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2025年6月

2025.06.29

大坂市電1001の制作(2)

前回に続いて「動力編」である。
 
Oosaka120250629
インサイドギアの設計
前回「路面電車の軸距離は17mm or 20mm」というダルマヤ
基準だと思ったらカツミは19mmだった(衝撃)の話をした。
標準化の道はここで挫折・・・と思いながら設計する。
19mmと1mm減ったので「ワンチャン中間は20枚ギアでいける?」と
淡い期待を持ったがダメで24枚になった。
悔しいので(c) 20mmでもギア配置を確認する。
 
Oosaka220250629
24枚ギアをスライス
仕方がないので24枚ギアをスライスする。
協育歯車のモジュール0.5のギアは、18枚以上は薄型になるので
同じ価格でも2枚しかギアが作れない(涙)
 
Oosaka320250629
軸距離19mmのインサイドギア
次はt0.6真鍮板をカット/折り曲げをしてインサイドギアを作る。
軸距離17mmでの教訓を生かしてモータ台も折り曲げで作成した。
 
Oosaka420250629
組み立てて黒染
出来たインサイドギアの動作確認を済ませて黒染する。
この段階で集電ブラシを付けておけば・・・とも思うのだが、
とりあえずR140通過テストを優先する。
(言い訳臭い)
 
Oosaka520250629
枕梁の作成
中間ギアが20=>24枚になることで高さが+2mm高くなった。
枕梁もその分高いものを作成する。
 
Oosaka620250629
左:17mm、右:19mm
出来上がったもののクリアランス比較。
う~む、1mm低くても良かった?
実用上では問題ないのでそのまま進める。
 
Oosaka720250629
床板に取付
ボルスター高さを決めて台車を床板に固定する。
台車も黒染した。
 
Oosaka1020250629
台車のクリアランス
車輪がカツミ純正の8φ=>9.5φに変更してあるが違和感はない。
R140での車体と台車のクリアランスはこんな感じ。
 
Oosaka820250629
R140の通貨テスト
R140カーブ通過は特に問題は発生しなかった。
静音/極低速で走行可能で、ほぼ狙い通りである。
 
Oosaka920250629
意外な問題点発見
走行のスムーズさに喜んだものの「意外な問題」を発見!
レイアウト外に出るためのポイントは、後から区k見込んだため
R140カーブにむりやり組み込んである。
そのため、動力台車側を先頭に入ると脱輪する傾向にある。
大坂市電でも同様の問題があるので非動力台車を先頭にして
走行させるのだが、なんと!軸距離19mmがこのポイントの
フログ(絶縁)とギャップの間隔とピタリと合ってしまい、
停まってしまうのである(が~ん)
え~!こんなことってあるのか!
このポイントはいずれ改修するのだが、こんなところでも
「路面電車は全輪集電が必須」を痛感することになった。
 
注意!
ここに記載されていることは「私の個人的経験」です。
参考にされてもいいですが、正解である保証はありません。
進捗状況によっては、内容を変更する場合もあります。
参考文献
レイアウト全書 (株)機芸出版社 発行
RAILFAN 12月臨時号 車両研究5 鉄道友の会 発行
RAILFAN 12月臨時号 車両研究6 鉄道友の会 発行
世田谷線たまでん時代 宮脇俊三 宮田道一 編著 大正出版 発行
路面電車時代 吉川文夫 著 大正出版 発行

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2025.06.25

大坂市電1001の制作(1)

前回「軸距離も17mmは出来たが20mmはどうするか?」と書いて
しまった・・・(う~ん)
伏線を張ってしまったので、なにかやらんといけない(そうか?)
 
Oosaka120250625
豊富な在庫(罪庫)を発掘
軸距離20mmでなにか良さそうなものはないか?
手持ちの在庫を発掘していると・・・
大昔にオークションで購入?して放置してきた前オーナーが
組みかけにしたカツミの大阪市電1001が出てきた。
大坂市電1001を選んだ理由は「惜しげが無い」だけでなく、
「ポール装着時代がある」という理由もある。
この辺りは「架線集電対応を前提」というウチの事情が出ている。
状態チェックすると・・・確かに「放置したくなる」のに納得。
未着手のキットにする?とも思ったが「ここでこれを放置すると
永遠にそのままになってしまう」のがなんとも気の毒に感じた。
ああ、仕方がないからやるか・・・
 
