ると
確認してしまうと簡単には諦められない。
そんなとき、部品取り用のエキザクタのボディを持っている
ことを思い出した。
発掘してしまうと「やはりやらないといけない」
 
Alr220250513
作り方は基本は同じ
さっそくアルパレフのレンズ側の座金を作成する。
2回目となると悩みなく進むので1晩で出来た(笑)
Exの方がM42版より薄い?という予想なのでベース面は
t0.8=>t0.6に変更してある。
 
Alr320250513
スペーサーはまたエコーのカプラー台
Exマウントのロックレバーは90度下側にしてある。
それは取り付けネジ(アルパレフマウント側のえぐりを避ける)の
問題とボディ側のロックボタンと干渉しないためである。
スペーサーは前回同様にエコーのカプラー台(3mm)である。
 
Alr420250513
確認の結果、スペーサーを作る
90mmレンズで確認すると+1mmオーバーインフであった。
真鍮角パイプ4x4を加工してスペーサーを作成した。
 
Alr520250513
アダプタが3種塁出来た
・M27アダプタ:アサヒフレックスのレンズ
・M42アダプタ:M42のレンズ全般
・Exアダプタ:エキザクタのレンズ全般
当初は純正レンズ2種類しかなかったものが一気にシステム化
されてしまった(遠い目)
 
Alr620250513
アダプタがあると可能になること
エキザクタレンズが使用可能になったので撮影を行う。
普通であれば単独使用なのだがM42アダプタもあるので
他のボディのシステムも共有可能である。
 
アルパレフレックスはボルスキー氏設計のボルカIが元に
なっておりそれは1939年である。
その後、若干の変更があって1942年に製品化された。
当時は既にプラクチカやエキザクタという「一般的な一眼レフ」
が存在していたが、アルパレフレックスは「レンジファインダ機に
レフボックスを押し込んだ」ような形である。
私はこのカメラを何年も使用しているが評価は「純正の標準レンズ
だけ使うのならばレンジファインダ機が便利」である。
(事実、そういう機種もある)
小さいウェストレベルファインダーをルーペを出してピン合わせ
するのはなんとも辛い。
このカメラの使用では過去に浮き沈みがあった(遠い目)
壊れてみたり、なぜか復活したりと「人生そのもの」である(笑)
懲りない性格なので「アダプタ完成記念」で復活である。 
 
Alr720250513
Tessar50F2.8(Ex) 絞り開放
アルパレフは「長いバネで引き下げられているミラーを指力で
押し上げるレリーズ」である。
同じタイプでもプリズマレフはバネが柔らかいものになっている
のだが、こちらは凄く硬いバネである。
そのため「カメラをぶれさせずに強力な指力で押し下げる」鍛錬が
必要である(遠い目)
そのため、撮影開始初期段階では上画像のようにカメラがちょっと
上を向いてしまったりすることがある(ち~ん)
 
Alr820250513
Angeniux135F3.5(Ex) F=1:5,6
先に書いたように重くて深いレリーズを指力で押し下げるので
長玉は手ブレでダメか?と思ったのだが、実際は上画像の通りである。
重くて長いレンズをしっかりグリップして撮影するからだろうか?
 
Alr920250513_20250513201901
FLEKTOGON35F2.4(M42) 絞り開放
レグラ2000CTL用のレンズをちょっと借用(笑)
接写も出来るこのレンズ、絞り開放だと後ボケはちょっと暴れる
タイプだったのか・・・(すっかり忘れていた)
 
Alr1020250513
Angeniux135F3.5(Ex) F=1:5,6
こちらも手ブレ無しで成功!・・・と思たら線路柵が入り込んで
しまった(無念)
極めて小さいウェストレベルファインダ(かなり原始的)なので
視野率が低くいからなのだろうか?(なにを今さら)
 
Alr1120250513
Travenar135F3.5(M42) F=1:5,6
こちらもレグラ2000CTL用のレンズをちょっと借用。
絞りをマニュアルで使用すると微妙に露出オーバー気味に
なることがあるが今回は成功?
レリーズの重さからちょっと傾いているのが惜しい。
 
そして・・・来るべきものが来てしまった(さらに遠い目)
 
Alr1220250513
前凹Ultron50F2 F=1:2.8
フィルムが数コマ残っているので前凹ウルトロン(M42)と
Auto-Quinaron35F3.5でバラを撮影した。
ネガをスキャンすると・・・
以前の撮影でもあった「後幕追いつき」である。
 
Alr1320250513
ダメだったネガを連続スキャンしてみた。
ああ、ここで力尽きてしまったのか・・・(絶句)
それにしても暗闇の出来方が微妙で、これはこれで面白い?
 
