オリンパスFTL
国産初期一眼レフを使う!は一段落した(遠い目)
そう思っていたのだが、ココロになぜか引っかかるものがある。

オリンパス最初の35mm一眼レフ
国産初期一眼レフとともに「稼働率の低い機材を使う」をやっていて
発掘をしていて思い出した。
オリンパスの一眼レフでそれなりに使用するのはOM-3である。
それしか所有していないのか?と言われるとそれは違う。
実はOM-3以前に購入したものがある。
それはM-1とFTLである。
FTLはなんと!20年以上前から所有している。
それなのに・・・なぜか使用した記憶がほぼ無い(呆然)
FTLとはどういうカメラか?
オリンパスがそれまでのハーフカメラ路線から売れ筋の
35mm版移行が必要な状況になった。
しかし、まったく新しいOMシリーズ(当時はM-1)に切り替える
ためにはどんなに急いでも3年は必要である。
しかし、米国販売担当の営業から「すぐ売れる商品が必要」という
当然の要望が上げられる。
そこで「1年でなんとかするべく始めたもの」がFTLである。
急ぎなので(もしくは当時の米国市場の動向?)M42で無難な
システムとして開発したものの、結局は1年で開発~販売はムリで
結局はM-1より若干早いだけの1972年発売となったものである。
その後はOMシリーズが主力となり、FTLはひっそりと・・・という
不幸なカメラである。
現実はそうなのだが、こういう「ちょっと訳あり」のものは
私好みである(そこか)

OMがかなり挑戦的な構成なのに対して、FTLは横走り布幕シャッターで
特にとんがった構造などは感じられない。
まあ、おかげで「悩まずにすぐ使える」から良いかも?

スクリューマウントで露出計連動
先進の技術がない?と書いたものの、FTLはスクリューマウントの
カメラでありながら開放測光可能である。
それを実現するためにレンズ/マウント部にノッチとピンがあり、
ぎゅ~っと回していくと締め込み終わりくらいにパチン!と
入って定位置で止まるようになっている。
それを知らずにレンズ脱着するとグキッと止まったり、レンズを
外そうとすると「うっ、はずれない!」とかなり焦ることになる。
この構造はなかなかの知恵?とも思うのだが、このピンをはめ込む
ためにマウントの締め込みはちょっと渋くて戸惑うことがある。
(それは他社M42ボディでもそうなので)
ピンを痛めないように脱着時もあまり力まないようにするなどの
コツが必要である。
ところで、絞り値を伝えるためにリングにピンが打ってある。
基本的にはマウントの外側なのだが、これがなぜかマウント面に
ネジがあるボディではガチッと当たって困るものがある。
私もそうなのだが、それを避けるためにピンを抜いたレンズがある。
オリジナルを崩すのは悲しいのだが、反面「どうせFTLの露出計は
使えないし」と思えば問題はないかも?
(注:あくまで「個人の意見」なのでマネしないように!)

割りと充実のレンズシステム
ボディだけなら「ちょっと変わったアイテム」で終わってしまう。
このシリーズ、実はレンズが結構充実しているのである。
レンズは28mm~200mmまで6種類もある。
私は35mm~135mmの4本を所有している。

標準レンズのちょっと良いところ
焦点距離のバリエーションはあるのだが、FTLにはマクロレンズが
ない。
それを補うためなのか標準レンズ(50F1.8、50F1.4)は40cmまで
寄ることが出来る。
マクロとはいえないが、花の撮影などでは割りと便利である。

Zuiko50F1.4 F=1:4

Zuiko50F1.4 絞り開放

Zuiko135F3.5 F=1:5,6

Zuiko50F1.8 絞り開放

Zuiko135F3.5 F=1:4

久々に異母兄弟が揃った
これまたず~っと所有しているM-1がオーバーホールから戻った。
異母兄弟として生まれたこの両カメラはウチに来ても20年は
いっしょなのだから「仲が良い」のだろう(遠い目)
製品としては機械式のM-1がOM-2になって「ダイレクト測光の時代」
という最先端システムとなって、FTLは忘れられてしまうのだが
こうして仲良くオーバーホールされて令和の時代にまた使われる
のだから幸福なのかもしれない。
そんなことを考えるのが銀塩カメラの楽しさかもしれない。
注意!
ここに記載されていることは「私の個人的経験」です。
参考にされてもいいですが、正解である保証はありません。
進捗状況によっては、内容を変更する場合もあります。
参考文献:
クラシックカメラ専科No.9 35mm一眼レフカメラ 朝日ソノラマ 発行
クラシックカメラ専科No.20 オリンパスのすべて 朝日ソノラマ 発行
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