Oosaka220250625
あれこれ改修
まずは紙やすりとクレンザーで磨く(う~む)
ハブラシでゴシゴシやっているとハンダ付けが甘い部分が外れて
くるので、次は外れたり歪んだ部分を修正してハンダを流す。
それが終わったら鬼のようにキサギである。
これでやっと「触って調査可能」になった(遠い目)
t0.6真鍮板で床板を作り、仮に台車が固定出来るようにした。
よしよし、これで本格的に動かす準備が出来た。 
屋根上ランボードも2ケ所カットしてポール台取り付けの準備も
行っている。
 
Oosaka420250625
床板とアングル材切り抜き
動力装置の構造は決まっているので(笑)床板には最低線の
穴を開けておいた。
車体側のアングル材を切り抜いたが、こういうときは屋根が
外れると楽である。
(この辺りもこの車両を選択した理由)
ダルマヤの動力の場合、この切抜き穴大きいのが実は悩みの
種で、アングル材をガッツリカットするのでネジ止めに悩まされる
ことが多かった。
カツミの都電4100が車体が同じ構造なので苦労した経験があり
そのあたりは「新動力という異常は改善する」のは当然である。
 
Oosaka320250625
意外な事実
これで軸距離20mmの動力が試作出来る!
さっそく計測してみたら・・・あれ?19mmだ(が~ん)
今までぜんぜん気が付かなかったが車輪径は8.0φである。
玉電80のときに「なぜ8φ?」と思ったのだが、カツミの路面電車は
伝統的に8φということなのだろうか?
(どっちにしても9.5φにしてしまうので関係ないけど)
それよりも軸距離が19mmというのはなんとも・・・
(この件、動力編に続く(笑))
 
Oosaka520250625
玉電80との比較
玉電を作っていて「ボディデカいなぁ」と思っていたのだが、
こうして大阪市電と並べてみると「普通じゃん」と思えてきた。
やはり「車両の種類が多い方が知識が増す」と思った(さらに遠い目) 
 
さて、次は定番の「動力問題」である。
 
注意!
ここに記載されていることは「私の個人的経験」です。
参考にされてもいいですが、正解である保証はありません。
進捗状況によっては、内容を変更する場合もあります。
参考文献
レイアウト全書 (株)機芸出版社 発行
RAILFAN 12月臨時号 車両研究5 鉄道友の会 発行
RAILFAN 12月臨時号 車両研究6 鉄道友の会 発行
世田谷線たまでん時代 宮脇俊三 宮田道一 編著 大正出版 発行
路面電車時代 吉川文夫 著 大正出版 発行

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2025.06.18

東急世田谷線デハ80の制作(2)

前回「長年の課題」と書いた話である。
 
Tama220250618
キットに同梱されている下回り
車体を組むときにキット同梱の下回りを確認すると「あれ?なんか
知らないものが入っている」と思った。
この時代(2000年)には動力がACEギア+シャフト連動になっている
のはともかくとしてこの台車はなんだろう?
調査の結果、晩年はデハ300で使われているTS322に交換されていたらしい。
(注:手持ち書籍が古くネットで調べた情報)
とりあえず組んでみると材質はホワイトメタルでメタルを打ち込んであって
それに8.0φの車輪という構成になっていた。
使うかどうか?を少し考えたのだが、私の路面レイアウトのカーブは
R140でシャフト連動の動力では無理なので断念することにした。
さて、そうなると下回りを調達しないといけない・・・
 
Tama120250618_20250618125101
長年愛用してきたダルマヤ動力
私の世代の路面用動力といえばダルマヤである。
そのためストックはそれなりに確保していたのだが、ボギー車両の
ショートホイールベース台車(17mmと20mm)はとっくの昔に
ストックが無くなっていた(涙)
ところで「路面用動力の理想」のようにダルマヤ動力を書いているが
あるポイントで悩みがあった。
それは「動作音」である。
なにしろ昔の製品なのでサウンドDCCを意識しているとは言えない。
集電/低速走行は良いのだが、ウィィィ~ンと引っ張るあの音は
サウンド搭載時には悩ましかった。
原因を考えてみると以下のような感じ?
・ギアの数が多い
・比較的高回転型のキドマイティを盛大に減速して使うため
 ギア部分の摩擦/叩く音が出やすい
・ウォームが2枚
そのため「静音動力を自製すべき」とはず~っと思っていた。
「長年の課題」を解決しなくては・・・と思ってはいたのだが、
面倒ではあるのでサボっていたのだが「キットを買うことで」
自分を追い詰めてようやく対応開始である。
 