Alr1420250513
SOM BERTHIOT50F3.5 絞り開放
最後に成功したコマはソンベルのレンズだった。
この「ファインダが恐ろしく良く見えないレンズ」の撮影を
やりとげて力尽きたのか(凄く遠い目)
以前も幕追いつきで使用出来なくなっていたが、これでまた
しばしの休息期間となるのか(う~む)
 
クラカメを使うというのは「寛大なココロ」と「使いぬく執念」が
必須なのだと教えてくれるアルパレフであった。
 
注意!
ここに記載されていることは「私の個人的経験」です。
参考にされてもいいですが、正解である保証はありません。
進捗状況によっては、内容を変更する場合もあります。
参考文献:
アルパブック 豊田茂雄 著 朝日ソノラマ
アルパカメラ大図鑑 豊田茂雄 著 (株)グリーンアロー出版社
クラシックカメラ専科 No.9 35mm一眼レフカメラ 朝日ソノラマ発行

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2025.05.12

レグラフレックス2000CTL

そろそろ模型工作をしたいのにカメラねたが尽きない。
 
Reg520250512
謎のカメラ 
ウチにはかなり前から謎のカメラがある。
それがこのレグラフレックス2000CTLである。
1987年のクラシックカメラ専科No.9 35mm一眼レフカメラに
OEM版を含めて2つの記事が記載されており、チョートクさんの
記述によると・・・
(1)ドイツでごく短期間に販売された
(2)OEM版でバリエーションがいくつかある
(3)結構珍しいもので入手が難しい
(4)ハイスペックで作りが良いが製造メーカーなどの詳細不明
なんともミステリアスなのである。
謎すぎてうんちくが語れないのでディテールを確認する。
 
Reg620250512
上から見たところ
このカメラはM42の機械式カメラなのだが、驚きのスペック!
・1/2000がある
・布幕横走りシャッターでシンクロが1/125
 =>なんと横走りシャッター最速!
正体不明・製造メーカー不明でこの高性能は驚きである。
 
Reg720250512
フィルムカウンタが見にくい
先の画像で「フィルムカウンタがない」と思われるのだが
アイピースの横の小さい窓がカウンタである。
とっても見にくくてパッと判らずに戸惑う。
 
Reg820250512
ホクトレンダーのウルトラマチックに似てる?
チョートクさんは「デザインがライカフレックスに似ている?」と
表現していたが私は「ウルトラマチックCSそっくり?」と思った。
並べてみるとなんとなく似ている?のと巻き上げレバーの位置が
同じだったりするのだが関連性は判らない。
(どこまでも謎のカメラ)
 
私は友人から譲ってもらったのだが、M42でハイスペックなこの
カメラを使おう使おうと思って・・・10年以上経過(ち~ん)
こりゃいかん!ということでやっと使用することにした。
 
Reg120250512
カッサロン50F2.8 F=1:5,6
このカメラの標準レンズはOEM先によりバリエーションがある
らしいが、私のものにはこのレンズが付いていた。
チョートクさんの記事にも「この時代に前玉回転式?」とある
ように前玉回転式で小型軽量なのだが、どうもピンが甘いようで
この画像でも中央のピンが甘い?
 