Tama320250618
イメージはこんな感じ?
「サウンドDCC時代の路面動力(静音化)」の方針を決める。
・ウォームギアは1セットにする
 =>ナローガレージのモジュール0.3の1:24
・低回転/高トルクの小型モータ
 =>SS10を採用
・回転連動が最も静かで簡便な方法
 =>インサイドギア
考え方の基本は「回転する部分はモータを含めて低回転」である。
そうすれば騒音発生しにくいだろう、という考え方である。
 
Tama420250618
久々のギアスライス
昨今は・・・というより、そもそもインサイドギア用の平ギアは
入手はほぼ不可能である。
そんなことで「走行させる模型としていいのか?」とはず~っと
疑問に思っていた。
文句を言っても解決しないので、吊掛モータ開発のときには
協育歯車のモジュール0.3のギアをスライスして使用した。
インサイドギアでも同じものを?と思ったが試行錯誤の結果として
モジュール0.5のギアをスライスすることにした。
=>そのため治具は新規作成
 
Tama520250618
連動方式に悩んだ結果
インサイドギア作成で決めなくてはいけないこと。
・何枚の歯のギアを使うか?
・連動に何枚で行くか?(今回は軸距離17mm)
路面電車用の車輪は日光モデルの9.5φを使用する。
車輪側のギアとして使えそうな協育歯車のギアは15枚と
18枚があるのだが、径を測ってみると15枚(8mm)しか
使えないことが判った。
そうなると次は「何枚で連動するか?」である。
路面電車の低床用の台車では枕梁の位置が低い。
そうなると「小さいギアで5枚?」となる。
上画像を見ると判るのだが、5枚で行くとなると歯数10枚程度の
ものが必要になるのだが調達出来なかった(無念)
枚数が増えると作りにくくなることもあるのだが、その分騒音も
増す可能性が高い。
そうなると3枚にして真ん中に大きなギアということになる。
検討の結果、20枚でいけることが判った。
その案でさっそくインサイドギアを作成してみた。
当たり前なのだが、当然従前からの台車では使用出来ない。
さて、どうしたものか?
 
Tama620250618
中央ギアの高さ問題
とりあえず枕梁を14mmの高いものにしてみた(安直?)
これで走行可能なのだが・・・
実際に床板に取り付けようとして気が付いた。
このままでは「床板は全幅カット」になってしまう。
それはなんとも不便である。
さてはて、どうしたものか?
 
Tama720250618
枕梁を改良
そんなこと最初から気が付けよ!と思いながら、枕梁を凸型?に
して幅を6mm減少させた。
思いつくのは簡単なのだが、精度を保ちつつ曲げていく方法を
考案するのは結構手間だった(遠い目)
ちなみに、元の枕梁は非動力側にちょっと低くして使うことで
ロス無しで済んだ。
(注:このキットが床下シャフト駆動で床板位置が高いため)
 
Tama820250618
デハ80用下回り
あれこれ苦労したがどうにか下回りが出来た。
床板に取り付けて仮配線してみる。
 
Tama920250618
R140を通過
路面レイアウトでさっそくテスト走行を行う。
床板+動力で92g、ウェイト31gで走行させてみると極低速で
静音でR140を走行可能であることを確認出来た。
 
Tama1020250618
まだまだ実験段階?
とりあえずカツミの玉電80用の動力は出来た。
既存の路面電車の下回りと比較すると、たまたまこのキットの
床板位置が高いのですんなり(でもなかったが)使用出来た。
結果として運が良かった?ともいえる。
半面、「これを汎用可能(低床タイプ)と考えて良いか?は
なんとも微妙である。
軸距離も17mmは出来たが20mmはどうするか?
 