Reg220250512
クルタゴン28F4 絞り開放
1/2000が使えるカメラなので楽勝で絞り開放!
それはいいのだが、このカメラのファインダは「素通しに近い」
もので広角レンズではピン合わせが辛かった。
 
Reg320250512
スコパレックス35F3.4 F=1:4
ここでも1/2000の威力発揮!(そこか)
スコパレックスはカチッとファインダで視認出来たのでピンがいい。
 
Reg420250512
リサゴン35F3.5 絞り開放
やはり1/2000の威力で勝負!(もういいから)
プリセット絞りのちょっと古臭い鏡筒のこのレンズ、写りは
カチッとしていて発色もいい。
 
Reg920250512
オートアルパ マクロ50F1.7 F=1:5,6
ALPA Si2000の標準レンズで実はチノン製。
M42でマクロが出来て便利なのだが、写りは割りとサッパリ系
だと思う。 
 
Reg1020250512
トラベナー135F3.5 F=1:5,6
セミオートのこのレンズ、絞りの動作が少し遅いようで
ときどき露出オーバーになる(う~ん)
今回は露出はOKだった。
 
久々に近代的なカメラを使ったような気がする(遠い目)
 
注意!
ここに記載されていることは「私の個人的経験」です。
参考にされてもいいですが、正解である保証はありません。
進捗状況によっては、内容を変更する場合もあります。
参考文献:
クラシックカメラ専科No.9 35mm一眼レフカメラ 朝日ソノラマ 発行

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2025.05.06

アルパレフレックス-M42アダプタ

稼働率の低いカメラとレンズの活用は続く。
 
Alpar120250506
アルパレフレックスシリーズの活用
ウチにはアルパレフレックスとプリズマレフレックスがある。
驚いたことに両方ともちゃんと動いている(笑)
そうなると「なんとか活用したい」と思うのだが、純正レンズは
アンジェニュー50F2.9とオールドデルフト50F2.8しかない。
(十分では?という説もあり)
これまでにもあれこれ活用方法を試みてきた。
=>プロクサーレンズなど
=>アサヒフレックスのM27レンズアダプタ(上画像)
アルパといえばマクロスイターというくらい接写が得意!の
イメージなのだが、アルパレフはプロクサーレンズを使っても
最近接1mからちょっと寄れるようになるだけである(遠い目)
しかも「ファインダが良く見えない」ので老眼には辛い。
注:アルパレフは「どちらかというとレンジファインダー機として
 使うのがメインで場合によって一眼レフというカメラらしい
M27アダプタのおかげでアサヒフレックスの接写リングが
使えるので、これで接写は可能になった。
それはいいのだがタクマー50F3.5という暗いレンズをこの古い
カメラのファインダで使うには自分は老眼過ぎる(絶望)
 
Alpar220250506
ふと思いついてしまった
国産初期一眼レフを使っていてふと思ったことがある。
「ひょっとしたらアルパレフにExマウントレンズが使える?」
試してみるとExレンズの後端部からマウント面まで2mm以上ある。
よし!これはアダプタが作れる!
 
Alpar320250506
得意の真鍮板切り抜き
そろそろブラスモデルを作りたいなぁ、と思っていたので、
さっそくt0.8の真鍮板を糸ノコでカットしていく。
(模型作れよ!=>自分)
アルパレフは標準レンズだけで使える距離計連動のアームが
マウント側のくぼみに寄って出たり出さなかったり出来るように
なっている。
マウントアダプタでアームが出ると「ヘタすると破損」するので
出ないようにマウント面をカットするのだが、そこから1mm上が
ロック部だったりして切り抜きが微妙である。
しかもマウントの爪がその上に来たりするので「このマウントは
メーカーは作りにくかっただろうなぁ」と思う。
ボルスキーさんのパテントを製品化するときに、もっと加工しやすい
ように変更すればよかったのに・・・
 
Alpar420250506
とりあえず座金が出来た
切り抜いたマウント部のリングをハンダ付けして、微妙な調整を
しながら組んだ結果、レンズ側の座金が出来た。
t0.8なので先に確認した2mmの幅にはまだ余裕がある!
 
Alpar520250506
結局M42にすることにした
さて、Exマウントをどうやって作るか?
それで気が付いたことがある。
ウチにあるExマウントのレンズは「結構大柄」である。
重いレンズをアダプタ経由でアルミ製のアルパレフのマウントに
装着するのは強度というか摩耗が心配である。
結局、パーツを発掘して部品取り用のM42-NEXアダプタが出て
きたのであっさりM42にしてしまった(妥協)
アルパレフ-M42はチョートクさんの話にも出て来るし、アルパの
本にも「純正品?」らしきものが出ている。
そのためExにしてみようか?と思ったのだが、どうせ純正品を買う
ことは出来ないので「用途が広そう」なのでM42にする。
(人生には「妥協」が必要である(ち~ん))
どうやってスペースを開けて取り付ける?
パーツを物色した結果、エコーモデルのカプラー台(3mm)で
あっさりピンが来た(ラッキー!)
 
Alpar620250506
さっそく装着してみる
アダプタが出来たのでアルパレフに装着してみた。
おお!なんかカッコいい!
純正レンズでは「クラシック機」なのにウルトロンを装着すると
近代的カメラに見えるではないか!(そうか?)
 
Alpar720250506
ということでさっそく撮影
M42アダプタが出来たことで機材が一気に充実した。
接写可能になったタクマー50F3.5とともに、前凹ウルトロン、
トラベナー90F2.8と135F3.5を使用する。
 
Alpar820250506
オールドデルフト50F2.8 F=1:4
まずは純正レンズ。
これで最近接(1m)である。
 
Alpar920250506
タクマー50F3.5 絞り開放
アサヒフレックスのタクマー50F3.5をM27アダプタで使用。
一番薄い接写リングを入れることで50cm~25cmで撮影可能に
なっている。
(無しでは1mなのでささやかな効果ながら嬉しい)
ネガスキャンして思ったのだが、レンズそのものはクリアなのだが
やや露出オーバー傾向とハレーションが出る傾向があった。
上画像の場合はハレ気味なのがむしろ好印象?
 
Alpar1020250506
前凹ウルトロン50F1.8 F=1:2.8
やっと近代的レンズになった(笑)
このレンズを装着してファインダを覗くと「おお!凄く良く見える」
のである。
そんなことに感動してしまう自分が怖い。
 
Alpar1120250506
トラベナー90F2.8 F=1:4
久々に使用したこのレンズでも「プリズマレフのファインダとは
思えないくらいクッキリ見える!」と感動した(そこか)
 
Alpar820250506_20250506210101
トラベナー135F3.5 F=1:5,6
所有しているのをすっかり忘れていたこのレンズに出番が来た!
プリズマレフの「指力でじわじわ上がっていくミラー」で動くものを
撮影するのは結構怖い。
「ミラーが上がりながらでも被写体が動いているのが見える」から
である。
ネガをスキャンして思ったのは「このレンズも微妙にハレーション気味」
であることである。
ひょっとするとプリズマレフの内部反射の影響か?
 
Alpar1220250506
極初期ペンタプリズム一眼軍団
ウチにあるペンタプリズム一眼の始祖3台であるが、プリスマレフが
アダプタ使用ながらM42対応したので「同じ土俵で使える」ように
なった。
ふと気が付いたことがある。
それはContax Dとレクタフレックスが「割と使いやすい」ので
出番が多いのに対して、プリズマレフは「使いにくい」ので
よほど気力・体力が充実しないと出番が無かった。
早田カメラ整備の快調なボディなのに無念な状態が続いていた。
今回のことで「ファインダがよく見えないのはボディ側の問題では
なくてレンズが古いから」なのが判った(なにを今さら)
これからはアルパレフシリーズも出番が増えるかも?(遠い目)
 
今回の教訓は「カメラはレンズで決まる!」なのかも?
 
注意!
ここに記載されていることは「私の個人的経験」です。
参考にされてもいいですが、正解である保証はありません。
進捗状況によっては、内容を変更する場合もあります。
参考文献:
アルパブック 豊田茂雄 著 朝日ソノラマ
アルパカメラ大図鑑 豊田茂雄 著 (株)グリーンアロー出版社