まだまだ修行だなぁ(遠い目)
 
注意!
ここに記載されていることは「私の個人的経験」です。
参考にされてもいいですが、正解である保証はありません。
進捗状況によっては、内容を変更する場合もあります。
参考文献
レイアウト全書 (株)機芸出版社 発行
RAILFAN 12月臨時号 車両研究5 鉄道友の会 発行
RAILFAN 12月臨時号 車両研究6 鉄道友の会 発行
世田谷線たまでん時代 宮脇俊三 宮田道一 編著 大正出版 発行
路面電車時代 吉川文夫 著 大正出版 発行

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2025.06.16

東急世田谷線デハ80の制作(1)

結構時間がかかったが「国産初期一眼レフを使う」を完了した。
その間にも「模型作りたい」と思っていたが、ようやく工作を
開始する。
そうなると「長年の課題」も解決しないといけない。
 
Tama120250616
第一回国際鉄道模型コンベンションの記念製品
課題だというのだからそれにすぐ着手したいのだが、そこまで
ストイックにはなれない(なぜ?)
なにか弾みをつけるためのアイテムを探していると、上画像の
キットを入手することが出来た。
カツミの世田谷線デハ80のキットである。
この製品、第一回国際鉄道模型コンベンションの記念品なので
なんと!2000年の製品である。
う~む、1/4世紀前・・・(遠い目)
私はかつて世田谷線沿線に住んでいたことがあり、玉電デハ80は
大変なじみのある車両で、自身のレイアウト上で走行する姿を見たい
と思っていた。
入手出来たことに喜びを感じつつ、まずは車体の基本的な部分の
組み立てを開始する。
 
Tama220250616
このハンダ付けは面倒
車体側面のハンダ付け窓枠/ドアとアングルの取り付けなので
特別難しいことはない。
それに対して、前面については大きなRの付いた妻板のため
窓枠下端の隙間塞ぎの細い帯状のパーツをハンダ付けするので
結構面倒である。
あれこれ考えた結果、角材に両面テープを付けてその位置に
固定してハンダ付け時に指で押さえて隙間を塞いでハンダ付け
するという「昭和のモデラー工作」で対応する。
(注:危険なので絶対にマネしないように!)
 
Tama320250616
ウィンドシルがギリの長さなのはなぜ?
続いてウィンドシルを付けるのだが、この帯板「ピッタリの長さ」
なのである。
車体側面用は長めになっているのに、Rを付けてハンダ付けする
必要がある(位置がズレ易い)この部分でピッタリにする意味が
よく判らない(う~ん)
グチりながらもRをぴったり合わせながら慎重にハンダ付けする。
 
Tama420250616
側面に前面を取り付け
通常の場合、前面パーツを側面につけるのはそれほど難しい
ことはない。
しかしこのキットでは「前面と側面が接する部分が凄く少ない」
のでハンダ付け時に戸惑うことがあった。
この後でおでこを付けないといけないので位置がズレると
後で隙間や段を埋めるのが面倒だからである。
 
Tama520250616
おでこパーツを付けてまずはここまで
おでこを付けながら「プレス製のおでこパーツってなんか懐かしい」
と思った。
なんだかんだ言っても25年前の製品なのである(遠い目)
その後は真鍮キットについてはロスト製の前面が増えてスポッと
嵌めてハンダ付け=>ヤスリでちょっと削って段塞ぎになった。
 
Tama620250616
木の丸棒が治具
強いカーブの前面にパイプのヘッド/テールのケースをハンダ付け
するのはこれまた面倒である。
どうやってやるか?
結局、昔からやっている「木の丸棒に刺して素早くハンダを流す」
という「昭和のモデラー」の技法で対処する。
 
Tama720250616
繋ぎ目をハンダで無くす
おでこの継ぎ目部分にハンダを盛って単目ヤスリで削っていく。
これもなんとも昭和のモデラーである(う~ん)
 
Tama820250616
車体工作はあとちょっと
あとはアンチクライマーとドア上の雨どいを付ければ車体工作は
終わりである。
そう考えるとデハ80って「スッキリした構造」なのだな(笑)
 
ということで、次は「長年の課題」の話である。
  
注意!
ここに記載されていることは「私の個人的経験」です。
参考にされてもいいですが、正解である保証はありません。
進捗状況によっては、内容を変更する場合もあります。
参考文献
レイアウト全書 (株)機芸出版社 発行
RAILFAN 12月臨時号 車両研究5 鉄道友の会 発行
RAILFAN 12月臨時号 車両研究6 鉄道友の会 発行
世田谷線たまでん時代 宮脇俊三 宮田道一 編著 大正出版 発行

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