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2025.05.02

オリンパスFTL

国産初期一眼レフを使う!は一段落した(遠い目)
そう思っていたのだが、ココロになぜか引っかかるものがある。
 
Ftl120250502
オリンパス最初の35mm一眼レフ
国産初期一眼レフとともに「稼働率の低い機材を使う」をやっていて
発掘をしていて思い出した。
オリンパスの一眼レフでそれなりに使用するのはOM-3である。
それしか所有していないのか?と言われるとそれは違う。
実はOM-3以前に購入したものがある。
それはM-1とFTLである。
FTLはなんと!20年以上前から所有している。
それなのに・・・なぜか使用した記憶がほぼ無い(呆然)
FTLとはどういうカメラか?
オリンパスがそれまでのハーフカメラ路線から売れ筋の
35mm版移行が必要な状況になった。
しかし、まったく新しいOMシリーズ(当時はM-1)に切り替える
ためにはどんなに急いでも3年は必要である。
しかし、米国販売担当の営業から「すぐ売れる商品が必要」という
当然の要望が上げられる。
そこで「1年でなんとかするべく始めたもの」がFTLである。
急ぎなので(もしくは当時の米国市場の動向?)M42で無難な
システムとして開発したものの、結局は1年で開発~販売はムリで
結局はM-1より若干早いだけの1972年発売となったものである。
その後はOMシリーズが主力となり、FTLはひっそりと・・・という
不幸なカメラである。
現実はそうなのだが、こういう「ちょっと訳あり」のものは
私好みである(そこか)
 
Ftl220250502
OMがかなり挑戦的な構成なのに対して、FTLは横走り布幕シャッターで
特にとんがった構造などは感じられない。
まあ、おかげで「悩まずにすぐ使える」から良いかも?
 
Ftl420250502
スクリューマウントで露出計連動
先進の技術がない?と書いたものの、FTLはスクリューマウントの
カメラでありながら開放測光可能である。
それを実現するためにレンズ/マウント部にノッチとピンがあり、
ぎゅ~っと回していくと締め込み終わりくらいにパチン!と
入って定位置で止まるようになっている。
それを知らずにレンズ脱着するとグキッと止まったり、レンズを
外そうとすると「うっ、はずれない!」とかなり焦ることになる。
この構造はなかなかの知恵?とも思うのだが、このピンをはめ込む
ためにマウントの締め込みはちょっと渋くて戸惑うことがある。
(それは他社M42ボディでもそうなので)
ピンを痛めないように脱着時もあまり力まないようにするなどの
コツが必要である。
ところで、絞り値を伝えるためにリングにピンが打ってある。
基本的にはマウントの外側なのだが、これがなぜかマウント面に
ネジがあるボディではガチッと当たって困るものがある。
私もそうなのだが、それを避けるためにピンを抜いたレンズがある。
オリジナルを崩すのは悲しいのだが、反面「どうせFTLの露出計は
使えないし」と思えば問題はないかも?
(注:あくまで「個人の意見」なのでマネしないように!)
 
Ftl320250502
割りと充実のレンズシステム
ボディだけなら「ちょっと変わったアイテム」で終わってしまう。
このシリーズ、実はレンズが結構充実しているのである。
レンズは28mm~200mmまで6種類もある。
私は35mm~135mmの4本を所有している。
 
Ftl520250502
標準レンズのちょっと良いところ
焦点距離のバリエーションはあるのだが、FTLにはマクロレンズが
ない。
それを補うためなのか標準レンズ(50F1.8、50F1.4)は40cmまで
寄ることが出来る。
マクロとはいえないが、花の撮影などでは割りと便利である。
 
Ftl1120250502
Zuiko50F1.4 F=1:4
 
Ftl1020250502
Zuiko50F1.4 絞り開放
 
Ftl720250502
Zuiko135F3.5 F=1:5,6
 
Ftl820250502
Zuiko50F1.8 絞り開放
 
Ftl920250502
Zuiko135F3.5 F=1:4
 
Sun520250504
久々に異母兄弟が揃った
これまたず~っと所有しているM-1がオーバーホールから戻った。
異母兄弟として生まれたこの両カメラはウチに来ても20年は
いっしょなのだから「仲が良い」のだろう(遠い目)
製品としては機械式のM-1がOM-2になって「ダイレクト測光の時代」
という最先端システムとなって、FTLは忘れられてしまうのだが
こうして仲良くオーバーホールされて令和の時代にまた使われる
のだから幸福なのかもしれない。
 
そんなことを考えるのが銀塩カメラの楽しさかもしれない。
 
注意!
ここに記載されていることは「私の個人的経験」です。
参考にされてもいいですが、正解である保証はありません。
進捗状況によっては、内容を変更する場合もあります。
参考文献:
クラシックカメラ専科No.9 35mm一眼レフカメラ 朝日ソノラマ 発行
クラシックカメラ専科No.20 オリンパスのすべて 朝日ソノラマ 発行

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